GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第四章・西陸行路 ―

第162話 彼女からのプレゼント

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テント(ゲル)の外にて。

スリアが[ブレスレット]から画面を開いて、乗り物を出現させた。

これ・・は“トライク”というもので…。」

そう述べながら跨ったスリアが、

「このように運転する。」

右手でアクセルを回す。

全体的に黒色を基調としつつ赤色を用いており、流線形であるフロントの左右にビームマシンガンを備え付けた、前輪1つ×後輪2つの“三輪バイク”が進んだところ、

グーランとフゥーリカンが同時に、

「おお――ッ!!」

瞳を輝かせて嬉々とした。

紫蓮しれんにランダ―も興味を示している。

バックで戻って来たスリアに、

「どういう仕組みなんですか?」

タリアノが訊ねた。

どうやら男性陣の心は鷲掴みにされてしまったらしい。

「んー、話すと長くなるから、詳しいことは後にするとして……。」
「簡単に説明すれば、“魔鉱石”と“機械”の融合だ。」

アバウトに語ったスリアに、

「俺たちにも操作できるのか!?」

フゥーリカンが質問する。

「いや、慣れないうちは事故を起こすだろうから、めておくべきだな。」

スリアが返したところ、グーランが、

「そうかぁー。」

フゥーリカンともども肩を落とした。

その様子に、

「“代わり”と言ってはなんだが、君達には別の製品を贈らせてもらうよ。」
「〝もしも本当に君らが実在しているならば〟と、念の為に前々から開発していたもので…、喜んでもらえれば良いのだが。」

笑みを浮かべたスリアが、再びブレスレットを扱う……。


「馬、ですよね??」

尋ねたのは、ランソワである。

[GOD SLAYER’S]の眼前には、確かに馬とおぼしき10体の物が整列していた。

しかし、どこか奇妙だ。

全身が“銀製の甲冑”みたいになっており、瞳が無かったのである。

「これらも、トライクと似た感じで製造した品々だから、実際に生きている訳ではない。」

このようにスリアが解説したら、

「“ゴーレム”のようなものでしょうか?」

タリアノが首を傾げた。

「んー、少し違うな。」
「でも、まぁ、ゴーレムみたいに魔力が込められた魔鉱石を“コア”にしているから、ある程度は自分で判断して動く。」
「ただ、暴走しないように制御してあるから、殆どは操縦者に委ねられるというわけさ。」
「あと…、目からビームを発射する。」

それには、撫子なでしこまでもが〝おおッ?!〟と、くいついたみたいだ。

「私、背が低いので、乗れそうにありませんが……。」

残念がっているのは、ルウェーである。

「それなら問題ない。」
「この“機械馬きかいうま”は、座ったり立ったりが出来るからね。」
「それぞれくらの左右に、君達の名前を刻印しておいたから、自分の馬の前に並んでくれ。」
「一人ずつ顔と声を認証させていくから。」
「これが完了すれば、持ち主の命令に従うようになるのさ。」

こう促すスリアだった…。


機械の馬に乗った[ゴッド・スレイヤーズ]が、これに慣れようと、“いち曲輪くるわ”をめぐっていく。

途中、武術マスターの家臣たちと何度か遭遇したところ、誰もが〝なんだ、あれは??〟といった感じで、目を丸くしていたのであった―。
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