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魔術大会

第31話 大会5日目:個人戦準決勝②

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「準決勝第2試合目!テクニカルな戦法で敵を惑わし確実に勝利を納めてきたA組カナ・ベルナール選手 vs!!巨大魔法陣に魔法掌握!まさしく王族に相応しい戦いを見せたB組ラクア・リアムール選手です!!」

ワァァァーーー!!!

「約束は覚えているか、カナ・ベルナール」

王子が話しかけてきた。

「はい、もちろんです」
「女だからと手を抜くつもりは無いぞ。降参するなら今のうちだ。」
「こちらこそ、王子殿下だからと手を抜くつもりはございません。降参するつもりもありませんよ。」
「…ふん。せいぜい足掻あがくんだな」

「それでは準決勝第2試合、始め!!」

「ウォーターショット」

とりあえず様子見で攻撃を仕掛けてみる。

「«デトニール»」

ピタッ…

予想通り攻撃は止められる。が、まあただの挨拶がわりなので問題無い。

ダッ!!

「リアムール選手、またしても速攻をかけた!ベルナール選手はどうする!?」

これもおおむね予想通り。水惑刀の存在を知った上でも、団体戦の私の動きを見れば"接近戦は苦手"と判断するはずだ。いかんせん武器が面白いだけで、本人の技量はたかが知れているのだから。

そういうわけで、速攻をかけられるのが分かっていて、特に囮になる必要が無ければそこに突っ立っている道理は無い。

バシッ!!

「おおっと!リアムール選手の剣がベルナール選手の体をすり抜けた!これは"幻影"だ!」

〘水惑刀〙・«飛水撃»

「チッ…」

ガ、ガ、ガキィィン!

「ベルナール選手が背後からの水刃を繰り出した!しかしリアムール選手、これを冷静にガードする!」

これに反応できるとは。かなり魔力を凝縮させているので«デトニール»は使えなかったらしいが、不意打ちしたのに剣で弾かれてしまった。なるほど、伊達だてに王子をやっている訳では無いらしい。私は再び"幻影"で隠れる。

さて、どうしたものか。今はとりあえず走り回って時々飛水撃を繰り出しているが、全て弾かれる。この調子ではらちが明かないし、私の体力が持たない。

「アクアランス」
「ここでリアムール選手動いた!大量の水の槍がベルナール選手を攻撃する!」

例の巨大魔法陣から水の槍が放出される。数にして60本、ランドルトの全力の1.5倍である。威力ももっとありそうだ。

「固体化・アクアウォール」

すかさず壁でガードする。

ガガガガッッ!!

なんとかガードできているが、完全に無差別に攻撃しているにしては、随分私の元にくる槍の数が多い。外れている槍も確認用に軽く飛ばしているだけに思える。«飛水撃»を浴びせていたときから思っていたが、どうも王子は私の位置を特定しているらしい。

ガガガッ!…シーン…

槍の雨が止んだので、私はアクアウォールとついでに"幻影"を解除する。

「もうかくれんぼは終わりか?」
「元素視や魔力視を使われたら、おちおちかくれんぼもできませんよ。」
「ようやく気がついたか」

そう、王子は元素視と魔力視が使えるのだ。でないと"幻影"を使っていた私の位置を、ここまで正確に捉えていた説明がつかない。

「それで?もう諦めるか?」
「それも悪くないかもしれませんが、やっぱりもう少し足掻あがかせていただきます」
「……ふん、それくらいでないと面白くない。」

そういうと王子は再び巨大な魔法陣を繰り出す。

「リアムール選手、今度は"大洪水"を繰り出す!」

こうして向き合うと想像以上の迫力だ。これを防御するのは少々無理がある。それなら……
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