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第3章
1.ただいまお花畑にいます
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私はエクレアちゃんじゅういっさい。職業は錬金術師。
ただいまお花畑にいます。
「うん、別に『薬草畑ヒロイン』を目指してるからって妄想のお花畑にいるわけでもないし、薬師を辞めたわけでもないのよ」
あの赤ペン訂正の入った常人だとまず死ぬ魔力アップの薬、仮名『超神水』を飲む決心をした日から2年と半年が経過。
随分時間飛んだかと思われるが、そこは大きなイベントもないから割愛。
しいていうなら丁度2年前に仮名『超神水』を実際に精製して飲むというパワーアップイベントを起こした程度である。
「あれはもう思い出したくない。恐怖こそバジリスクに襲われた時よりマシとはいえ、6時間も苦しみもがく羽目になるとは……あはははははは」
一応大事とならないよう対策はとっていた。
まず薬はスージーが試験的に精製した『魔力増強薬』として偽り、エクレアが飲むのもあくまで臨床実験によるものとした。
エクレアが借金を抱えてるのは村中の共通認識でもあるし、お金のためと言えばだれも怪しまない。エクレアが毒に強い体質……薬師という職業柄によるものとして偽装……も知れ渡ってるのでなおさら怪しまれない。
よって当日はスージー監修の元、万が一のためにギルドの医療担当者や教会の神父様、バジリスクの時に助けてもらった顔見知りの冒険者であるグラン一行や例の3人……あんまり気持ちいい光景じゃないから見ない方がいいっという気遣いを無視して無理やり押し通そうとしたからしぶしぶ同席を認めた……ランプ達3人組立ち合いという万全の体制で挑戦したのだ。
結果は見ての通り。
エクレアが生きてる通り成功した。分の悪い賭けに勝った。
エクレアは見事に魔石の性質をその身に宿した。
人工的な魔法使いになれたのだ。
「ただし、魔法使いといっても増えた魔力は数値にしたら最大MP100と一般的な魔法使い程度。挑戦前は最大MP10程度だから10倍アップなんだけど自力で魔法は使えない。使いたければ魔道具を通じてしか発動できないっという私自身が魔石みたいななんちゃって魔法使いになっちゃたんだよねぇ。
まぁ私は魔法が使いたくて魔力を増やしたわけじゃないから魔法の有無なんて大した問題ではないけど、やっぱり魔法にあこがれがあるのは事実。だから何かのはずみで魔法を覚えれるという可能性にかけて再度挑戦っていう手もあるにはあるけど……もう無理だよね、やっぱり」
エクレアがそうぼやく通り、二度目の挑戦はもうできないと思っていた。
エクレア自身二度と味わいたくない苦痛はもちろん、あれは多数の人達に迷惑かけた。
あまりの光景に途中口を抑えて外でリバースしにいった3人は自己責任だけど、ランプの様子をたまたま目撃したランプの妹モモちゃんは巻き添え的にエクレアの苦しみもがく姿みて、耐え切れずに悲鳴あげてその場で昏倒。
その悲鳴を聞きつけて……っと芋づる式に被弾していったので、ついにはエクレアの母ルリージュの耳にまで入った。
エクレアとしては成功だろうが失敗だろうが、バレる前にイベントが終了して何食わぬ顔して家に帰るつもりだったが……
6時間という長期にわたった騒ぎのせいでバレたようだ。
「苦しみながらも意識はあったせいで、どう表現したらいいのかわからないお母さんが目に入った時……私どうなってたんだろう」
なんか一瞬意識が飛んでたような気がした。
なんか周囲が真っ白な空間にいたような気がした。
そこで“ナニカ”を見てたような気がした。
“ナニカ”もこっちを見てた気がした。
一言二言ほどの言葉もかわしてたような気もするけど………
内容はなんだっけ……?
ナイヨウハ……
ヨウハ………
h…………
ky……セ……b…
……
…………
………………
エクレアは無意識ながら、“深淵”の浸食も順調に進んでいたようであった。
ただいまお花畑にいます。
「うん、別に『薬草畑ヒロイン』を目指してるからって妄想のお花畑にいるわけでもないし、薬師を辞めたわけでもないのよ」
あの赤ペン訂正の入った常人だとまず死ぬ魔力アップの薬、仮名『超神水』を飲む決心をした日から2年と半年が経過。
随分時間飛んだかと思われるが、そこは大きなイベントもないから割愛。
しいていうなら丁度2年前に仮名『超神水』を実際に精製して飲むというパワーアップイベントを起こした程度である。
「あれはもう思い出したくない。恐怖こそバジリスクに襲われた時よりマシとはいえ、6時間も苦しみもがく羽目になるとは……あはははははは」
一応大事とならないよう対策はとっていた。
まず薬はスージーが試験的に精製した『魔力増強薬』として偽り、エクレアが飲むのもあくまで臨床実験によるものとした。
エクレアが借金を抱えてるのは村中の共通認識でもあるし、お金のためと言えばだれも怪しまない。エクレアが毒に強い体質……薬師という職業柄によるものとして偽装……も知れ渡ってるのでなおさら怪しまれない。
よって当日はスージー監修の元、万が一のためにギルドの医療担当者や教会の神父様、バジリスクの時に助けてもらった顔見知りの冒険者であるグラン一行や例の3人……あんまり気持ちいい光景じゃないから見ない方がいいっという気遣いを無視して無理やり押し通そうとしたからしぶしぶ同席を認めた……ランプ達3人組立ち合いという万全の体制で挑戦したのだ。
結果は見ての通り。
エクレアが生きてる通り成功した。分の悪い賭けに勝った。
エクレアは見事に魔石の性質をその身に宿した。
人工的な魔法使いになれたのだ。
「ただし、魔法使いといっても増えた魔力は数値にしたら最大MP100と一般的な魔法使い程度。挑戦前は最大MP10程度だから10倍アップなんだけど自力で魔法は使えない。使いたければ魔道具を通じてしか発動できないっという私自身が魔石みたいななんちゃって魔法使いになっちゃたんだよねぇ。
まぁ私は魔法が使いたくて魔力を増やしたわけじゃないから魔法の有無なんて大した問題ではないけど、やっぱり魔法にあこがれがあるのは事実。だから何かのはずみで魔法を覚えれるという可能性にかけて再度挑戦っていう手もあるにはあるけど……もう無理だよね、やっぱり」
エクレアがそうぼやく通り、二度目の挑戦はもうできないと思っていた。
エクレア自身二度と味わいたくない苦痛はもちろん、あれは多数の人達に迷惑かけた。
あまりの光景に途中口を抑えて外でリバースしにいった3人は自己責任だけど、ランプの様子をたまたま目撃したランプの妹モモちゃんは巻き添え的にエクレアの苦しみもがく姿みて、耐え切れずに悲鳴あげてその場で昏倒。
その悲鳴を聞きつけて……っと芋づる式に被弾していったので、ついにはエクレアの母ルリージュの耳にまで入った。
エクレアとしては成功だろうが失敗だろうが、バレる前にイベントが終了して何食わぬ顔して家に帰るつもりだったが……
6時間という長期にわたった騒ぎのせいでバレたようだ。
「苦しみながらも意識はあったせいで、どう表現したらいいのかわからないお母さんが目に入った時……私どうなってたんだろう」
なんか一瞬意識が飛んでたような気がした。
なんか周囲が真っ白な空間にいたような気がした。
そこで“ナニカ”を見てたような気がした。
“ナニカ”もこっちを見てた気がした。
一言二言ほどの言葉もかわしてたような気もするけど………
内容はなんだっけ……?
ナイヨウハ……
ヨウハ………
h…………
ky……セ……b…
……
…………
………………
エクレアは無意識ながら、“深淵”の浸食も順調に進んでいたようであった。
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