[完]優しい番は奈落の底の竜でした


 護りの石を持つ白い一族は、奈落の底の様な魑魅魍魎が蠢く谷に降り貴重な薬液を採集する為に、この地を治める者達に力ずくで縛り付けられてきた。 
 ユリン・アーゼンはその白い一族として護り石を受け継いだ最後の末裔であった。
 ユリンはある青年と恋に落ちるが、家庭を持つ前に青年は事故に巻き込まれて亡くなってしまい、その骸は谷に投げ捨てられてしまう。
 意気消沈するユリンには希望となる子供が残されていると知り、ユリンはこの子を守る決意をする。しかし、ユリンを手に入れようとする領主によって娘までを失いそうになったユリンはある決意をするのだった。

 白の一族の象徴、護り石を幼い娘に託し、自分は決して追われる事のない谷に一人で降りていく…

 例え、命は無くなろうとも、ここはあの人が葬られたところだから、と…

 しかし死を覚悟したユリンの予想は外れ、谷の底で待つものは、一頭の立派な漆黒の龍であった…
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