27 / 75
とある不良牧師の受難
第2話 とある暴走族の場合 4
しおりを挟む
これまであくまで真摯な素振りを見せて、辰巳を問いつめていた戌月だったが、1日がたって痺れを切らし始めた。キレると手がつけられないことは誰もが知っていたのでピリピリした雰囲気が続いていた。
そしてついにその時が来た。
「くっそ、もういい!てめぇら、言いたくなるまで痛め付けろ!俺は寝る!」
そのままドアをバタンと閉めて出ていった。
しばらく沈黙が続いたが誰かが言葉を発した。
「言いたくなるまで痛め付けろね。」
辰巳への拷問が始まった。自分の部下であった男たちが辰巳に殴って、蹴っての暴行を加えるのを、ひたすら耐える。
一晩たって、戌月が再び廃墟の一室を訪れた。族員たちは冬の寒い早朝の中、床で揃いも揃ってぐーすか寝ている。その横でぼろ雑巾になった傷だらけの辰巳が小さな呼吸を繰り返していた。寝ている族員には目もくれず、戌月は辰巳の服をつかんで鍵のかかる部屋へと引きずっていった。
しばらくして、辰巳の思考がはっきりしてきた頃、自分が戌月と二人きりでいることに気づいて戦慄した。
「戌月さん。」
「何でだよ辰巳。お前は俺の信頼を裏切った!!」
辰巳の顔面にぱしゃりと水をぶっかける。真実を喋らせる拷問から、裏切り者を罰するリンチに変わった。
リンチが続いて3日目。辰巳は体力的にも精神的にも限界を迎えていた。一方の戌月は怒りに任せてしまっている。
戌月が持つナイフが、辰巳の左頬を深く切りつけたところで、辰巳の堪忍袋の緒が切れた。
「いい加減にしとけよてめぇ。人の話も聞かねえで馬鹿みたいに殴るだ蹴るだ、ナイフなんか持ち出してきやがって。大体前からあんたにはいらいらしてたんだよ下衆が。餓鬼みたいなわがままこねて、俺はパシリか!?あんたみてーなのの下にいたのが間違いだったわまじでくそ野郎。」
そしてついにその時が来た。
「くっそ、もういい!てめぇら、言いたくなるまで痛め付けろ!俺は寝る!」
そのままドアをバタンと閉めて出ていった。
しばらく沈黙が続いたが誰かが言葉を発した。
「言いたくなるまで痛め付けろね。」
辰巳への拷問が始まった。自分の部下であった男たちが辰巳に殴って、蹴っての暴行を加えるのを、ひたすら耐える。
一晩たって、戌月が再び廃墟の一室を訪れた。族員たちは冬の寒い早朝の中、床で揃いも揃ってぐーすか寝ている。その横でぼろ雑巾になった傷だらけの辰巳が小さな呼吸を繰り返していた。寝ている族員には目もくれず、戌月は辰巳の服をつかんで鍵のかかる部屋へと引きずっていった。
しばらくして、辰巳の思考がはっきりしてきた頃、自分が戌月と二人きりでいることに気づいて戦慄した。
「戌月さん。」
「何でだよ辰巳。お前は俺の信頼を裏切った!!」
辰巳の顔面にぱしゃりと水をぶっかける。真実を喋らせる拷問から、裏切り者を罰するリンチに変わった。
リンチが続いて3日目。辰巳は体力的にも精神的にも限界を迎えていた。一方の戌月は怒りに任せてしまっている。
戌月が持つナイフが、辰巳の左頬を深く切りつけたところで、辰巳の堪忍袋の緒が切れた。
「いい加減にしとけよてめぇ。人の話も聞かねえで馬鹿みたいに殴るだ蹴るだ、ナイフなんか持ち出してきやがって。大体前からあんたにはいらいらしてたんだよ下衆が。餓鬼みたいなわがままこねて、俺はパシリか!?あんたみてーなのの下にいたのが間違いだったわまじでくそ野郎。」
0
あなたにおすすめの小説
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる