GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第四章・西陸行路 ―

第150話 九人目の。

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「お、お呼びでしょうか?」
「大聖女様。」

いささか緊張しながら入室してきたのは、身長が155㎝前後の少女だった。

年齢は紫蓮しれんたちと大差なさそうだ。

肌は白く、銀色の髪は“ゆるふわショート”である。

更には、スカイブルーの瞳に、丸メガネを掛けていた。

「ルウェー。」
「こちらは、私が若かりし頃に旅を共にした人々と所縁ゆかりのある方々です。」
「現在、彼らは、〝神々を倒すに至る〟べく、冒険しながら腕を磨いています。」

説明していく大聖女に、

「はぁ。」

ルウェーが首を傾げつつ返事する。

「あなた……、ご一緒しなさいな。」

大聖女が唐突に促したところ、

「え?!」
「わ、わわ、私がですか??」

驚くルウェーであった。

「あら?」
「不服なの??」

訊ねた大聖女に、

「いえ、いえいえいえいえ、いえ。」
「そうではなく…、よろしいんですか? 私で。」
「もっとしっかりした人が適任なのでは??」

ルウェーが確認する。

それに対して、

「ええ。」
「この件は、あなたが最も相応しいわ。」
「支度を整えて、もう一度ここに来なさいな。」
「書状を預けるから。」

このように、大聖女が述べた。

「わ、分かりました!」
「それでは、後ほど。」

大聖女と、[ゴッド・スレイヤーズ]に、それぞれ会釈したルウェーが、足取り軽く部屋から出ていく。

その様子を眺めながら、

「あの子はね、孤児なの。」
「まぁ、ここで生活している修道女の約4割が、そうなのだけれども……。」

大聖女が口を開く。

「ルウェーは、生まれて間もない赤ん坊の頃に、聖堂の正面玄関に捨てられていたの。」
「そういう境遇の修道女は、他にも何人かいるけど…。」
「ただ、15歳の彼女の場合は、同じぐらいの世代の子がいなくてね。」
「先輩も後輩も5つ以上は離れていて、いつも、どこか寂しそうにしている。」
「……、あなた達は年が近そうだし、悪い感じはしないから、きっと仲良くやっていけるでしょう。」
「それに、いつの日にか世界を旅して回るのは、ルウェーの夢でもあったの。」
「だから…、あの子のこと、お願いね。」
「戦闘の腕前に関しては保証するから。」

微笑んで語り終える大聖女だった……。


およそ20分後。

1階のエントランスに、

「す、すみません。」
「お待たせしました!!」

修道服から、ブラックの革手袋&ロングブーツ・キャメルのパンツ・ホワイトのロングコートといった格好に着替えたルウェーが、合流してくる。

五体のサーヴァントたちを伴って。

「それでは、いつも通り、我らのパーティーに招待しよう!」

撫子なでしこの提案に、紫蓮が頷く。

「よ、よろしくお願いします。」

お辞儀したルウェーと、紫蓮が、ブレスレットから[画面]を開き、登録を完了したタイミングで、

「お手紙は何処に届けますの?」

ランソワが尋ねた。

「あ、はい。」
「エーチゼェンの北東に隣接している“ミーノン国”です。」
「そこの国主さまに渡すようにとの事でした。」

ルウェーが伝え、

「おし!!」
「すぐにでも出発しようぜ、紫蓮!」

グーランが急かす。

しかしながら、

「いえ、お買い物を先に済ませんか??」

涼音すずねの意見に、誰もが〝そうだな〟といった感じで納得するのであった―。
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