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第3章『冒険者の街アーバン』
魔の森へ
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「休憩するのでしたら当ギルドの2階には図書室がありますので、そこで情報収集などをしては如何でしょうか?魔の森やダンジョンに入るのは今回が初めてのようですし」
「そうですね、事前にダンジョンの情報を調べておいて損はないと思います。2人はどう思いますか?」
「早く出発したいけど、ダンジョンに関する事なら我慢できるわ!」
「良いと思う」
図書室か……小学校の頃はよく利用した覚えがあるが、それ以来使わなくなっていった気がする。
「では図書室に案内させていただきますね」
受付嬢について行くと、教室程度の広さがある図書室に通された。図書室の中は古い紙とインクの匂いが充満している。……どことなく懐かしい気がするな。
「書架に大まかな本の分類が表示されていますので、まずはそちらを確認していただいた方が良いと思います。それと注意事項ですが、本を丁寧に扱う事と閲覧した本は元の位置に戻して下さい」
説明が終わると彼女は図書室を出て行き、アーシャ達は目についた本を読み始めた。書架には主にダンジョンや魔物といった冒険者に関係している本が収められていたが、この世界の地理や歴史、それに料理について書かれている本もあった。
数ある本の中で特に俺の興味を惹いたのは、【旅飯!~旅の間の食卓に笑顔を~】や【勇者クッキング~伝説の勇者様、秘密の飯事情!~】、【死ぬ程美味い魔物料理~※実際に食べて死んでしまっても、作者は一切の責任を負いません~】なんかの料理本だ。いつか機会があれば、これらの本に書かれてある料理を全制覇してみるというのも面白そうだ。
「……この本は興味深いですよ。【魔の森とダンジョン】という本なんですけど、『ダンジョンから魔物が溢れ出る現象である氾濫はダンジョンが成長する際、上層の魔物が下層の魔物に追いやられる事によって発生する』という記述がされています。氾濫が起きる事に理由があったのですね」
「私は【ダンジョンに挑む冒険者の心得】を読んでいるわ!……『ダンジョンの中では他人に余り近付いてはいけない』とか、『ダンジョンのコアを発見した場合、可能な限り採取しなければならない』なんて忠告ばかりだったけど」
「こっちは【魔物の魔石】、この本には『ダンジョンに生息している魔物は死ぬと魔石になるが、氾濫によってダンジョンから出てきた魔物は死んでも死体になるのみ』と書いてあるけど、その理由は載ってなかった。こういう本は読んだ後、なんだか釈然としない」
それって、もしも俺がダンジョンの中で死んでしまったら魔石になるって事なのか!?……急にホラー要素出すのヤメテ。ダンジョンは異空間って事実を再確認させられたな。
「体力も回復したことだし、そろそろ休憩を終えて出発したいわ!」
「そうですね、……大まかな情報は確認できましたしころあいでしょう。ソフィーはどうですか?」
「問題ない、キリの良いところだったから」
「なら魔の森へと出発ね!」
休憩と情報収集を終えたアーシャ達は読んでいた本を戻し、ギルドを出て魔の森へ出発した。太陽の感じだからすると今は正午くらいだろうか?今日はチラッとダンジョンの下見に行くだけのようだし、何事もなければ夕方には宿に帰れるだろう。
魔の森は街から30分程と、そう遠くない場所に位置していた。
「ここが魔の森ね!……あれ?この森からはなんだか違和感を感じるわね」
アーシャの言う通りエルフの里周辺の植生は針葉樹が大半だったが、魔の森は広葉樹で形成されている。それだけでなく辺りは薄い霧に覆われてじめじめとしており、不気味で陰鬱な雰囲気だ。
魔法によって暗闇でも問題ないとはいえ……辺りが暗くなるまでに帰れるよな?こんな場所で夜を過ごすのは避けたいんだけど。
「そうですね、事前にダンジョンの情報を調べておいて損はないと思います。2人はどう思いますか?」
「早く出発したいけど、ダンジョンに関する事なら我慢できるわ!」
「良いと思う」
図書室か……小学校の頃はよく利用した覚えがあるが、それ以来使わなくなっていった気がする。
「では図書室に案内させていただきますね」
受付嬢について行くと、教室程度の広さがある図書室に通された。図書室の中は古い紙とインクの匂いが充満している。……どことなく懐かしい気がするな。
「書架に大まかな本の分類が表示されていますので、まずはそちらを確認していただいた方が良いと思います。それと注意事項ですが、本を丁寧に扱う事と閲覧した本は元の位置に戻して下さい」
説明が終わると彼女は図書室を出て行き、アーシャ達は目についた本を読み始めた。書架には主にダンジョンや魔物といった冒険者に関係している本が収められていたが、この世界の地理や歴史、それに料理について書かれている本もあった。
数ある本の中で特に俺の興味を惹いたのは、【旅飯!~旅の間の食卓に笑顔を~】や【勇者クッキング~伝説の勇者様、秘密の飯事情!~】、【死ぬ程美味い魔物料理~※実際に食べて死んでしまっても、作者は一切の責任を負いません~】なんかの料理本だ。いつか機会があれば、これらの本に書かれてある料理を全制覇してみるというのも面白そうだ。
「……この本は興味深いですよ。【魔の森とダンジョン】という本なんですけど、『ダンジョンから魔物が溢れ出る現象である氾濫はダンジョンが成長する際、上層の魔物が下層の魔物に追いやられる事によって発生する』という記述がされています。氾濫が起きる事に理由があったのですね」
「私は【ダンジョンに挑む冒険者の心得】を読んでいるわ!……『ダンジョンの中では他人に余り近付いてはいけない』とか、『ダンジョンのコアを発見した場合、可能な限り採取しなければならない』なんて忠告ばかりだったけど」
「こっちは【魔物の魔石】、この本には『ダンジョンに生息している魔物は死ぬと魔石になるが、氾濫によってダンジョンから出てきた魔物は死んでも死体になるのみ』と書いてあるけど、その理由は載ってなかった。こういう本は読んだ後、なんだか釈然としない」
それって、もしも俺がダンジョンの中で死んでしまったら魔石になるって事なのか!?……急にホラー要素出すのヤメテ。ダンジョンは異空間って事実を再確認させられたな。
「体力も回復したことだし、そろそろ休憩を終えて出発したいわ!」
「そうですね、……大まかな情報は確認できましたしころあいでしょう。ソフィーはどうですか?」
「問題ない、キリの良いところだったから」
「なら魔の森へと出発ね!」
休憩と情報収集を終えたアーシャ達は読んでいた本を戻し、ギルドを出て魔の森へ出発した。太陽の感じだからすると今は正午くらいだろうか?今日はチラッとダンジョンの下見に行くだけのようだし、何事もなければ夕方には宿に帰れるだろう。
魔の森は街から30分程と、そう遠くない場所に位置していた。
「ここが魔の森ね!……あれ?この森からはなんだか違和感を感じるわね」
アーシャの言う通りエルフの里周辺の植生は針葉樹が大半だったが、魔の森は広葉樹で形成されている。それだけでなく辺りは薄い霧に覆われてじめじめとしており、不気味で陰鬱な雰囲気だ。
魔法によって暗闇でも問題ないとはいえ……辺りが暗くなるまでに帰れるよな?こんな場所で夜を過ごすのは避けたいんだけど。
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