カミサマの父子手帳~異世界子育て日記~

青空喫茶

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四章

ホルスト遺跡

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 俺が拾って何となく持ち続けていた枝が、クシナダの手によって杖に変化した。クシナダの言葉を借りると、枝が俺の魔力でになったかららしい。
「ねえ御主人マスター、杖の名前は?」
「……俺がつけるのか?」
「だってこの子は御主人マスターの魔力で杖になったんだよ?」
 クシナダはそう言うけど、俺は松明代わりに枝を拾っただけなんだけどなあ。急に言われても名前なんか出てこないって。今だから白状するけど、クシナダが生まれた時だって結構悩んだんだよ。クシナダに服を着せた後、日本アッチに1回逃げたからな。女神の名前なんか考えたことないから、ネットで調べたり亜紀に聞いたりしながら名前を決めたんだ。クシナダは俺がすぐに名前を付けたと思ってるだろうけど……。なんかもう、ゴメンな。
「……御主人マスター?」
 少し前のことを思い出していると、クシナダが足元から俺の顔を見上げていた。クシナダの名前の由来は、日本の神話に出てくる豊穣の女神だ。色々と諸説があって、ヤマタノオロチの生贄になる寸前のところをスサノオノミコトに助けられて、その後その妻になったという説もあるな。俺の勝手なイメージで、豊穣の女神は全ての命に対して優しいものだと思っているから、この子も優しい子になってほしいと思ってクシナダヒメから名前をもらった。日本の神話から選んだのは、俺が日本人だからだな。
 ……その優しく育ってほしいクシナダさんが使う杖の名前か。こういうのはどうだろう?
 俺は膝を屈めてクシナダと目線を合わせた。クシナダが右手に握っている杖に手をかざしてみる。クシナダの言葉のせいかはわからないけど、杖からは暖かみを感じるような気がした。
「クシナダ、灯火ともしびの杖っていうのはどうだ?」
 ほら、命の灯火って言うじゃないか。それにこの杖はもともと俺が、松明代わりに使ってたし。この杖を持つクシナダが、誰かの灯りになってくれたら……みたいな?ちょっとクサイか……。
「ともしび?」
「ああ、どうかな?」
 笑い飛ばされたらどうしよう。内心ドキドキしながらクシナダに聞いてみると、クシナダは嬉しそうに頷いた。

 ぽわ……。

 クシナダが持つ杖がぼんやりと蛍のように光を帯びて、やがてその光が消えた。
「えへへー、灯火の杖がね、喜んでるのよ」
「……はあ、よかった」
 我ながら安直なネーミングだったからなあ。気に入ってもらえて何よりだよ。
「どうしたの?」
「いや、何でもないよ」
 俺はクシナダの頭をくしゃくしゃっと撫でて立ち上がった。その後、クシナダに松明トーチを教えてみると、あっさりと杖の先に灯りがついた。クシナダ曰く、になった杖が、クシナダの魔力を思った通りに表現する手伝いをしてくれているらしい。一連のやりとりを静かに見ていたトロイアーノが、この杖は一般的に魔法道具マジックアイテムと呼ばれるものと同じ効力を持っているようだと教えてくれた。なるほど、魔法道具マジックアイテムか。改めて杖を注視してみると、魔力探知がその情報を教えてくれる。

ーーーーーーーーーー
灯火の杖(渡人わたりとの加護)

枯れた木の枝がとある渡人わたりとの魔力を受けて変化した杖。
魔法道具マジックアイテム
外見は木製の杖であるが、その性質は変異しており、金属に勝る強度を誇る。
染み込んだ魔力の影響により、所有者の望む長さに変形することができるが、重量は木の枝であったころと変わらない。
また、杖自身に若干の意思があり、所有者が使用する魔法を効率化する能力がある。
とある渡人わたりとの性格が影響しており、負の行動に対しては能力を発揮することはない。
若干の魔力耐性があり、所有者が受ける魔法の影響を軽減する。
所有者以外の者が使用することはできない。

錬金者:ユート=スミス
所有者:クシナダ=スミス
ーーーーーーーーーー

 ……うん、何だこの説明。また「とある渡人わたりと」か。トトの時もそうだったよな。もしかして俺が何かする都度、俺の知らないところでこんな情報が上書きされてんのか?今度暇を作って持ち物を全部調べたほうがいいかもしれない。俺は文字通り灯火の杖になったクシナダの杖を眺めながら苦笑する。クシナダとトロイアーノが不思議そうな顔をし、トトが例のごとく俺の右足を肉球でぽんぽんしてきた。トトの顔を見るとにやけてやがるから、多分こいつは仲間ができたとでも思っているんだろう。メイド・イン・ユートの仲間ができたと。
 杖の情報に錬金者と出ていることについては、トロイアーノが教えてくれた。ラフィーアコッチでは、魔力を用いて魔法道具マジックアイテムを創造する者のことを錬金者と呼ぶらしい。語源は数百年前に活動していた渡人わたりとが、自分のことをそう名乗っていたからだそうだ。きっとその渡人わたりとは地球出身だな。
 クシナダによると、情報通りに杖の意思を感じるらしい。意思というほど強くはなく、なんとなく気持ちがわかる程度みたいだけど。俺が触れてみてももう何も伝わってこなかったから、灯火の杖はクシナダのことを所有者だと認めたってことなのかな。所有者以外は使えないみたいだし。
 そうこうしているうちに、辺りは本格的に暗くなっていた。クシナダと手をつなぎ、俺達はまたホルスト遺跡を目指して歩き始めた。
 分厚い雲で月明りも射さない街道を、クシナダの松明トーチが照らしてくれる。光の向きを無意識に調節してくれているのか、周囲を明るく照らす灯火の杖の先は不思議と眩しくは無かった。暖色系の灯りが俺達の行き先を照らしている。
 しばらく歩くと、人工物の影が進行方向に見え始めた。完全に日が落ちたようで、気温が下がってきているのを感じる。俺達は足早に人工物へと近づいていく。
「将軍、ここがホルスト遺跡ですか?」
 トロイアーノが俺の問いかけに頷く。出発前にスザンヌに聞いた話だと、ホルスト遺跡は砦跡なんだそうだ。パルジャンス王国建国当時の国境は今よりももっと狭く、規模は小さいがベルセンのような役割を持っていた砦なんだとか。国が大きくなり安定するにつれて重要性が薄れ放棄されたと。その後は街や集落として再利用されることも無く、そのまま遺跡になったらしい。現在はパルジャンス王国の黎明期を語る遺跡として、国の管理になっているそうだ。そんなところでキャンプしたら怒られそうなもんだけど、むやみに立ち入ると危険な場所には入れないように結界が設置されているらしい。廃墟となった砦の中には宝物も置かれておらず、本当にただの遺跡なんだそうだ。だから、遺跡を壊さなければ他の行動は黙認されているそうだ。暴れない・物を壊さない・ゴミは持ち帰る、その3つさえ守れば問題ないらしい。
 近づいてくる人工物の影を、クシナダの松明トーチが照らす。街道の横に広がる林が遠ざかり、石造りの人工物が増え始めた。暗くて全貌は見えないが、周囲から俺達を圧迫するような存在感を感じる。昔学生だった頃、忘れ物をして忍び込んだ学校を思い出した。警備のおっちゃんに追いかけられて、必死で走って逃げたっけ。
 恐怖は感じないし、魔力探知に赤い魔力は見当たらないけど、夜の遺跡ってのは独特な雰囲気があるな。クシナダが俺の左手を強く握りなおしてくる。
「大丈夫、俺達がいるだろ?」
 クシナダに声をかけると、照れたようにクシナダが笑った。遺跡に入ってから少し歩いたところでトロイアーノが立ち止まる。
「ユート殿、この辺りで夜営にしようか」
「ここ、いいですね」
 トロイアーノに返事をしながら辺りを見回す。俺達が立っているのは、かつて砦の外壁だったであろう場所だ。外壁は外へ向けてアーチ状に石が積まれているようで、見上げると石の天井が俺達の真上に広がっている。簡単に外壁を上らせないための造りなのかな。アーチは半分くらいで途切れていて、周囲の暗さもあって洞穴のような感じだ。これならテント無しで寝袋があれば寝られそうだな。
 その後俺達は火を起こしてから晩メシを作り始めた。トロイアーノがなかなか器用で、小麦粉を練ってピザ生地のようなものを作ってくれた。ベルセンで食材を補充した時に買っておいたチーズと、今朝討伐した大角牛オーロックスの肉でちょっとしたピザを作る。石窯が無いから、フライパンで先に薄切りにした肉を焼き、塩と香辛料で味を付けた後に生地を被せて蒸し焼きにしていく。生地に火が通ってきたら、ひっくり返して裏も焼く。その時に肉が生地の表に広がるようにしておいて、薄切りにしたチーズを散らしていくと、辺りにいい香りが広がり始めた。トロイアーノが作ってくれた生地はまだあるので、クシナダに同じようにして他の生地も焼いてもらうことにする。トトとトロイアーノにクシナダのサポートをお願いして、俺は大角牛オーロックスの肉の残りを一口大に切っていく。次元鞄から鍋を取り出し、鍋に肉を入れて表面を焼く。焼き目が付くまでの間に、乾燥キノコモドキを裂いて、昼間もぎった木の実と一緒に鍋に放り込む。水を入れて煮込み始めるとアクが浮いてきたので丁寧に取っていると、クシナダがピザを1枚焼き上げてくれた。
 あと2枚くらいは焼けそうだったけど、明日の朝メシにしようかな。トロイアーノから残った生地を受け取って次元鞄に入れ、鍋の様子を見る。アクが収まってきたので塩と香辛料を入れ、固形スープの素も投入。片栗粉が無いから小麦粉を同じ量の水で溶かして、これもまた鍋に投入する。ひと煮立ちさせると、とろみのついた煮込みが出来上がった。軽く味見をしていると、クシナダが俺の横で口を開けて待っていた。
「あっじみ!あっじみ!」
 苦笑しながらクシナダにも一口。
「うん!美味しい!御主人マスターはやっぱりお料理上手だね」
「そうか?ありがとな」
 結構適当に作ってるんだけど、俺の料理はクシナダから合格点をもらえたみたいだ。用意しておいた器に人数分よそって、いつもより遅めの晩メシにありつく。
「将軍、このピザ美味いですよ。生地もちもち。クシナダも上手に焼いたな」
 クシナダが照れくさそうに頷き、トロイアーノが笑い声をあげた。
「はははは、本国ではよく作っているからな」
「将軍なのに?」
「テオロス帝国軍では平時の食事当番は軍内で回しているんだ。訓練だけだとどうしても殺伐としてしまうからな」
 へえ、なるほど。そういう考え方もあるんだな。俺が感心していると、溶けて伸びるチーズと格闘していたトトが会話に入ってくる。
「じゃあ、将軍にも料理当番が回ってくるのかい?」
 トロイアーノがいたずらっぽく笑った。
「いや、規律を守るために将校には当番は回ってこない。私のは半分趣味だ」
 時折食事当番に混ざって食事を作っては兵達の反応を見て面白がっているそうだ。うーん、初対面の生真面目なキャラががらがらと音を立てて崩れていくなあ。
 俺が苦笑していると、トロイアーノが俺の作った煮込みをつつきながらしみじみとつぶやく。
「ユート殿、この煮込みは美味いな。しかもなかなか冷めない」
「とろみをつけてみたんですよ。今夜はいつもより冷えますからね」
 そのうち雨でも降るんじゃないだろうか。屋根があってほんとよかったよ。テントを張ってたらまだ晩メシにはなってなかっただろうな。
「まふたー、おはあり!」
「うん、食べてからしゃべろうな?」
 クシナダが差し出してくるお椀を受け取る。クシナダが俺を見上げてにこにこしていた。そうかそうか、美味いか、よしよし。おかわりの前に口の周りを拭いてやろう。
「あんまりがっついて食うなよ。ほら、口の周りべちゃべちゃじゃないか」
 ナプキンでクシナダの口の周りを拭いてやると、くすぐったそうにクシナダが身をよじった。
「だってね、御主人マスターのご飯、美味しいのよ」
 うん、その感想は嬉しいんだけど、お前クロノリヤでも口の周り汚してたろ。ちゃんと多目に作ってるんだからゆっくり食えって。
「急いで食べると大角牛オーロックスになっちゃうぞ?」
 おかわりをよそってお椀を渡すと、クシナダが拗ねるようにつぶやいた。
「ぶー。大丈夫だよ」
 そんなこと言って、露骨に食べる速度がゆっくりになった。わかりやすいやつだ。
「はははははっ」
 俺達のやりとりを見ていたトロイアーノが笑い声をあげる。視線を向けると、トロイアーノが真顔になった。
「これも、皇女様にご報告せねば」
「今度は何だよ?」
「ユート殿は子煩悩なうえに、料理上手であると」
 もういいよ、それは。俺がため息をつくと、トロイアーノがにやりと笑った。
「皇女様はご自分で料理をなさるのだ。きっと気が合うと思うのだが」
 へえ、そうなのか。将軍だけじゃなく皇族も料理を、ねえ。テオロス帝国ってのは実は面白い国なのかもな。……でも。
「俺はしばらくテオロス帝国に行くつもりはありませんよ。めんどくさそうだし」
「そうか、残念だ」
 口調とは裏腹に、トロイアーノは愉快そうに笑っていた。
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