境界の剣ー才能のない俺の剣に、彼女だけが応えたー
この世界は三つに分かれていた。
剣技を極める大陸・剣界。
魔術を極める大陸・法界。
そして、二つを隔てる渓谷の奥に潜む、禁忌の地・魔界。
三つの境界にそびえ立つ世界樹〈樹塔〉は、世界中の冒険者が己を鍛えるために挑み続ける、象徴と試練の場所だった。
アッシュ・クレネードは、剣界に生きる最弱クラスの冒険者。
幼い頃、二人の幼馴染と「いつか三人で世界一になろう」と誓い合った。だが十歳の適性判定で運命は分かたれる。魔術の才に恵まれた二人は法界へと渡り、瞬く間に頂点へ駆け上がっていった。
剣の才も、魔の才もなかったアッシュだけが、剣界に取り残された。
それでも、諦めなかった。
一年後に開かれる世界大会。もう一度、幼馴染たちの隣に立つために――アッシュは今日も、誰よりも不格好な剣を振り続けている。
そんなある日、一人の少女と出会う。
銀の髪、額に刻まれた紫の紋様。名はリーシェ。
世間では"魔界五大兵器"と恐れられ、誰からも一人の少女として見られたことのない、孤独な魔人だった。
才能のない剣士と、居場所のない魔人少女。
二人の想いが重なった時、剣に刻まれた"境界"の紋様が、静かに目覚める。
これは、何も持たない少年が、たった一つの絆を力に変えて、世界の常識に挑む物語。
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