1 / 1
食事と繁殖のない世界へ
しおりを挟む
寝そべる体は地面に着かず草を踏まない
歩く足が誰も踏まない
命は目にするものに安らぎと力を与える
目と目を合わせるだけで
永遠に
生まれたときのまま
死ぬこともなく
守られることもない
すべて
見せるためのものと
作られるものは
人を集めることもなく
ひっそりと佇む
それが贈り主の自然な姿であるように
何気なく漏らした息のように
誰に見られずとも存在している
暗闇に無数のぼんやりとした光
果てしなく続く天の川
命は芽吹いたときのまま
摘まれることなく摘むこともなく
その指先はどのような形か
私がどういう存在か
知る理由もない
知らずとも関係がなかった
名前はいらない
指に触れるもの
壊しはしない
壊れはしない
砕け散っても向こうから顔を出す
何もない概念
押しても引いても握り締めても
その行動がもたらす何かはなかった
つかめない水の中のように
触れて割れても元どおり
あなたが私を飲み込んだとしても
それになんと意味をつければいいのだろう
失うものさえなければ
ただ向き合っているだけ
つまめば壊れる
押せば壊れる
口を開けば壊れる
時が経てば壊れる
守らないと壊れる
迫り来るオリの幻が
もう遠く過ぎ去ったように
どこにもないどこでもない
名前のない場所と私
当たることを恐れて縮こまった
その私の体はもうなく
どこにいるのかも分からない
存在しないだけの世界
私はもう何でもないから
私と同じものは存在しない
私と同じものが存在しないから
私と違うものも存在しないのだった
あなたが私を飲み込んでも
私があなたを飲み込んでも
それは右手と左手の世界
もう思い残すことはない
もう残すものはない
命が続いていくのに
なんの許可も決意もいらないのだった
壊れるものがないのだから
歩く足が誰も踏まない
命は目にするものに安らぎと力を与える
目と目を合わせるだけで
永遠に
生まれたときのまま
死ぬこともなく
守られることもない
すべて
見せるためのものと
作られるものは
人を集めることもなく
ひっそりと佇む
それが贈り主の自然な姿であるように
何気なく漏らした息のように
誰に見られずとも存在している
暗闇に無数のぼんやりとした光
果てしなく続く天の川
命は芽吹いたときのまま
摘まれることなく摘むこともなく
その指先はどのような形か
私がどういう存在か
知る理由もない
知らずとも関係がなかった
名前はいらない
指に触れるもの
壊しはしない
壊れはしない
砕け散っても向こうから顔を出す
何もない概念
押しても引いても握り締めても
その行動がもたらす何かはなかった
つかめない水の中のように
触れて割れても元どおり
あなたが私を飲み込んだとしても
それになんと意味をつければいいのだろう
失うものさえなければ
ただ向き合っているだけ
つまめば壊れる
押せば壊れる
口を開けば壊れる
時が経てば壊れる
守らないと壊れる
迫り来るオリの幻が
もう遠く過ぎ去ったように
どこにもないどこでもない
名前のない場所と私
当たることを恐れて縮こまった
その私の体はもうなく
どこにいるのかも分からない
存在しないだけの世界
私はもう何でもないから
私と同じものは存在しない
私と同じものが存在しないから
私と違うものも存在しないのだった
あなたが私を飲み込んでも
私があなたを飲み込んでも
それは右手と左手の世界
もう思い残すことはない
もう残すものはない
命が続いていくのに
なんの許可も決意もいらないのだった
壊れるものがないのだから
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
















