有終

その二人は、全く違う人だった

劇場舞台で絶大な人気を誇る役者「葯天楽雅(やくてんがく みやび)」は、絶世の美丈夫としてその名を馳せていたが、その裏は美に執着する傲慢な人間だった。

画家として生活する「東屋大夢(あずまや ひろむ)」は、雅に負けず整った顔立ちをしており、また、天性の画力も相俟って一躍有名になったが、それ以上に彼の穏やかで優しい心に惹かれる者が多かった。

そんな二人には全くもって接点など無い筈なのだが、その縁は可笑しくも二人を繋ぐこととなる。
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