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⑩『姉の影・妹のしこり』
しおりを挟む放課後、
お姉ちゃんから
「用事があるから先帰ってて」と連絡が来た。
仕方なく1人で帰ってきたが、
今日はなんだか寂しい。
お姉ちゃんともあまり話せてないし、
ひまわりは途中から来てあんまり話せていない。
なんか物足りない感覚というか、
多少の不愉快感を感じる。
制服を着替えてしばらくリビングでボーッとしてると私のスマホが鳴った。
お姉ちゃんからだ。
い「もしもし。姉ちゃん?」
ゆ「いちごぉ。もうすぐ帰るからぁ!」
お姉ちゃんが帰ってくる!
ちょっと嬉しくてにやけてしまった。
い「うん。わかった。気をつけてねぇ。」
通話を切る。
お姉ちゃんに会いたい。
やっぱりお姉ちゃんと居ると安心する。
…そういえばこのあいだ買った勝負下着。
使う前に1回洗濯しとかないとなぁ。
・・・にしても攻めた下着だなぁ…
急に恥ずかしくなってきた。
い「洗濯しよっ。」
そうしているとお姉ちゃんが帰ってきた。
ゆ「ただいまぁ~」
い「姉ちゃんおかえりっ。」
ふぃ~っとお姉ちゃんがひと息つく。
い「姉ちゃんが用事って珍しいね。どうしたの?」
ゆ「あ~ちょっとね!けど大した用事じゃないよ!」
そう言ってお姉ちゃんは立ち上がる。
その瞬間、ある違和感に気づいた。
あれ?なんかふんわり違う匂いがする……
違う洗剤の匂い…それと香水の匂い…
あれ?なんだこのモヤモヤは……
お姉ちゃんが帰ってきて嬉しいはずなのに、
なんだろう。なんかモヤモヤする。
ゆ「ご飯食べよっ!!お腹空いたぁ~」
そう言ってお姉ちゃんはリビングへ歩いていった。
あの香水の匂いは男がつける物じゃない。
となると女!?
ま、まさかね……
なんだかしこりが出来た気分だ。
ゆ「いちごぉ?ご飯食べよ?」
お姉ちゃんが私を呼んでる。
ゆ「ご飯食べたら一緒にお風呂はいろうね♡」
お姉ちゃん自体はいつものお姉ちゃんだ。
気にしすぎ…そう思おう。
小さなしこりを胸にしまい込み、
私はお姉ちゃんと楽しくご飯を食べた。
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