結婚した騎士様は王族だった

出会い編

出会い

働いている食堂でお遣いを頼まれ、市場へ向かった帰り、突然ヒゲヅラの大男に路地裏へ連れ込まれてしまった

「やめて、離してください！」と掴まれた腕を無理矢理にでも振り解こうとするが、男女の力の差で振り払うことがなかなかできない。

大男は余裕そうな笑みを浮かべ、アルフィナを物色するかのように眺めてくる

(何！？急に…！近頃人攫いが多いっていうし…まさかこいつ…？)

一人なら逃げられるかもしれないーー父に教えてもらった護身術を思い出し、逃げようとすると仲間の男がやってきてしまった

(逃げられない…！！)

男の手を届かない可動域まで回し、振り解いた後に魔法で作り出した砂を目潰しとして使おうと思ったのだが、もう一人仲間が来てしまったことで同時に二人から逃げなくてはいけない。大通りまで走れば助かるだろうが、自分の足が決して速いとは思えない

どう逃げようかーーと考えていると、仲間の男がげひた笑みを浮かべて近寄ってきた

「おぉ、上玉じゃねぇか！こりゃたまげたなぁ。これなら裕福な貴族に売れそうじゃねぇか！」
「あぁ、だろ？魔道具で気配をして近寄ったからな。こいつが路地裏に連れ込まれたことに気づいていないだろうからな。おっと、嬢ちゃんここで悲鳴をあげても無駄だからな。」と大男は視線をアルフィナに戻し、
「ここはスラムが近くにあるからな、悲鳴をあげてもスラムのやつがあげただけと思って誰も助けに来やしないぜ」と仲間の男を見合わせ、

「なぁ、味見くらいしてもいいよな？」
「あぁ、こんだけ上玉なんだ。男がたくさんいるだろうし、初物でもないだろ」
「っ……！」男の言っている意味がわかり、必死に逃げ出そうとするが、さらに強く握られ逃げ出すことが難しくなってしまった

「流石にこの変じゃまずいからな、奥の方でするか～」
「にしても久々の上玉だな～いくらになっか楽しみだ」と話す男たちの隙を見計らって逃げ出すことにした

話の内容的にもここは奥まった場所ではないようなので、もしかしたらギリギリ逃げることができるかもしれない

慎重深くしていると、男たちは角へ曲がろうとした。その時には先ほどよりも腕の拘束は弱まっていたのでなんとか逃げ出すことができるかもしれない

角へ曲がろうとしたその瞬間、男の可動領域が届かないところまで回し、人体に害がない雷を放ち、逃げ出した

50m来たところで男たちは追いかけてきた。
だんだんと縮まっていく距離に恐怖を感じながら逃げていった

男たちとの距離を見ながら走って行ったせいで、目の前が見えず何かにぶつかってしまった