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― 第五章・魔の領域 ―
第212話 交歓
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鬼王の“昔語り”に、誰もが〝へぇー〟と理解を示した。
その流れで、青色ショートヘアーに黄色肌といった[男性の鬼]を見た涼音が、
「あのぉー、ずっと気になっていたのですが……。」
「貴方は、かつて、“トゥーサーの神社”に訪れた事がありませんか??」
「間違っていたら、すみません。」
こう述べたのである。
「ん?」
「ああ。」
「確かに、10年以上前に一度だけ赴いたことがあるが??」
鬼が軽く首を傾げたところ、
「私、そこの大巫女の孫娘で…、妹のほうです!」
いささか興奮しながら伝える涼音であった。
「……、お!!」
「おお―ッ!」
「あの時の、お嬢ちゃんかぁ!!」
瞳を大きくした鬼が、
「大きくなって…、見違えたよ。」
「息災だったかい?」
次の瞬間には、優しく微笑んだ。
「ええ。」
「お久しぶりです。」
そのように返した涼音は、
「それにしても……、あの頃と全くもってお変わりないようですが、いったいどういう事でしょうか?」
驚きを隠せないでいる。
「あー。」
「オレ達、妖魔の類は、人間よりも寿命が長いからな。」
「老化が遅いんだ。」
「これでも、70年は生きているよ。」
鬼が答えるなり、
「マジでか?!!」
ビックリしたのは、グーランだ。
他の人々も、目を丸くしていた。
「ちなみに、妾は、50歳を超えておるぞ!」
こう告げたのは、百桃星である。
「え!?」
「同じぐらいの年齢かと思ってた…。」
唖然とするペイニーが愉快だったのか、
「弟の八世は、四十を過ぎておる!!」
子供みたいにドヤる第二王女だった。
それらの情報に、人間たちが〝ええ――ッ??!〟と一層に驚愕したのである。
こういった反応に〝ケラケラ〟と笑った百桃星によれば、姉は60代であり、父である王が90代後半で、母は80代半ばとの話しであった。
なお、順番としては、長兄→長女→次女の百桃星→次男の八世、とのことだ。
「これは、また一つ、勉強になりましたね。」
呟いたタリアノに、
「はい。」
「確かに、おっしゃる通りです。」
ルウェーが頷く。
そのような状況下で、
「ま、それはいいとして。」
「さぁ、飲み直そうぞ!」
改めて音頭を取る鬼王だった……。
あれから三時間が経ったものの、宴は、まだ続いているようだ。
酒に弱い者らが退室していくなかで、〝まだまだいける!!〟という連中は、酔いも手伝い、大盛り上がりしていったのである。
屋外にて。
〝フ〟と夜空を見上げたナーガリーが、
「この国は、サーガミィーよりも星と月が綺麗ですねぇ。」
このような感想を口にした。
「きっと、空気がとても澄んでいるのでしょう。」
“副隊長”の女性が分析したところで、
「明日の朝には、皆さんと、お別れですね。」
隊長たるフーマーが、目を細める。
そんな意見に、[国主の娘]が後ろを振り向いて、
「その件なのですが…。」
「私は、妖怪の方々と神の戦いを見届けるまでは帰らないつもりでいます。」
「紫蓮さん達も参加する事に決めていらっしゃいましたしね。」
胸中を吐露したことで、
「はいぃ~いッ!?」
と、フリーズしてしまう“サガーミィーの者たち”であった―。
その流れで、青色ショートヘアーに黄色肌といった[男性の鬼]を見た涼音が、
「あのぉー、ずっと気になっていたのですが……。」
「貴方は、かつて、“トゥーサーの神社”に訪れた事がありませんか??」
「間違っていたら、すみません。」
こう述べたのである。
「ん?」
「ああ。」
「確かに、10年以上前に一度だけ赴いたことがあるが??」
鬼が軽く首を傾げたところ、
「私、そこの大巫女の孫娘で…、妹のほうです!」
いささか興奮しながら伝える涼音であった。
「……、お!!」
「おお―ッ!」
「あの時の、お嬢ちゃんかぁ!!」
瞳を大きくした鬼が、
「大きくなって…、見違えたよ。」
「息災だったかい?」
次の瞬間には、優しく微笑んだ。
「ええ。」
「お久しぶりです。」
そのように返した涼音は、
「それにしても……、あの頃と全くもってお変わりないようですが、いったいどういう事でしょうか?」
驚きを隠せないでいる。
「あー。」
「オレ達、妖魔の類は、人間よりも寿命が長いからな。」
「老化が遅いんだ。」
「これでも、70年は生きているよ。」
鬼が答えるなり、
「マジでか?!!」
ビックリしたのは、グーランだ。
他の人々も、目を丸くしていた。
「ちなみに、妾は、50歳を超えておるぞ!」
こう告げたのは、百桃星である。
「え!?」
「同じぐらいの年齢かと思ってた…。」
唖然とするペイニーが愉快だったのか、
「弟の八世は、四十を過ぎておる!!」
子供みたいにドヤる第二王女だった。
それらの情報に、人間たちが〝ええ――ッ??!〟と一層に驚愕したのである。
こういった反応に〝ケラケラ〟と笑った百桃星によれば、姉は60代であり、父である王が90代後半で、母は80代半ばとの話しであった。
なお、順番としては、長兄→長女→次女の百桃星→次男の八世、とのことだ。
「これは、また一つ、勉強になりましたね。」
呟いたタリアノに、
「はい。」
「確かに、おっしゃる通りです。」
ルウェーが頷く。
そのような状況下で、
「ま、それはいいとして。」
「さぁ、飲み直そうぞ!」
改めて音頭を取る鬼王だった……。
あれから三時間が経ったものの、宴は、まだ続いているようだ。
酒に弱い者らが退室していくなかで、〝まだまだいける!!〟という連中は、酔いも手伝い、大盛り上がりしていったのである。
屋外にて。
〝フ〟と夜空を見上げたナーガリーが、
「この国は、サーガミィーよりも星と月が綺麗ですねぇ。」
このような感想を口にした。
「きっと、空気がとても澄んでいるのでしょう。」
“副隊長”の女性が分析したところで、
「明日の朝には、皆さんと、お別れですね。」
隊長たるフーマーが、目を細める。
そんな意見に、[国主の娘]が後ろを振り向いて、
「その件なのですが…。」
「私は、妖怪の方々と神の戦いを見届けるまでは帰らないつもりでいます。」
「紫蓮さん達も参加する事に決めていらっしゃいましたしね。」
胸中を吐露したことで、
「はいぃ~いッ!?」
と、フリーズしてしまう“サガーミィーの者たち”であった―。
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