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Ωの人生
7.
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もう上司でも部下でもない。
津田がそう思っているように見えてならない。
「津田さんがいないと、困ります。だから、辞めないでください」
津田は目を泳がせた。
「いや、でも…… こんなことして、辞めねえわけにいかねえだろ…… 」
「やっぱり辞めるつもりだったんですね!」
「そりゃあ、だって…… 突然で、皆さんにご迷惑をおかけしますが…… 」
「なんですか急にそんな口調になって。気持ち悪い」
「気持ち悪いって…… 」
津田が傷ついたように長い睫毛を伏せた。
(なんで俺は、こんな言い方しかできないんだろう…… )
「津田さん、いまうちの部署、津田さんが辞めたら本当に困るんです。それに、俺はさっきのこと、もう忘れたって言ったでしょう? だから津田さんが辞める理由なんかないんです。発情休暇が明けたら、来週から、また仕事に来てください」
乾が一方的に言うと、津田は戸惑った顔で黙り込んだ。
「それからその口調ですけど、俺は今までのより素の津田さんの方がずっと好きです。さすがに仕事中は無理ですけど…… 、こうやって二人で話すときには、そのままでいてください。」
「主任…… 」
「……何ですか」
「俺たちが二人きりで話すことなんて、また、あんのかな?」
ポカンとした津田の、あまりにそっけない返事に、身を乗り出していた乾はがっくりと肩を落とした。
津田がそう思っているように見えてならない。
「津田さんがいないと、困ります。だから、辞めないでください」
津田は目を泳がせた。
「いや、でも…… こんなことして、辞めねえわけにいかねえだろ…… 」
「やっぱり辞めるつもりだったんですね!」
「そりゃあ、だって…… 突然で、皆さんにご迷惑をおかけしますが…… 」
「なんですか急にそんな口調になって。気持ち悪い」
「気持ち悪いって…… 」
津田が傷ついたように長い睫毛を伏せた。
(なんで俺は、こんな言い方しかできないんだろう…… )
「津田さん、いまうちの部署、津田さんが辞めたら本当に困るんです。それに、俺はさっきのこと、もう忘れたって言ったでしょう? だから津田さんが辞める理由なんかないんです。発情休暇が明けたら、来週から、また仕事に来てください」
乾が一方的に言うと、津田は戸惑った顔で黙り込んだ。
「それからその口調ですけど、俺は今までのより素の津田さんの方がずっと好きです。さすがに仕事中は無理ですけど…… 、こうやって二人で話すときには、そのままでいてください。」
「主任…… 」
「……何ですか」
「俺たちが二人きりで話すことなんて、また、あんのかな?」
ポカンとした津田の、あまりにそっけない返事に、身を乗り出していた乾はがっくりと肩を落とした。
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