異世界転移~治癒師の日常

コリモ

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第2章冒険者登録とヒーラーへの道

納品と登録  そして買い物を少し その3

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途中寄り道をすることもなく、治療ギルドに到着。さすがにこの領内では滅多に大怪我を負わないというだけあって、薬草や化粧品なども扱っている。やった~!!
【はっきり言って肌に合わないと思われます。ご自分で基礎から作られることをお勧めします】
『そうなんだ。石鹸なんかもそうなの?』
【はい。落ちているのかはっきりしないぐらい怪しいです】
わ~。『ナビさんすごくお仕事してくれるのはいいけど、私の鑑定意味ないような…』
【いいえ鑑定のスキルに含まれております】
なんかすごすぎて一体私を何にしたいのかわからない。

「いらっしゃいませ。あなたがマコトさんね、ガイアスから話は聞いているわ。私はカリエ、この治療ギルドのマスターをやっているわ」
「初めましてマコトと申します。スキルに治癒師とあったのでこちらに登録するように言われたのですが、ほとんど治癒魔法といわれるものが使えないのです」
「一度も使ったことがないの?」とカリエ様に言われたが、
「はっきり言って、薬草や薬を扱うことが多くて実際ヒールの方法もわかりません」と答えると
「最低ヒールとキュアだけでも覚えて欲しいのだけど、いま時間ある?」とジーク様に聞いてきた
「ああ。今の所必要なものは揃っているから、時間は大丈夫だ」と言ったので
「早速奥の部屋でやってみない?」
「なんか怖いんですが」
「大丈夫ちょっと怪我をしたみたいなの。他の魔法は使えるのでしょ?」
「はい。なんとか風魔法の《ウィンド》と土魔法で使える《採取》は使えます」
「じゃあ魔力操作はできるのね。あとはイメージだから大丈夫」
「イメージですか?」
「おい。お前のやり方を押し付けるな」と横からジーク様が言ってくださった
「だってそういうしかないじゃない。とにかく実践あるのみ」そう背中を押されて奥の部屋に行くと確かにケガ人と病人が二人ほど寝ていた。
「まずケガ人の方なんだけど、高いところから落ちて両足骨折、他にもいろいろあるんだけど、私一人じゃ手に追えないのよ。もう一人は熱が昨日から出てなかなか下がらないと言って来たの。薬草棚を利用していいから手伝って」と懇願された。
「では怪我をしている人は応急処置をしてありますか?」
「もちろん折れたところを添え木して固定してあるわ」
「病人は食べ物とか何か問題があったなど聞いていませんか?」
「特には聞いていないけど、お腹を壊しているって言ったかしら」
「じゃあ、まず病人の方に《鑑定》をかけてみますね『よろしく』」
【ケイト:犬獣人、腹痛を伴う発熱は食中毒の可能性が大。寄生虫は存在せず。キュアをかけてからライル草を煎じたものか、ザクロを使ったお茶をお勧めします】
『他に問題は?』
【ご家族も同じ症状が出る可能性があるので、呼びに行ってもらってください】
「カリエ様。この方は食中毒の可能性があります。熱冷まし以外にザクロ茶を飲ませてください。あとご家族も呼んで同じ治療を」というと
「わかったわ。そこの薬草棚にあなたの言うザクロはある?」
【その右から3番目下から4段目にある瓶です】
「多分これですね」と言ってナビの示してくれた瓶を取ると、
「ああクロスのことね。わかったわ。それから普通に名前で呼んでもらえるかしら?なんかむずがゆくて」そう言ってカリエさんはジーク様に彼女の家族を連れてくるように話したあと、クロスを持ってお茶を入れに行った。
『じゃあキュアをかけてみようかと思うの。ナビ具体的にお願い』
【まず彼女の体全体に正常な流れを作るように念じてください。】
『何か途中で止まってしまうところがあるわ』
【そこが患部です。そっこの部分にキュアをかけてみてください】
『わかったわ[キュア]』
【もう一度。体の汚れを取り出すつもりで】
[キュア]
【これで大丈夫でしょう。Lvが上がりました。光魔法《キュア》と《ヒール》が使えるようになりました。鑑定に患部発見がつきました】
「あらだいぶ良くなったみたいね呼吸も落ち着いているわ」とカリエさんがクロス茶を持ってきてくれてびっくりしていた。
「なんとか《キュア》を習得できました。あとはそのお茶を飲んで安静にしていることですね」と答えると、
「よかったわ。やっぱり実践あるのみねさあ、このケガ人も見てちょうだい」
「はい『じゃあ、この怪我をしている人を見ましょう』
【ジン:猫獣人、屋根の上での作業中に足を滑らせて落ちたため両足複雑骨折。となっているが実際は下から突然石を投げられて落ちた。一応添え木はされているが、患部はそのまま】
『チョット待ってなんで高所で仕事している人に石を投げるの?』
【この大陸では彼ら獣人族など亜人は、人より劣るとされており、忌避されて下手すると奴隷にされます】
『でもこの人たち奴隷とはでなかったよね』
【ジーク様が奴隷制度を廃止されたからです。でも彼らを馬鹿にするものはあとを絶ちません】
『そうか。とにかくヒールをかけないと足が腐ってダメになっちゃう。ナビよろしく』
【では骨の形状配置は人のそれと変わりません。まず体をきれいにするイメージで《キュア》をかけてください】
[キュア]
【今度は一発で成功しましたね。次に《ヒール》をかけるのですが、骨を治すには出力不足です。今のMPでもきついかも。ですので、カリエさんにお手伝いいただいた方が得策です】
「すいませんカリエさんこの方の足、複雑骨折なのでこのままではただ添え木しても良くなりません。ですので《ヒール》の上級をおしえていただけませんか?」と聞くと
「《ハイヒール》のことね。そうね難しいこともないけど、そうだいい方法がある。私が彼の足の骨に正常な位置になるように《ヒール》をかけるからその上から繋がるように《ヒール》をかけてくれれば大丈夫」
「おいカリエ、適当なことを言うなよ。それでも両足をやるにはMPも効き具合も足りないはずだぞ」とちょうどケイトさんの家族を連れてきたジーク様にツッコミを受けたが
「そんなこと言っていられないの。とにかくまず実践よ。マコト手伝って」というのが早いか彼のそばに寄って[ヒール]と唱えながら足の骨を正常の位置に戻してくれた。
よし私も[ヒール]とにかく彼の足の骨がくっつくのをイメージしてもう一度[ヒール]

あたり一面が光り出したと思ったら、そこにいた患者さん全員の患部が光り出し全部の光が消えた頃、私は意識を失った
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