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二章
とりあえずの落着
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今日1日で魔力を使いすぎた俺は床に座り込んでいた。さすがに疲れた。腹も減ったし。
ドミニクとトロイアーノは、城内にある牢にクレイシャンを連行していった。魔法が使えなくなったクレイシャンは全く抵抗しなかった。
皇帝達と王の間で待機していると、程無くしてドミニク達が戻ってきた。2人も俺の近くに腰を下ろす。玉座に座ればいいのに、皇帝も床に胡座をかいていた。
少し休んでからトロイアーノが物置で待機していたお供に念話で連絡を取る。物置に隠れている必要が無くなったので、皇后と皇女を王の間に連れてくるらしい。
「将軍、大広間の死体を片付けてからの方がいいんじゃないですか?あんまり見せるようなものじゃないですよ?……その、特に皇女には」
大広間の惨状を思い出してトロイアーノに忠告する。皇女はまだ子供だしなぁ。
トロイアーノの代わりに皇帝が首を横に振る。
「渡人殿、后もクレリアも皇族なのだ。この国に起こったことから目を逸らさせてはならん。……例えそれがどれだけ悲惨なものであったとしても」
うーん、そういうもんか?俺も事実は教えなきゃいけないとは思うが、なにも見せなくても……。
「……だが、クレリアの父として礼を言う。そして、この国を救ってくれたことも。そなたにはどれ程感謝しても足りぬが……」
皇帝が深く頭を下げた。
「やめてくださいよ、皇帝陛下。国がどうなるかはこれからです」
皇帝が頭を上げる。テオロス領に入る前にトロイアーノにも言ったことを繰り返す。
「渡人であっても、俺はただの冒険者です。俺にできることは、もうありませんよ」
クレイシャンを無力化し、国内にかけられた魔法は解除した。
だが、テオロス帝国はまだパルジャンス王国と戦争中の状態だ。外から見たら何も終わっていないのと同じだ。
……戦争だったんだよな。実感無いけど。
「陛下、ユート殿の言う通りです。ここはテオロス帝国です。クレイシャンによって操られていたことは事実。しかし……」
「そうだな、トロイアーノ。戦争を起こしたのは他ならぬ余だ。クレイシャンに付け入られる甘さがあった、それが余の罪だ。疲れているだろうが、和平の使者としてパルジャンス王国へ向かってくれぬか?」
「はい、陛下。ですが民の混乱は……」
「それは余の仕事だ。まずは民を集めねばな」
皇帝とトロイアーノが今後についての話を始めた。これで本当に俺のやれることはもう無いな。
そう思うと自然と肩の力が抜けた。
クレイシャンの洗脳下だったとは言え、パルジャンス王国側には戦死者も出ている。後はもう国同士の問題だ。俺が気にしてもしょうがない。
もう少し休んだら、オーナーに報告しよう。
「……お父様」
王の間の入口から声がかかる。扉をくぐり、皇女達が部屋に入ってきた。
皇女と皇后は目に涙を浮かべ、皇帝に駆け寄る。
「……あなた」
「うむ……」
皇帝親子が3人で抱き合う。大変なのはこれからだろうけど、今はこれでよかったと思う。
死んじまったらそこで終わりだからな。犠牲になった者達への償いもできなくなる。
「あの……」
皇女が顔を上げて俺を見る。涙でくしゃくしゃになった皇女が叫んだ。
「ユ、ユート様!?イヤアアァーッ!」
「……へ?」
何でいきなり悲鳴を上げるの?思わずドミニクとトロイアーノを見るが、2人とも俺と同じで呆然としていた。
「血が!血が!ああ、トロイアーノ、狼さんも!」
ちなみにドミニクはもう獣化は解いている。狼さんじゃなくておっさんだ。
「ユート様が!ユート様が死んでしまう!」
いや、死なないし。何を言って……あ。
俺は自分の体を見て、皇女のリアクションを理解した。大広間で魔獣の返り血をしこたま浴びてたのを忘れてた。
ドミニクとトロイアーノも俺と同じで血みどろだ。無傷なのに。
3人で顔を見合わせて、思わず苦笑してしまう。
「笑ってる場合ですか!て、手当てを……っ」
俺達を心配した皇女が慌てふためき、俺の腕やら体やらをまさぐってくる。
「いやいや、元気だし、怪我してないし、死なないし」
俺はため息をついて魔法を唱えた。
「みんなに洗浄」
範囲指定が面倒で、この場の全員に魔法をかける。
「……あ、え?あっ!」
血に染まっていた衣服がきれいになると、皇女が状況を理解して俺をまさぐる手を止めた。
そして、顔を赤くして呟く。
「……騙しましたね」
「早とちりしたのは皇女ですよね?」
「それは、あんなに血がついてたら仕方ないじゃない……」
「将軍、怪我しました?」
「いや、特に。ドミニク殿は?」
「俺も無傷だぜ、旦那」
ちなみに俺も無傷だ。疲れて動く気が無いだけで。
「貴方達……無礼です」
耳まで真っ赤にして皇女が縮こまる。よっぽど恥ずかしかったんだな。
「クレリア……」
顔を真っ赤にして小さくなった娘を見て、父親は呆れた声を出す。
ただ、その顔は優しく笑っていた。その時。
ワアーーーーーッ!
城の外から大勢の人の声が聞こえる。トロイアーノが立ちあがり、窓の方へ歩いていく。
ワアーーーーーッ!
トロイアーノが窓の前で立ち止まった。ゆっくりと振り向く。
「陛下……っ!民が、ご覧くださいっ!」
皇帝が立ち上がりトロイアーノの元へ向かう。皇帝の後に全員が続く。
そして窓の前に着いたとき、俺達は息を呑んだ。
ワアーーーーーッ!
窓の外に、数えきれないほどの人が集まっていた。
お供の2人が窓を開け、皇帝家族とトロイアーノが身を乗り出すと歓声はさらに大きくなった。
「……ドミニク、行こうぜ」
「……ああ、そうだな」
俺とドミニクは小声で話し、忍び足で王の間を後にする。面倒になりそうなので逃げ出したとも言う。
「ユート殿!?」
「2人がいないぞ!」
通路に出て走り出すと背後から声が聞こえる。俺達は急いで来た道を引き返した。
惨状の残る大広間を無言で抜け、暗い通路を走り、物置に転がり込む。良かった、抜け道への鍵も開いたままだ。
「急げドミニク、捕まると面倒だ!」
「別に悪事を働いた訳じゃねえんだがな!」
怒鳴り合いながら長い階段を下り、井戸の横穴を必死で走る。奥に光が見えて、近づくにつれて明るくなる。古井戸に月光が降り注いでいた。
井戸の底から蔦を模した縄梯子を昇る。念のため魔力探知をするが反応は無い。
井戸から這い出て、無言のまましばらく走り続けた。
「……ここまで来ればもう大丈夫だろ」
「……そうだな」
俺達は街道を避けて、林の中に座り込んだ。疲れた。できればこのまま寝てしまいたい。でも、腹減ったなぁ。
「おいボウズ」
「……ん?」
「オーナーに報告しとけ」
「……了解」
もう真夜中になっていたが、誰か起きて待ってるかもしれない。俺は右手の人差し指で、右耳に入れた念話機に軽く触れた。
「こちらユート。マンハイム、聞こえますか?」
『……ユート君!?』
念話に出たのはスザンヌだった。遅い時間にごめんよ。でも、終わったからさ。
『キミ、今どこにいるの!?ドミニクさんは一緒!?怪我はしてない!?』
「スーちゃん、落ち着いて。2人とも元気だよ」
『スーちゃん言うな、ばか……ばかぁ……』
スザンヌの声が途切れ、代わりにハスキーな声がした。
『ユートちゃん?アナタ達無事なのね?……まったく、連絡は小まめにしなさい。ちょっとスー、泣かないの。マリアも、あぁもう。ユートちゃん聞いてる?』
「はい。ご心配お掛けしました」
『分かったようなこと言わないの』
「……すみません」
他に言う言葉が見つからなかった。よく考えたら勝手に動きすぎたな、俺。
こらドミニク、笑うな。
『まあいいわ。で?どうなったの?』
オーナーに促され、俺はことの顛末を報告した。
テオロス城内に侵入し、皇帝親子を助けたこと。城内で戦闘を行ったこと。その際に人造魔獣も相手にしたこと。人造魔獣は未完成で、どこかに残りがいるかもしれないこと。
そして、渡人クレイシャンとの戦い。今思えば俺が勝てたのは運が良かったからだな。王の間の手前で、クレイシャンの攻撃に気付かなかったらその場で負けていたかもしれない。
オーナーは俺の報告を静かに聞いていた。
『それで、洗脳は解けたのかしら?』
「最後に俺の魔法で。テオロス領内全域に魔法を使いましたから、問題は無いはずです」
『そう……。言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず良くやってくれたわ。お疲れ様』
「……ところでオーナー、クシナダはもう寝てますよね?」
恐る恐る聞いてみると、オーナーがため息をついた。
『今何時だと思ってるの?クシナダちゃん、頑張って起きてたのよ。なかなか連絡がないから、ご機嫌斜めを通り越してふて寝しちゃったわ』
クシナダの姿が目に浮かぶ。ごめんな。すぐ帰るから。
『明日の朝、必ずまた連絡なさい。心配かけたんだから』
「分かりました」
俺は念話越しに頷く。日本人の癖だな。
『衞士隊にはアタシから報告しておくわ。だから、さっさと帰ってきなさい』
そう言って念話が途切れた。
「ドミニク、報告終わったよ」
ドミニクには今の念話が聞こえてない。だから簡単に説明しておく。ドミニクは黙って頷いていた。
後はもう、帰るだけだ。テントを張って、朝まで休もう。
ドミニクとトロイアーノは、城内にある牢にクレイシャンを連行していった。魔法が使えなくなったクレイシャンは全く抵抗しなかった。
皇帝達と王の間で待機していると、程無くしてドミニク達が戻ってきた。2人も俺の近くに腰を下ろす。玉座に座ればいいのに、皇帝も床に胡座をかいていた。
少し休んでからトロイアーノが物置で待機していたお供に念話で連絡を取る。物置に隠れている必要が無くなったので、皇后と皇女を王の間に連れてくるらしい。
「将軍、大広間の死体を片付けてからの方がいいんじゃないですか?あんまり見せるようなものじゃないですよ?……その、特に皇女には」
大広間の惨状を思い出してトロイアーノに忠告する。皇女はまだ子供だしなぁ。
トロイアーノの代わりに皇帝が首を横に振る。
「渡人殿、后もクレリアも皇族なのだ。この国に起こったことから目を逸らさせてはならん。……例えそれがどれだけ悲惨なものであったとしても」
うーん、そういうもんか?俺も事実は教えなきゃいけないとは思うが、なにも見せなくても……。
「……だが、クレリアの父として礼を言う。そして、この国を救ってくれたことも。そなたにはどれ程感謝しても足りぬが……」
皇帝が深く頭を下げた。
「やめてくださいよ、皇帝陛下。国がどうなるかはこれからです」
皇帝が頭を上げる。テオロス領に入る前にトロイアーノにも言ったことを繰り返す。
「渡人であっても、俺はただの冒険者です。俺にできることは、もうありませんよ」
クレイシャンを無力化し、国内にかけられた魔法は解除した。
だが、テオロス帝国はまだパルジャンス王国と戦争中の状態だ。外から見たら何も終わっていないのと同じだ。
……戦争だったんだよな。実感無いけど。
「陛下、ユート殿の言う通りです。ここはテオロス帝国です。クレイシャンによって操られていたことは事実。しかし……」
「そうだな、トロイアーノ。戦争を起こしたのは他ならぬ余だ。クレイシャンに付け入られる甘さがあった、それが余の罪だ。疲れているだろうが、和平の使者としてパルジャンス王国へ向かってくれぬか?」
「はい、陛下。ですが民の混乱は……」
「それは余の仕事だ。まずは民を集めねばな」
皇帝とトロイアーノが今後についての話を始めた。これで本当に俺のやれることはもう無いな。
そう思うと自然と肩の力が抜けた。
クレイシャンの洗脳下だったとは言え、パルジャンス王国側には戦死者も出ている。後はもう国同士の問題だ。俺が気にしてもしょうがない。
もう少し休んだら、オーナーに報告しよう。
「……お父様」
王の間の入口から声がかかる。扉をくぐり、皇女達が部屋に入ってきた。
皇女と皇后は目に涙を浮かべ、皇帝に駆け寄る。
「……あなた」
「うむ……」
皇帝親子が3人で抱き合う。大変なのはこれからだろうけど、今はこれでよかったと思う。
死んじまったらそこで終わりだからな。犠牲になった者達への償いもできなくなる。
「あの……」
皇女が顔を上げて俺を見る。涙でくしゃくしゃになった皇女が叫んだ。
「ユ、ユート様!?イヤアアァーッ!」
「……へ?」
何でいきなり悲鳴を上げるの?思わずドミニクとトロイアーノを見るが、2人とも俺と同じで呆然としていた。
「血が!血が!ああ、トロイアーノ、狼さんも!」
ちなみにドミニクはもう獣化は解いている。狼さんじゃなくておっさんだ。
「ユート様が!ユート様が死んでしまう!」
いや、死なないし。何を言って……あ。
俺は自分の体を見て、皇女のリアクションを理解した。大広間で魔獣の返り血をしこたま浴びてたのを忘れてた。
ドミニクとトロイアーノも俺と同じで血みどろだ。無傷なのに。
3人で顔を見合わせて、思わず苦笑してしまう。
「笑ってる場合ですか!て、手当てを……っ」
俺達を心配した皇女が慌てふためき、俺の腕やら体やらをまさぐってくる。
「いやいや、元気だし、怪我してないし、死なないし」
俺はため息をついて魔法を唱えた。
「みんなに洗浄」
範囲指定が面倒で、この場の全員に魔法をかける。
「……あ、え?あっ!」
血に染まっていた衣服がきれいになると、皇女が状況を理解して俺をまさぐる手を止めた。
そして、顔を赤くして呟く。
「……騙しましたね」
「早とちりしたのは皇女ですよね?」
「それは、あんなに血がついてたら仕方ないじゃない……」
「将軍、怪我しました?」
「いや、特に。ドミニク殿は?」
「俺も無傷だぜ、旦那」
ちなみに俺も無傷だ。疲れて動く気が無いだけで。
「貴方達……無礼です」
耳まで真っ赤にして皇女が縮こまる。よっぽど恥ずかしかったんだな。
「クレリア……」
顔を真っ赤にして小さくなった娘を見て、父親は呆れた声を出す。
ただ、その顔は優しく笑っていた。その時。
ワアーーーーーッ!
城の外から大勢の人の声が聞こえる。トロイアーノが立ちあがり、窓の方へ歩いていく。
ワアーーーーーッ!
トロイアーノが窓の前で立ち止まった。ゆっくりと振り向く。
「陛下……っ!民が、ご覧くださいっ!」
皇帝が立ち上がりトロイアーノの元へ向かう。皇帝の後に全員が続く。
そして窓の前に着いたとき、俺達は息を呑んだ。
ワアーーーーーッ!
窓の外に、数えきれないほどの人が集まっていた。
お供の2人が窓を開け、皇帝家族とトロイアーノが身を乗り出すと歓声はさらに大きくなった。
「……ドミニク、行こうぜ」
「……ああ、そうだな」
俺とドミニクは小声で話し、忍び足で王の間を後にする。面倒になりそうなので逃げ出したとも言う。
「ユート殿!?」
「2人がいないぞ!」
通路に出て走り出すと背後から声が聞こえる。俺達は急いで来た道を引き返した。
惨状の残る大広間を無言で抜け、暗い通路を走り、物置に転がり込む。良かった、抜け道への鍵も開いたままだ。
「急げドミニク、捕まると面倒だ!」
「別に悪事を働いた訳じゃねえんだがな!」
怒鳴り合いながら長い階段を下り、井戸の横穴を必死で走る。奥に光が見えて、近づくにつれて明るくなる。古井戸に月光が降り注いでいた。
井戸の底から蔦を模した縄梯子を昇る。念のため魔力探知をするが反応は無い。
井戸から這い出て、無言のまましばらく走り続けた。
「……ここまで来ればもう大丈夫だろ」
「……そうだな」
俺達は街道を避けて、林の中に座り込んだ。疲れた。できればこのまま寝てしまいたい。でも、腹減ったなぁ。
「おいボウズ」
「……ん?」
「オーナーに報告しとけ」
「……了解」
もう真夜中になっていたが、誰か起きて待ってるかもしれない。俺は右手の人差し指で、右耳に入れた念話機に軽く触れた。
「こちらユート。マンハイム、聞こえますか?」
『……ユート君!?』
念話に出たのはスザンヌだった。遅い時間にごめんよ。でも、終わったからさ。
『キミ、今どこにいるの!?ドミニクさんは一緒!?怪我はしてない!?』
「スーちゃん、落ち着いて。2人とも元気だよ」
『スーちゃん言うな、ばか……ばかぁ……』
スザンヌの声が途切れ、代わりにハスキーな声がした。
『ユートちゃん?アナタ達無事なのね?……まったく、連絡は小まめにしなさい。ちょっとスー、泣かないの。マリアも、あぁもう。ユートちゃん聞いてる?』
「はい。ご心配お掛けしました」
『分かったようなこと言わないの』
「……すみません」
他に言う言葉が見つからなかった。よく考えたら勝手に動きすぎたな、俺。
こらドミニク、笑うな。
『まあいいわ。で?どうなったの?』
オーナーに促され、俺はことの顛末を報告した。
テオロス城内に侵入し、皇帝親子を助けたこと。城内で戦闘を行ったこと。その際に人造魔獣も相手にしたこと。人造魔獣は未完成で、どこかに残りがいるかもしれないこと。
そして、渡人クレイシャンとの戦い。今思えば俺が勝てたのは運が良かったからだな。王の間の手前で、クレイシャンの攻撃に気付かなかったらその場で負けていたかもしれない。
オーナーは俺の報告を静かに聞いていた。
『それで、洗脳は解けたのかしら?』
「最後に俺の魔法で。テオロス領内全域に魔法を使いましたから、問題は無いはずです」
『そう……。言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず良くやってくれたわ。お疲れ様』
「……ところでオーナー、クシナダはもう寝てますよね?」
恐る恐る聞いてみると、オーナーがため息をついた。
『今何時だと思ってるの?クシナダちゃん、頑張って起きてたのよ。なかなか連絡がないから、ご機嫌斜めを通り越してふて寝しちゃったわ』
クシナダの姿が目に浮かぶ。ごめんな。すぐ帰るから。
『明日の朝、必ずまた連絡なさい。心配かけたんだから』
「分かりました」
俺は念話越しに頷く。日本人の癖だな。
『衞士隊にはアタシから報告しておくわ。だから、さっさと帰ってきなさい』
そう言って念話が途切れた。
「ドミニク、報告終わったよ」
ドミニクには今の念話が聞こえてない。だから簡単に説明しておく。ドミニクは黙って頷いていた。
後はもう、帰るだけだ。テントを張って、朝まで休もう。
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