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「ふ~~~~ん。」
はっきり言って感想はこれだけだ。ナッチェルが反乱?無理だろ?そんな玉じゃ無い。
「捨てられるって、具体的には?」
処刑とかされるんなら、大問題だけど。
「国外追放か、良くて生涯幽閉かなぁ?あ!過去には顔を潰されてからここで生きるのを許された人もいるかな?」
「なんだそりゃ?」
おっそろしいことサラッと言いやがって…
「だから、本当は僕には何も決定権無いんだよね…」
ナッチェルが俺の髪を撫でる。触られると少し、痺れが走る…
「ヤスキを拾った時、本当は城に届け出なきゃ行けなかったんだ。ただでさえ、容姿に変化がない国だろう?違う色や容姿は本当に目を引くし、権力者なら何としても欲しがるんだよね。」
「……」
「国に届けるのはそういう輩から保護する目的もある。けど、僕は…」
ナッチェルはそっと俺の頭を抱え込んで、チュッと額にキスをした。
「僕は、ヤスキに惹かれちゃったんだ……何にも手に入れられない僕はさ、弱った子や、珍しくてその手の者に狙われそうな子を保護してきた。いずれ僕も捨てられるか、こんな風に珍しがられるんだろうってさ…」
ギュウッと抱きしめてくるナッチェルの手が少し震えている。
「彼らと居ると心が落ち着くんだ。居場所がまだあるって…」
細いな…筋肉ムキムキにしてきた俺からはナッチェルなんて女みたいだ…ギュッと抱きしめたら折れてしまいそうだし。そっと、前にした時よりも慎重に抱きしめ返す。
「ヤスキは、格好よかったんだよ?森林に倒れるようにして眠っていたけど、どこもかしこも目を引いて、目が離せなかったんだから。」
「なんで…これ、着けた?」
ここに来てからずっと着けられている首輪に触れる。
「それは母に…貰ったもの。家によってはさ、いろんな宝があってね。それもその一つ。僕が将来一人になった時に、信頼できる者が一人でもいますようにって…捨てなければいけない子だけど母なりに心配はしてくれてたんじゃないかな?」
「親って、そう言うもんだろ?」
「だと、良いよね…」
「そうだよ。」
しっかりとナッチェルの真っ青な瞳を見つめ返した。
「で、お前は俺が欲しかった、と?」
「…分不相応だけどね。」
ナッチェルは照れたように優しい微笑みを浮かべている。
手は、俺の髪を何度も何度も撫でながら…
「エレントが煩いんじゃないのか?」
「烈火の如く怒るだろうね。」
「それでも良いのか?」
「ヤスキこそ良いの?僕みたいなのに首輪着けられて。」
「良いも、悪いも自分で取れねぇしな、これ。」
「そうなんだ。取れないの…僕は卑怯だね…」
「付けられた方は、今はそんなに嫌がってないんだけどなぁ。」
「ヤスキは優しいから…」
「なぁ?」
「ん?」
「子供一人しか産めないんだったら、何れにしても国は滅ぶだろ?」
国を造る人が減って行くことになる。これって良くない慣習なんじゃ無いのか?
「あ、男は妻を何人でも持てるんだ。女性が多ければ問題ないし、女性側は他の男性の元で子供を作る事もできるんだよ。」
……何?乱れてんな?公然の浮気OK?…
「そうする事で、国民数は保たれるけど、似たような人間ばかりだから、人に対する興味が薄れて行くんだよ。」
「だから、俺か?」
「そう、だと思うよ?」
「それだったら色んなところで、ばら撒き産ませた方が良いんじゃないのか?」
……うぉ、まるっきしクズだが…
「そうすると人身売買とか起こってきちゃうから。それにヤスキ…世界中の妻と夫婦関係を結ぶつもり?」
「??」
「女性には頑張って産み育てようと思ってもらわないとね。そのためには良好な関係作りも大切で、時には…ナー35やエレントにしていた事も必要なんだよ?」
……あ、エレントの事バレてんな…
「…それじゃフォローが大変か…世界中はしんどいぞ…」
「うん。無理がある。だから、兄上のハーレムなんだと思うけど。」
「うぇぇ。エレントと妻共有は嫌だ。」
「僕も嫌…ヤスキを僕そっくりな人に取られるみたいで…」
……取られるって、ナッチェル可愛いじゃん。こう言うことにはドライかと思っていたけどな…
どうやら、ナッチェルは嫉妬を態度や顔には出さない?タイプかも知れない。
はっきり言って感想はこれだけだ。ナッチェルが反乱?無理だろ?そんな玉じゃ無い。
「捨てられるって、具体的には?」
処刑とかされるんなら、大問題だけど。
「国外追放か、良くて生涯幽閉かなぁ?あ!過去には顔を潰されてからここで生きるのを許された人もいるかな?」
「なんだそりゃ?」
おっそろしいことサラッと言いやがって…
「だから、本当は僕には何も決定権無いんだよね…」
ナッチェルが俺の髪を撫でる。触られると少し、痺れが走る…
「ヤスキを拾った時、本当は城に届け出なきゃ行けなかったんだ。ただでさえ、容姿に変化がない国だろう?違う色や容姿は本当に目を引くし、権力者なら何としても欲しがるんだよね。」
「……」
「国に届けるのはそういう輩から保護する目的もある。けど、僕は…」
ナッチェルはそっと俺の頭を抱え込んで、チュッと額にキスをした。
「僕は、ヤスキに惹かれちゃったんだ……何にも手に入れられない僕はさ、弱った子や、珍しくてその手の者に狙われそうな子を保護してきた。いずれ僕も捨てられるか、こんな風に珍しがられるんだろうってさ…」
ギュウッと抱きしめてくるナッチェルの手が少し震えている。
「彼らと居ると心が落ち着くんだ。居場所がまだあるって…」
細いな…筋肉ムキムキにしてきた俺からはナッチェルなんて女みたいだ…ギュッと抱きしめたら折れてしまいそうだし。そっと、前にした時よりも慎重に抱きしめ返す。
「ヤスキは、格好よかったんだよ?森林に倒れるようにして眠っていたけど、どこもかしこも目を引いて、目が離せなかったんだから。」
「なんで…これ、着けた?」
ここに来てからずっと着けられている首輪に触れる。
「それは母に…貰ったもの。家によってはさ、いろんな宝があってね。それもその一つ。僕が将来一人になった時に、信頼できる者が一人でもいますようにって…捨てなければいけない子だけど母なりに心配はしてくれてたんじゃないかな?」
「親って、そう言うもんだろ?」
「だと、良いよね…」
「そうだよ。」
しっかりとナッチェルの真っ青な瞳を見つめ返した。
「で、お前は俺が欲しかった、と?」
「…分不相応だけどね。」
ナッチェルは照れたように優しい微笑みを浮かべている。
手は、俺の髪を何度も何度も撫でながら…
「エレントが煩いんじゃないのか?」
「烈火の如く怒るだろうね。」
「それでも良いのか?」
「ヤスキこそ良いの?僕みたいなのに首輪着けられて。」
「良いも、悪いも自分で取れねぇしな、これ。」
「そうなんだ。取れないの…僕は卑怯だね…」
「付けられた方は、今はそんなに嫌がってないんだけどなぁ。」
「ヤスキは優しいから…」
「なぁ?」
「ん?」
「子供一人しか産めないんだったら、何れにしても国は滅ぶだろ?」
国を造る人が減って行くことになる。これって良くない慣習なんじゃ無いのか?
「あ、男は妻を何人でも持てるんだ。女性が多ければ問題ないし、女性側は他の男性の元で子供を作る事もできるんだよ。」
……何?乱れてんな?公然の浮気OK?…
「そうする事で、国民数は保たれるけど、似たような人間ばかりだから、人に対する興味が薄れて行くんだよ。」
「だから、俺か?」
「そう、だと思うよ?」
「それだったら色んなところで、ばら撒き産ませた方が良いんじゃないのか?」
……うぉ、まるっきしクズだが…
「そうすると人身売買とか起こってきちゃうから。それにヤスキ…世界中の妻と夫婦関係を結ぶつもり?」
「??」
「女性には頑張って産み育てようと思ってもらわないとね。そのためには良好な関係作りも大切で、時には…ナー35やエレントにしていた事も必要なんだよ?」
……あ、エレントの事バレてんな…
「…それじゃフォローが大変か…世界中はしんどいぞ…」
「うん。無理がある。だから、兄上のハーレムなんだと思うけど。」
「うぇぇ。エレントと妻共有は嫌だ。」
「僕も嫌…ヤスキを僕そっくりな人に取られるみたいで…」
……取られるって、ナッチェル可愛いじゃん。こう言うことにはドライかと思っていたけどな…
どうやら、ナッチェルは嫉妬を態度や顔には出さない?タイプかも知れない。
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