GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第三章・南陸行路 ―

第81話 トゥーサーの都

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あれから八日ほどが過ぎ、紫蓮しれんらは、[トゥーサー国]の首都に辿り着いた。

時刻は、AM11:00を回ったあたりだ。

“西の門”にて、門兵の一人に、

大巫女おおみこが居る御宮おみやに行きたいんだが…。」

紫蓮が訊ねる。

これに、30代前半の男性兵士が、

「ん?」
「お参りに来た旅人か??」
「まだ10代だろうに偉いなぁ。」

勘違いで感心した流れで、

「御宮なら、都の中心に在る城の、北東に建てられている。」
小山こやま自体が、そうだから、分かりやすいいだろう。」
「“機関車”であれば、中心地まで一時間半ぐらいで到着できるが…、その、ミノタウロスは乗れないだろうな、体が大きいから。」

と、教えてくれた。

「歩きだと、どれくいら掛かる?」

紫蓮が質問したところ、

「んん~、……、7、いや、8時間、 だな。」

そう答えたのである。

「じゃあ、何処かで宿泊したがいいか…。」

ほんの少しだけ思案した紫蓮が、

「すまない、ありがとう。」

と軽く会釈して、サーヴァント達と都に入っていく。


来夢らいむ権蔵ごんぞうは、[ヒーゴン国]などで“首都”や“王都”を経験していたが、新羅しんら夜摩やま美麗みれいは初めてである。

だからだろう。

今までの街と比較して何倍もの規模があるみやこというものに驚き、目や口を開いていた。

「これはまた……、恐るべしだのぉ、人間というものは。」

〝う~む〟と呻る新羅に、夜摩と美麗が〝コクコク〟と頷く…。


それからは、食事休憩や、小休止を挟みつつ、宿に泊まりながら、中心地へと向かった。

城の近くに着いたのは、翌日のAM10:00頃である。

徒歩で5分ほどの位置に、小山が見受けられた。

この南側に、なかなか大きな鳥居があり、石の階段が山頂へと伸びている。

それを登って行ったところ、途中途中の、左右に道があり、幾つかの建物が在るようだ。

紫蓮らは、往来している参拝客と、すれ違いつつ、頂上を目指したのである。


標高350Mくらいのいただきにも鳥居があり、これをくぐった境内は割と開けていた。

ここに、1階建てではあるが、荘厳なやしろが存在していたのである。

鳥居の近くにいた巫女に、

「すまないが、大巫女は何処にいる?」

紫蓮が声をかけたら、

「はぁ…?」

首を傾げられてしまった。

彼女は、身長158㎝ぐらいの、“猫の半獣”である。

〝フ〟と思い出した紫蓮が、

「“ヒーゴンの侍王”からの紹介なんだが…。」

と、告げたところ、

「え?!」
「あ、はい。」
「ここで、少々、お待ちください。」

一礼した巫女が、足早に去っていった。


数分後に戻ってきた“猫の半獣”の案内で、紫蓮たちが移動する。

社から東に50Mくらい下った場所に、お屋敷が建てられていた。

「それでは、代表の方だけ、どうぞ。」
「他の方々は申し訳ございませんが、こちらで、お待ちください。」

巫女によって、紫蓮は、大きめの屋敷のなかへと通されたのである―。
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