GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第二章・それぞれの成長 ―

第25話 奮戦

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500Mぐらい離れている敵軍が落ち着くのを待たずして、清虎きよとらからの、

「第一陣、突撃!」

との命令が下る。

これに、長男の虎政とらまさが率いる先陣200万人が、

「うおおおお――ッ!!!!」

と駆け出した。

これに気付いた敵もまた、ほぼ同数の第一陣を動かしたようだ。


両陣営の真ん中あたりで、剣・刀・槍・斧といった武器が、

ガキィンッ!

ガシャンッ!

と、ぶつかり合う。

なかには盾で防いでいる者たちもいるようだ。

更には、様々な魔法に、矢が、飛び交っている。

「ふははははッ!」
「ぬるい!ぬるいわッ!」

と片刃のバトルアックスで、豪快に敵を薙ぎ倒しているのは、【戦士】である虎政だ。

敵軍のなかでも隊長クラスとおぼしき一人の男が、

「奴を止めろぉッ!!」

と、周りに促す。

だが、戦斧を右から左へ、

「フンッ!」

と振るった虎政によって、最大幅40㎝×長さ4Mで三日月状みかづきじょうの“風の刃”が、横一文字に、

ビュオッ!!

と、放たれ、その隊長の胸から上が、

ズバシュッ!!

と切断された。

これに、彼の配下だった者たちがビビッて、逃げ出したのである。

その結果、敵の陣形の一角が崩れていく。

虎政の、

「この機を逃すなッ!」
「押せッ! 押せぇえッ!!」

との大声に、味方が勢いづいたところ、敵軍の第二陣が送り込まれた。

状況を察した清虎が、

「儂らも参戦するかの。」

〝ニィッ〟と笑みを浮かべ、ヒーゴン軍の第二陣および第三陣の計400万を投じたのだ。

この第三陣には、清虎の本隊があり、そこには紫蓮しれんらの姿も見受けられた。


第一陣に合流した紫蓮が、刀で斬ったり、てのひらから雷撃を発す。

スライムの来夢らいむは、【武闘家】のように、パンチやキックを繰り出している。

ゴブリンの権蔵ごんぞうは、槍で突いたり、口から直径20㎝の“火の玉”を放つ。

リスの半獣で【アサシン】のラルが、攻撃を、

ヒラリ!ヒラリ!

と、かわしながら、

「ほえ~、紫蓮くんたち、千代さんらと修行を続けてだけあって、なかなかだねぇ。」

と感心した。

近くで、戦士用の大剣を振るっていた褐色肌のヴォニーが、

「集中しな! ラル!」

と、声を掛けたところ、

「確かに、ね。」

と頷いたラルが、ダガーで敵を刺すのであった。


紫蓮たちを観察していた清虎が、

「ふむ。短期間ではあったが、それなりに鍛え上げたようじゃの。」

と、愉快そうにする。

これに、【剣士】の千代ちよが、

「ええ。セルグさん以外は。」

と返し、左利きの【騎士】であるセルグが、

「そう苛めんなよ。」
「俺は、苦手なんだよ、他の奴に何かしらを教えんのが。」

と、視線を逸らしたところ、清虎が、

「ふははははッ!!」

と豪快に笑った。


完全に押しているヒーゴン軍に焦ったのだろう、敵の全軍が歩を進めてくる。

清虎の次男で、最後尾に構えていた晴清はるきよが、涼しげに、

「では、我々も行くとしましょう。」

と、開口したのであった―。
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