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― 第六章・吉凶禍福 ―
第245話 手順
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[ゴッド・スレイヤーズ]は、タリアノによって【瞬間移動】した。
そこは、[オワ-リンの首都]の南門付近のようだ。
ここから、徒歩で城を目指すパーティーであった……。
二日後の昼前に、城へと辿り着いている。
門兵の1人が、
「あ!!」
「もしや、貴方がたは、“GOD SLAYER’S”では?」
そのように窺ってきた。
彼は、紫蓮などと同じくらいの年齢みたいだ。
「そうだが??」
首を傾げた紫蓮に、
「以前、“第十三神国”との戦で〝数柱の神々を討ち取った〟とか。」
「〝それによって敵軍は退却を余儀なくされた〟とも聞き及んでいます!」
若い兵士が瞳を輝かせる。
メンバーの多くが〝あぁー〟と理解を示したなかで、
「本日は、ラーザ様に御用ですか?」
こう尋ねてくる青年兵だった。
〝コクッ〟と頷いた紫蓮が、
「すぐにでも面会したい。」
と述べたところ、
「少々お待ちを!!」
「今お伝えしてきまッす!」
城内へと走りだしたのである。
目を細めて、
「いいのか??」
「持ち場を離れても?」
フゥーリカンが疑問を口にしたら、その場に佇んでいる別の兵士が苦笑いしたのであった…。
早歩きで向かってきつつ、
「おぉ~!!」
「しれぇーん!」
貴族みたいな男性服のラーザが嬉しそうにする。
彼女の後ろには、“元鮮紅の豹一団”こと[ラーザの近衛衆]に、先程の青年兵が、続いていた。
足を止め、
「一別以来あまり経っていないが、どうしたんだい??」
このように訊ねてきたラーザに、
「場所を変えてもらえると有り難い。」
紫蓮が返す。
ラーザが〝ん?〟と不思議がったところ、
「限られた者にしか聞かせられない重要案件か??」
ふと察したらしい“武士の弥太朗”が窺ってきたのである。
それに対して、首を縦に振り肯定する紫蓮だった……。
[広間]で、タリアノが説明を終える。
「〝さまざまな種族で連合を成す〟って…。」
「途方もない計画だね。」
“武闘家のラット”が表情を険しくする。
他の面子も難しそうにしているなか、
「よい策だなッ!!」
〝ワクワク〟を隠せないラーザであった。
「なんにせよ。」
「まずは、国主様に伺うべきだろう。」
“アサシンの秀嗣”が意見した流れで、
「ならば、これを。」
「魔王である我が父が、国主宛てに認めたものだ。」
イリィータンが書状を差し出す。
「ふむ。」
手紙を受け取ったラーザが、
「それじゃあ、父上のもとに行くとしよう。」
「弥太郎、付いて来てくれ。」
「あとは、紫蓮と……、さっき話してくれた君も一緒に、頼む。」
タリアノも指名したのである…。
[執務室]にて。
魔王が記した用紙を黙読した国主が、
「うぅ~む。」
眉間にシワを寄せた。
「父上!」
「何を悩む必要があるのです?!!」
「これが現実化すれば、神どもを殲滅できる可能性が〝ぐッ〟と高まるでしょうに!」
大きめの声で促すラーザに、〝ふぅ――ッ〟と息を吐いて、
「独断で決められるほど軽い内容ではあるまい。」
「……、明朝までに主だった者らを招集し、会議を開く。」
こう告げた国主が、
「それで、いいかね??」
紫蓮とタリアノに視線を送る。
これに、
「ええ、当然のご判断です。」
冷静かつ穏やかに応じるタリアノだった―。
そこは、[オワ-リンの首都]の南門付近のようだ。
ここから、徒歩で城を目指すパーティーであった……。
二日後の昼前に、城へと辿り着いている。
門兵の1人が、
「あ!!」
「もしや、貴方がたは、“GOD SLAYER’S”では?」
そのように窺ってきた。
彼は、紫蓮などと同じくらいの年齢みたいだ。
「そうだが??」
首を傾げた紫蓮に、
「以前、“第十三神国”との戦で〝数柱の神々を討ち取った〟とか。」
「〝それによって敵軍は退却を余儀なくされた〟とも聞き及んでいます!」
若い兵士が瞳を輝かせる。
メンバーの多くが〝あぁー〟と理解を示したなかで、
「本日は、ラーザ様に御用ですか?」
こう尋ねてくる青年兵だった。
〝コクッ〟と頷いた紫蓮が、
「すぐにでも面会したい。」
と述べたところ、
「少々お待ちを!!」
「今お伝えしてきまッす!」
城内へと走りだしたのである。
目を細めて、
「いいのか??」
「持ち場を離れても?」
フゥーリカンが疑問を口にしたら、その場に佇んでいる別の兵士が苦笑いしたのであった…。
早歩きで向かってきつつ、
「おぉ~!!」
「しれぇーん!」
貴族みたいな男性服のラーザが嬉しそうにする。
彼女の後ろには、“元鮮紅の豹一団”こと[ラーザの近衛衆]に、先程の青年兵が、続いていた。
足を止め、
「一別以来あまり経っていないが、どうしたんだい??」
このように訊ねてきたラーザに、
「場所を変えてもらえると有り難い。」
紫蓮が返す。
ラーザが〝ん?〟と不思議がったところ、
「限られた者にしか聞かせられない重要案件か??」
ふと察したらしい“武士の弥太朗”が窺ってきたのである。
それに対して、首を縦に振り肯定する紫蓮だった……。
[広間]で、タリアノが説明を終える。
「〝さまざまな種族で連合を成す〟って…。」
「途方もない計画だね。」
“武闘家のラット”が表情を険しくする。
他の面子も難しそうにしているなか、
「よい策だなッ!!」
〝ワクワク〟を隠せないラーザであった。
「なんにせよ。」
「まずは、国主様に伺うべきだろう。」
“アサシンの秀嗣”が意見した流れで、
「ならば、これを。」
「魔王である我が父が、国主宛てに認めたものだ。」
イリィータンが書状を差し出す。
「ふむ。」
手紙を受け取ったラーザが、
「それじゃあ、父上のもとに行くとしよう。」
「弥太郎、付いて来てくれ。」
「あとは、紫蓮と……、さっき話してくれた君も一緒に、頼む。」
タリアノも指名したのである…。
[執務室]にて。
魔王が記した用紙を黙読した国主が、
「うぅ~む。」
眉間にシワを寄せた。
「父上!」
「何を悩む必要があるのです?!!」
「これが現実化すれば、神どもを殲滅できる可能性が〝ぐッ〟と高まるでしょうに!」
大きめの声で促すラーザに、〝ふぅ――ッ〟と息を吐いて、
「独断で決められるほど軽い内容ではあるまい。」
「……、明朝までに主だった者らを招集し、会議を開く。」
こう告げた国主が、
「それで、いいかね??」
紫蓮とタリアノに視線を送る。
これに、
「ええ、当然のご判断です。」
冷静かつ穏やかに応じるタリアノだった―。
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