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第3章
37.これ以上何か起きるだなんて勘弁してよ本当(side:ローイン)
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「えっと……」
ローインは困惑していた。
目覚めたら目の前に笑いながらも泣きそうな顔をしたエクレアが映り、何があったのか口を開こうとしたらそのままローインへもたれかかってきたのだ。
当然の事で対処できなかったというか、今のローインは十全ではない。
右腕が全く動かず、骨折していた左腕も添木して布切れで巻いただけという応急処置だけ済ました状態。まともには動かせられない。
よってエクレアのもたれかかりに対して支えきれず
「ぶげっ!!」
押し倒されるような形で後ろに倒れ込んだ。
「えっと、なになに?何この状況??」
わけがわからずながらも改めてエクレアの様子をみれば、彼女はすーすーと安らかに寝息立てて寝ていた。
何かをやりきったぞっと言わんばかりの満足げな顔で寝ていた。
「これ、どうすればいいの……?」
困惑……あまりにも困惑すぎる状況でさらなる爆弾投下。
「お前らなにやってるんだ?」
「うん、何やってるか聞きたい」
「何やってるってみてわかんない?助けてよ」
男へのタックルの衝撃でもろとも吹っ飛ばしていたランプとトンビも意識とついでに正気を取り戻したようだ。
ふらふらと危なげない足取りで二人の元にやってくる。
ただし、その視線は心配だけでなく若干軽蔑交じりの入ったものだ。
なぜそんな視線向けられてるのか、最初こそわからなかったが……
「わからないのか?お前らすごい恰好だぞ」
「恰好って………ぶふっ!!!?」
思わず噴き出した。
最初は気付かなかったが、今のエクレアは服の形すら成してないボロキレだけをまとったほぼ全裸に近い恰好。さらに女の子の身体とは思えないほど傷だらけのあざだらけ。これだけでよほどの目に合わされたのだと驚くも……対する自分の方も酷かった。
怪我は左腕の骨折と身体のあちこちに裂傷こそあっても命に係わるほどではないものの、恰好が酷かった。
なにせ今の恰好は……
は・だ・か
なのだ。
一応エクレアが気を利かせて下半身には簀巻きにされていた布を巻かせていてくれたが、それでも上半身裸は免れないわけで………
ぶっちゃけていうと今の二人は、裸同然の恰好で抱き着きあって寝転がっているという……
どう考えても不健全極まりない状態なのだ。
唯一の救いなのは二人とも共に11歳。未成熟な身体なので性的な意味での間違いは起こりえないということぐらいだろう。
「とりあえず帰るか。帰って報告するか……」
ランプがそう促してくるも、ローインにとっては気が気でない。
ランプは一体何をどう報告するのか……報告次第によってはエクレアの母であるルリージュに責任取れとかいう案件につながるのではっと思う程度に混乱するローイン。
だが、自分の胸ですやすやと気持ちよく寝ているエクレアをみてすぐに我へと変える。
「いいよ、覚悟決めて責任は取ろう」
……微妙にまだ混乱は解けてない気もするが、寝ているエクレアをトンビに託してなんとか立ち上がる。
「調子はどうだ?といってもポーションはないが……」
「身体は痛いけど歩けないほどは……ってとこかな」
「そうか。じゃぁこのまま出口まで向かうぞ。襲撃は……もうないとは思うが念のため警戒はする。眠り姫様を抱えてるんだから慎重にいくぞ」
そう言いながら3人はトンビの背中で『すやぁ』っと気持ちよく寝ているエクレアをみる。
本当に安らかで安心しきった、ちょっとだらしないエクレアだ。
「……ちょっとこいつのほっぺをひっぱったり、つねりたくなったりしてる俺は悪魔と思うか?」
「気持ちわかる。けどやめよう」
「そうそう、それより早く帰ろう。帰って報告しよう」
報告といってもこんな状況どうやって報告すればいいのか……
ゴブリンの大群に襲われてエクレアが攫われた。
追跡したらそこが昔の魔王が暴れていた時代に点在していたダンジョン。
しかも最奥には魔王としか思えないほどの強さを持つ吸血鬼が居ました。
簡潔に3行で説明しただけでこれだ。
信じない……なんてことはないだろうが、要検証の情報が過多すぎてしばらくは質問攻めに合うのだろうなっと思うとちょっと憂鬱な気分になるローインであった。
「まぁ、とんでもない冒険する羽目になったけどこうやって皆無事に帰れるんだ。今はもう終わりよければすべてよしっとしよう」
「ローインく~ん~それフラグ~帰るまでがクエスト~油断せずいこ~……むにゃむにゃ」
「いやいや、これ以上何か起きるだなんて勘弁してよ本当」
最後に変なフラグこそたつも、運命の神様……ダイスの神様はそこまで鬼ではなかった。
帰路は拍子抜けするほど何もなく、入口付近にて駆けつけてきた大人達と合流し……
騒動はひとまず終結となった。
ローインは困惑していた。
目覚めたら目の前に笑いながらも泣きそうな顔をしたエクレアが映り、何があったのか口を開こうとしたらそのままローインへもたれかかってきたのだ。
当然の事で対処できなかったというか、今のローインは十全ではない。
右腕が全く動かず、骨折していた左腕も添木して布切れで巻いただけという応急処置だけ済ました状態。まともには動かせられない。
よってエクレアのもたれかかりに対して支えきれず
「ぶげっ!!」
押し倒されるような形で後ろに倒れ込んだ。
「えっと、なになに?何この状況??」
わけがわからずながらも改めてエクレアの様子をみれば、彼女はすーすーと安らかに寝息立てて寝ていた。
何かをやりきったぞっと言わんばかりの満足げな顔で寝ていた。
「これ、どうすればいいの……?」
困惑……あまりにも困惑すぎる状況でさらなる爆弾投下。
「お前らなにやってるんだ?」
「うん、何やってるか聞きたい」
「何やってるってみてわかんない?助けてよ」
男へのタックルの衝撃でもろとも吹っ飛ばしていたランプとトンビも意識とついでに正気を取り戻したようだ。
ふらふらと危なげない足取りで二人の元にやってくる。
ただし、その視線は心配だけでなく若干軽蔑交じりの入ったものだ。
なぜそんな視線向けられてるのか、最初こそわからなかったが……
「わからないのか?お前らすごい恰好だぞ」
「恰好って………ぶふっ!!!?」
思わず噴き出した。
最初は気付かなかったが、今のエクレアは服の形すら成してないボロキレだけをまとったほぼ全裸に近い恰好。さらに女の子の身体とは思えないほど傷だらけのあざだらけ。これだけでよほどの目に合わされたのだと驚くも……対する自分の方も酷かった。
怪我は左腕の骨折と身体のあちこちに裂傷こそあっても命に係わるほどではないものの、恰好が酷かった。
なにせ今の恰好は……
は・だ・か
なのだ。
一応エクレアが気を利かせて下半身には簀巻きにされていた布を巻かせていてくれたが、それでも上半身裸は免れないわけで………
ぶっちゃけていうと今の二人は、裸同然の恰好で抱き着きあって寝転がっているという……
どう考えても不健全極まりない状態なのだ。
唯一の救いなのは二人とも共に11歳。未成熟な身体なので性的な意味での間違いは起こりえないということぐらいだろう。
「とりあえず帰るか。帰って報告するか……」
ランプがそう促してくるも、ローインにとっては気が気でない。
ランプは一体何をどう報告するのか……報告次第によってはエクレアの母であるルリージュに責任取れとかいう案件につながるのではっと思う程度に混乱するローイン。
だが、自分の胸ですやすやと気持ちよく寝ているエクレアをみてすぐに我へと変える。
「いいよ、覚悟決めて責任は取ろう」
……微妙にまだ混乱は解けてない気もするが、寝ているエクレアをトンビに託してなんとか立ち上がる。
「調子はどうだ?といってもポーションはないが……」
「身体は痛いけど歩けないほどは……ってとこかな」
「そうか。じゃぁこのまま出口まで向かうぞ。襲撃は……もうないとは思うが念のため警戒はする。眠り姫様を抱えてるんだから慎重にいくぞ」
そう言いながら3人はトンビの背中で『すやぁ』っと気持ちよく寝ているエクレアをみる。
本当に安らかで安心しきった、ちょっとだらしないエクレアだ。
「……ちょっとこいつのほっぺをひっぱったり、つねりたくなったりしてる俺は悪魔と思うか?」
「気持ちわかる。けどやめよう」
「そうそう、それより早く帰ろう。帰って報告しよう」
報告といってもこんな状況どうやって報告すればいいのか……
ゴブリンの大群に襲われてエクレアが攫われた。
追跡したらそこが昔の魔王が暴れていた時代に点在していたダンジョン。
しかも最奥には魔王としか思えないほどの強さを持つ吸血鬼が居ました。
簡潔に3行で説明しただけでこれだ。
信じない……なんてことはないだろうが、要検証の情報が過多すぎてしばらくは質問攻めに合うのだろうなっと思うとちょっと憂鬱な気分になるローインであった。
「まぁ、とんでもない冒険する羽目になったけどこうやって皆無事に帰れるんだ。今はもう終わりよければすべてよしっとしよう」
「ローインく~ん~それフラグ~帰るまでがクエスト~油断せずいこ~……むにゃむにゃ」
「いやいや、これ以上何か起きるだなんて勘弁してよ本当」
最後に変なフラグこそたつも、運命の神様……ダイスの神様はそこまで鬼ではなかった。
帰路は拍子抜けするほど何もなく、入口付近にて駆けつけてきた大人達と合流し……
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