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終章『転生×オメガ=幸せになる』
05※
しおりを挟むもの凄く身体が熱い。どこか怠さもある。
今日も家の掃除をしながら、ふと寝室に入れば怠さが増した。風邪でも引いたのだろうか。体温を測れば微熱だった。家事が手抜きになってしまったが、夕飯まで横になっていよう。食材は買い足さなくても何とかなりそうだし。
せめて洗濯物をしてからにしようと、籠に入った在昌さんの衣類を手にした。
「っ……!!」
ふわり、と感じた在昌さんの残り香に私の身体が痺れた。発情、したのだ。今までこんな事無かった。昨夜だって普通にシて、満足した筈なのに、どうして。
「ひぅ…っ!」
足から力が抜け、在昌さんの服を抱きしめればとてつもない安心感。先程までの怠さが嘘のように抜けていくと同時に反比例するかのように襲い掛かる情欲。
「ゃ…なん、でぇ…?」
じゅくじゅくと秘部から愛液が溢れてくる。触っていない。ただ、在昌さんの残り香を感じただけなのに、どうして。
籠を漁り、在昌さんの服をかき集める。無意識、だった。けれど毎日洗濯しているせいか、在昌さんの服は少なくて。
抱きしめた服をズルズル引き摺りながら寝室へと向かう。
寝室に入れば、むせ返る程の在昌さんの残り香に私の秘部から愛液が伝う。もっと、もっと在昌さんが欲しくて、クローゼットをひっくり返す。
欲しくて、熱くて、どうしようもなくて。けれど、少しだけ安心する。この匂いに囲まれて、ここが私の居場所だと言うかのようで。
――この時の行動がオメガ特有の発情期の巣作りだと言う事を私は知らず、必死に在昌さんを求め、沢山の在昌さんの服に包まれ、蠢く秘部に手を伸ばすのであった。
*****
真緒に帰るよ、とメッセージを送ったが返事が無い。何時もなら直ぐに返信がくるのだが、今日は待てど暮らせど一向に来る気配が無かった。
心配になって電話を掛けても繋がらない。まさか、と思う。前の悪夢がフラッシュバックして、急いで家へと向かう。
何かあったら、と思うと身体から力が抜けそうになる。
「真緒…!」
ステアリングを握る手に力が入る。運が良い事に、渋滞に巻き込まれず会社から出る事が出来た。工場がある地は一気に沢山の従業員が駐車場から出る為、とてつもない渋滞に巻き込まれる。
何時も通りの通退勤の道を進み、マンションの駐車場に辿り着く。コンシェルジュに軽く挨拶しながら部屋へ向かう。鍵を差し込む指がやや震えていて。
それ程彼女が大切だから。
勢い良くドアを開ければ、何かがおかしかった。
真っ暗な廊下。微かに聞こえる、声。そしてむせ返る程のフェロモン。
まさか、と思った。
靴も揃えず、逸る気持ちを抑えながら慎重に、静かに寝室へと向かい、扉を開ければ――…
「ぁりまささぁん…ゃ、足りない、足りないの…!」
俺の服を沢山かき集めて自慰をしている真緒が、居た。
襲い掛からなかった自分を褒めたい。自分の服を必死に抱きしめて、下半身を大きく広げ、露出しながら小さな手で必死に秘部を慰めている真緒。俺に気付かず、必死に名前を呼んでいる。
――発情期が、来たんだ。
まさか、と思ったけれど本当に来た。
「ぅあ、はぅ…ほしぃよぅ…在昌さんの、おっきぃの、ほしいの…」
徐々に濃くなっていく真緒の香りに目眩がする。まるで誘うように腰を揺らしながらじゅぷじゅぷと音を立てて、可愛らしく居ない俺へ懇願している。
見ているだけでイきそうになる。匂いを感じるだけで、イキそうになる。
そんな俺に気付いたのか、真緒の顔が俺へと向く。その表情は快楽に溺れていてトロトロだった。
「在昌さぁん…辛いの、お願い、わたしの、ここ、埋めて…っ!」
指で秘部を広げながら涙で濡れた瞳で俺を射貫く。辛くて堪らない、と言うように懇願する真緒は必死だった。
俺は無言で真緒に近付く。ごくり、と喉が鳴った。
近付けば近付く程、抗えないフェロモンに思考がぼやけてくる。ただ、この番を滅茶苦茶にしてやりたい、という本能に囚われた。
「真緒…」
「在昌、さん…」
真緒が必死に手を伸ばす。その手を取り、抱きしめれば嬉しそうに鼻を鳴らしながらしがみ付く真緒。
「苦しぃの…お願い…ありまさ、さん…」
ああ、もう。本当に堪らない。発情期がこんなにも強烈だなんて思ってもみなかった。
真緒の髪をやや乱暴に掴み、食らいつくように口付けをすれば、喜んで舌を絡めてくる。何時もとは違う真緒の様子に目眩がする。勿論良い意味で、だ。
毎日出しているにも関わらず、俺の下半身が先程から苦しそうにしている。自分でも先走りが出ている事がわかる。それくらいに焦がれていた。
抱き潰す。絶対に。真緒がいやだと言っても止めてあげられない。
「真緒。欲しかったら俺の、出して」
「んぅ…」
口付けを交わしながら震える指でベルトを外し、スラックスから自身を取り出せば真緒の表情が歓喜に震える。
口付けを止め先端からトロリと溢れる先走りを指に絡めた真緒は、その指を口に含む。くちゅくちゅと音を奏でながら味わう痴態に無意識に喉がなる。
「んぅ…は、ぅ…」
可愛らしい声で鳴きながら必死に精を啜って、愛液を零して。
「本当、どうしてやろうか」
ビクビクと震える自身を撫でながらペロリと唇を湿らせれば、期待で満ちた真緒の妖艶な表情が此方を射貫いた。
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