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第2章『エルフの里編』
説得2
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………今、俺とアーシャはサーシャの家に向かっている、なぜかというとサーシャに旅の道連れになっていただく為だ、彼女にはまだ了承を得ていないし、さらに信じがたい事に明日の朝出発するつもりなのだ。
うーん、だが流石に突然言い出したわけではなく、おそらく以前から冒険者や世界を旅する事への憧れとかを伝えていただろうとは思うが、それでも明日の朝というのはいただけないな。
「おはようサーシャ!話があるの!!」
サーシャは家の前で植木鉢に入っている植物に水をあげているようだ。
「おはようアーシャ、こんなに早く起きてくるなんてありえない、今日は世界の終わり?」
………雪が降るとかではなく世界の終わりって、アーシャは一体なんだと思われているんだ?だがあながち間違いではないのかもしれないな、もしサーシャが了承すれば里での生活は今日で終わりなんだから。
「違うわよ!そうじゃなくて、その………私と一緒に冒険者になってほしいの!!」
「………ターニャは?」
「ターニャは一緒に行く事が決まったわ!あとはサーシャだけよ!!」
アーシャ………まだ両親への説得が残ってるんじゃないのか?
「ターニャだけだときっとアーシャを甘やかしてとんでもない事になる……、分かった私も行く」
アーシャは愛されているのかそれとも子ども扱いされているだけなのか………、だが了承は一応貰えたみたいだな。
「サーシャ、ありがとう!出発は明日の朝ね!!」
そういって自宅へと走り出す、………後ろでサーシャが何かいっているように見えるがいいのか?
………サーシャ済まない、クーリング・オフ制度はアーシャ、いやこの世界では扱っていないんだ。
「ただいま!私、明日の朝に旅に出るわ!!」
アーシャ……、それは普通家に帰って直ぐにいう事ではないぞ。
「あら………おかえりなさいアーシャ、旅に出るなんていい出してどうしたの?ちゃんと分かるように説明しなさい」
うん、これが普通の反応だと思う。
「冒険者になって世界中を旅したいの!母さんと父さんの昔話を聞いて、ずっと私も行きたいって思っていたわ!!」
「そうねぇ……アーシャ、あなたには明るい昔話しか教えていなかっただけで、今でも思い出すだけで辛い記憶もあるのよ、冒険者になるのなら後悔しないように……その事だけはちゃんと覚えていてね」
「リリー……心配なのは僕も同じだよ、だけどいつかはアーシャも独り立ちしなければならない日が来る事は分かっていただろう、アーシャが旅立てば寂しくなるだろうが笑顔で送り出そう、そして帰ってきた時には3人でお帰りなさいって迎えようじゃないか」
「ばっ………馬鹿!子どもの前でそんなこといわないで!!それに3人で迎えるってあなた一体何を考えているのよ!?」
「それは勿論リリーとあたブゲラッ!?」
……おー綺麗にストレートパンチが顎に入ったな、軽い脳震盪を起こしたみたいだ、お陰でとんでもない話を聞かされずに済んだ。
「………それでもアーシャ、あなたは冒険者になりたいのかしら?」
さっきの夫婦漫才はまるでなかったかのように、取り繕った真剣な表情でアーシャに問いを投げかける。
「冒険者が楽しいだけじゃないなんて事分かっているつもりだわ、………それでも私は冒険者になりたい、世界を知る為に旅をしたいの!それにこれ以上この里にいても意味がないわ!!だって160年もずっとこの場所にいるんだから」
今サラッと信じられないことが聞こえたんだが、アーシャが160歳以上だと?どう見てもそんなお婆ちゃんに見えないし………。
あっ………ここは異世界だったな、それにアーシャ達がエルフだって事も忘れてた、いきなりの爆弾発言に驚きすぎて頭から抜け落ちてしまっていた、ところでエルフの寿命ってどれぐらいなんだろうか?
「昔っからアーシャは一度決めた事を絶対に変えないものね、分かったわ旅をして世界を見に行きなさい、でも1つだけ………絶対に帰ってくる事だけは約束して頂戴」
ここは異世界、俺がいた世界とはところどころ価値観に違いがあって戸惑う事も多い、だが親が子を心配する気持ちは世界共通なんだな。
「うん!絶対に帰ってくるから、私が世界を旅して体験した土産話を楽しみに待っていて!!」
アーシャは満面の笑みを浮かべてそう言い切った。
「はははっ、まあそれくらいで良いじゃないか、アーシャも覚悟を決めているみたいだし、リリーがアーシャを心配している思いも十分伝わったよ」
おっ?最後の締めに良い事言いそうな雰囲気だ。
「アーシャが旅立てばこの家も静かになるな、僕は賑やかな方が好きなんだ、……今夜は寝かウボェ!?」
見事な正拳突きを鳩尾に喰らった彼は白目をむいて崩れ落ちる、………どうして余計な事をいうんだ?
「あなたはもう喋らないで寝ていなさい!!………さあアーシャ、冷めない内に朝ご飯を食べましょ」
やっと朝ご飯を食べられる、今日は朝早くからバタバタしていたしとってもお腹が空いているんだ。
今日の朝ご飯は一体なんだろうか?
うーん、だが流石に突然言い出したわけではなく、おそらく以前から冒険者や世界を旅する事への憧れとかを伝えていただろうとは思うが、それでも明日の朝というのはいただけないな。
「おはようサーシャ!話があるの!!」
サーシャは家の前で植木鉢に入っている植物に水をあげているようだ。
「おはようアーシャ、こんなに早く起きてくるなんてありえない、今日は世界の終わり?」
………雪が降るとかではなく世界の終わりって、アーシャは一体なんだと思われているんだ?だがあながち間違いではないのかもしれないな、もしサーシャが了承すれば里での生活は今日で終わりなんだから。
「違うわよ!そうじゃなくて、その………私と一緒に冒険者になってほしいの!!」
「………ターニャは?」
「ターニャは一緒に行く事が決まったわ!あとはサーシャだけよ!!」
アーシャ………まだ両親への説得が残ってるんじゃないのか?
「ターニャだけだときっとアーシャを甘やかしてとんでもない事になる……、分かった私も行く」
アーシャは愛されているのかそれとも子ども扱いされているだけなのか………、だが了承は一応貰えたみたいだな。
「サーシャ、ありがとう!出発は明日の朝ね!!」
そういって自宅へと走り出す、………後ろでサーシャが何かいっているように見えるがいいのか?
………サーシャ済まない、クーリング・オフ制度はアーシャ、いやこの世界では扱っていないんだ。
「ただいま!私、明日の朝に旅に出るわ!!」
アーシャ……、それは普通家に帰って直ぐにいう事ではないぞ。
「あら………おかえりなさいアーシャ、旅に出るなんていい出してどうしたの?ちゃんと分かるように説明しなさい」
うん、これが普通の反応だと思う。
「冒険者になって世界中を旅したいの!母さんと父さんの昔話を聞いて、ずっと私も行きたいって思っていたわ!!」
「そうねぇ……アーシャ、あなたには明るい昔話しか教えていなかっただけで、今でも思い出すだけで辛い記憶もあるのよ、冒険者になるのなら後悔しないように……その事だけはちゃんと覚えていてね」
「リリー……心配なのは僕も同じだよ、だけどいつかはアーシャも独り立ちしなければならない日が来る事は分かっていただろう、アーシャが旅立てば寂しくなるだろうが笑顔で送り出そう、そして帰ってきた時には3人でお帰りなさいって迎えようじゃないか」
「ばっ………馬鹿!子どもの前でそんなこといわないで!!それに3人で迎えるってあなた一体何を考えているのよ!?」
「それは勿論リリーとあたブゲラッ!?」
……おー綺麗にストレートパンチが顎に入ったな、軽い脳震盪を起こしたみたいだ、お陰でとんでもない話を聞かされずに済んだ。
「………それでもアーシャ、あなたは冒険者になりたいのかしら?」
さっきの夫婦漫才はまるでなかったかのように、取り繕った真剣な表情でアーシャに問いを投げかける。
「冒険者が楽しいだけじゃないなんて事分かっているつもりだわ、………それでも私は冒険者になりたい、世界を知る為に旅をしたいの!それにこれ以上この里にいても意味がないわ!!だって160年もずっとこの場所にいるんだから」
今サラッと信じられないことが聞こえたんだが、アーシャが160歳以上だと?どう見てもそんなお婆ちゃんに見えないし………。
あっ………ここは異世界だったな、それにアーシャ達がエルフだって事も忘れてた、いきなりの爆弾発言に驚きすぎて頭から抜け落ちてしまっていた、ところでエルフの寿命ってどれぐらいなんだろうか?
「昔っからアーシャは一度決めた事を絶対に変えないものね、分かったわ旅をして世界を見に行きなさい、でも1つだけ………絶対に帰ってくる事だけは約束して頂戴」
ここは異世界、俺がいた世界とはところどころ価値観に違いがあって戸惑う事も多い、だが親が子を心配する気持ちは世界共通なんだな。
「うん!絶対に帰ってくるから、私が世界を旅して体験した土産話を楽しみに待っていて!!」
アーシャは満面の笑みを浮かべてそう言い切った。
「はははっ、まあそれくらいで良いじゃないか、アーシャも覚悟を決めているみたいだし、リリーがアーシャを心配している思いも十分伝わったよ」
おっ?最後の締めに良い事言いそうな雰囲気だ。
「アーシャが旅立てばこの家も静かになるな、僕は賑やかな方が好きなんだ、……今夜は寝かウボェ!?」
見事な正拳突きを鳩尾に喰らった彼は白目をむいて崩れ落ちる、………どうして余計な事をいうんだ?
「あなたはもう喋らないで寝ていなさい!!………さあアーシャ、冷めない内に朝ご飯を食べましょ」
やっと朝ご飯を食べられる、今日は朝早くからバタバタしていたしとってもお腹が空いているんだ。
今日の朝ご飯は一体なんだろうか?
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