GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第五章・魔の領域 ―

第243話 天下ノ計・破

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「おぉー、なんか現実味を帯びてきたな!」

そう述べたグーランに、

「うむ。」
「確かになッ。」

撫子なでしこが同意する。

「じゃ、早速、いろんなとこに根回しすっか。」

このようにフゥーリカンが催促したら、

「なんだか面白くなってきたのう。」

百桃星ももせが笑みを浮かべた。

盛り上がっていく四名に、リーダーの紫蓮しれんが、

「いや、ちょっと待て。」
「本気で俺達に治めていけると思ってんのかよ?」
「そもそも誰が国主を務めるんだ??」

そうした疑問を口にする。

「え?」
「当然、紫蓮さんでしょう??」

ランダ―が意見したところ、仲間たちが頷いた。

「……、無理だろう。」
「経験ねぇんだから。」

少なからず困惑する紫蓮に、

「皆で力を合わせれば、きっと大丈夫でしょ。」
「なかには、各国主や王の血筋だったり、繋がりがある人もいるんだから、分からないことがあれば助言を求めればいいんじゃない?」

こう伝えるペイニーであった。

「…………。」

いささか考えた紫蓮が、

「やっぱ、やんねぇ。」
「俺としては、各地を巡って神どもを排除していきたい。」

嫌そうに目を細める。

「だから、それだと時間が掛かりすぎるからこその〝連合を成す〟という策だろ。」

スリアに指摘され、

「そこは理解できてんだが…。」
「でもなぁ~。」

自身の腕を組んで〝んんーッ〟と難しがる紫蓮だった。

そんな彼に、

「取り敢えず、三年から五年あたり実践じっせんしてみては如何です??」
「その間に有能な人材を見付けだし、次の国主として育てあげれば、ゆくゆくは座を譲って、自由に活動すればよいでしょう。」

こう提案したのは、タリアノである。

両目を閉じた紫蓮が険しげな表情で沈黙したら、

「生まれ故郷ともなれば、攻め込んだ際に、知人の方々と争う事になるかもしれません。」
「気が引けるのであれば断っても構いませんよ。」
「ただ……、神を倒して、良い政治を行なえば、救われる人も多いことでしょう。」
わたくしどもは、どのような決定であっても尊重しますが…、前向きに検討するのも悪くないのではありませんか?」

ランソワが穏やかに声をかけた。

〝スッ〟とまぶたを開け、〝ふぅ――〟と息を吐き、

「“南陸なんりく第十三神国しんこく”を制圧したのち、俺らで統治する。」
「期間限定だがな。」

そのように紫蓮が告げる。

パーティーメンバーが〝おお―ッ〟と沸くなか、

「マスター、侍王みたいに、なる??」

首を軽く傾げたのは、来夢らいむだ。

「まぁ、そんな感じですよ。」

権蔵ごんぞうが応じたところで、

「まずはいくさに勝利するのが大前提ではあるが、ま、我々であれば問題なかろう。」

笑みを浮かべる新羅しんらであった。

これ続いて、

「神どもを打ち負かすのが今から楽しみだな。」

夜摩やまが〝ワクワク〟しだす。

そうした二体に、

「念のため言っとくけど、油断は禁物よ。」

釘を刺す美麗みれいだった―。
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