15 / 18
15 女豹登場!
しおりを挟む
ここは学校近くのおしゃれなカフェ。
デートにぴったりなスポットです。
そして、密会や覗きにぴったりな観葉植物でテーブルとテーブルの間が仕切られています。
そうそう、これじゃないと。
完璧に個室だと、何も見られませんからね?それか、胃カメラ並みの高機能カメラを用意しないと鑑賞できません。
と言うわけで。
今、私の目の前には。
ヒュー様とサシャ様が向かい合って座り、なぜかリナなる女がサシャ様にベタベタと張り付いて横に座っています。
私?当然サシャ様の後ろで携帯を眺めるふりをしながら、自撮りカメラモードで様子を確認しております。だって、後ろ向きじゃないとオーラで気づかれてしまうかもしれませんからね?
で、です。
さっきからリナがうざくてなりません。
「注文おねがいしまーーーーす」語尾を伸ばすな。
「えっとぉ、リナはぁ、コーヒー?サシャはぁ?カフェオレ?かわいいサシャーー。あ、そっちの人はそっちで聞いてください」
おい、ちょっとあんた。ずーずーしーんだよ!
しかも攻め様であるヒュー様を完全なる邪魔者扱いとはこれいかに。
私は震えるほどの怒りでブルブルと震えていました。
「お客様、お客様?ご注文は・・・」
「あ、すいません。コーヒーで。ミルクたっぷりでお願いします」
夢中になるあまり自分の注文を忘れておりました。
お、隣のテーブルに注文した品が到着した模様!鑑賞を続けます。
「あれぇ?これ、にが~い」
「何言ってんだよ。コーヒーだから苦くて当たり前だろ?」
サシャ様が苦笑しています。
向こうにいるのは般若みたいなヒュー様。そりゃそうですよね、せっかくデートにこぎつけられたのに、こんなうざい女に邪魔されちゃあ。
「ねえ、サシャぁ、交換してぇ?私カフェでコーヒーって飲んでみたかったの。ちょっと背伸びしすぎたかなぁ?」そう言うと、リナはサシャ様のカフェオレを奪い取ろうとしています。
ぴしっ。音を立ててヒュー様の矢印の黄色が強化されました。
ま・さ・か!!!間接キッスを狙ってますの?この女、許しがたし。
あざと系女子?あざと系女子ですの?
こうしてはいられません。サシャ様の唇の純潔を守らねば!
私はリナがサシャ様に押し付けようとしたコーヒーを奪い取り、ぐいっと飲み干しました。
その間1秒。ふっ。流石のチート、誰にも気づかれませんでしたわ。
「あれぇ?なんでぇ?どうしてぇ?空っぽになっちゃったぁ」
「?」
「?」
テーブルについている方々の頭の上に大きな?マークが見えますがまあ、いいでしょう。
「もう一杯頼めよ」笑いをこらえながら、サシャ様があざと女子に言うと、あざと女子は不満そうではありますが、おとなしく今度は甘そうなメニューを注文していました。
ふうー、危うく間接キッスが成立するところでしたわ。あざと女子、油断も隙もなりませんわね。チートがあってよかったですわ。さすがBL神様。だいたいここはBL神様のお治めになっている世界。ざんねんながら女子の出番はありませんわ。すっこんでろですわよ?
気をとりなおしたヒュー様が尋ねます。
「リナさんは、サシャの幼馴染なのか?」
「はい、そうです。お互いに裸を見せ合った中、っていうか・・・」と言いながら、リナはテーブルにのの字を書いている。
「ま、紛らわしいこと言うな!2歳の頃の話だろうが!」
「3歳だったもん!」
「もんじゃない!」
んまっ。あざと女子が牽制しておりますわね?ここは攻め様の出番ですわよ?
ヒュー様がははっと快活に笑った。
「幼馴染はいいよな。昔からの知り合いだから安心感があるって言うか」
「そういえば、ヒューさんの婚約者も幼馴染だとか?羨ましいです~~。わたしも早くサシャと婚約したーい」
ビキビキビキーーーー!!!
バリバリバリーーーー!!!
空気が凍りつき、サシャ様とヒュー様の矢印がものすごい勢いで黄色で覆われてしまった。
ええええーーー、せっかくここまでこぎつけたのにぃーーーー
「婚約はしないって言ったろ?」サシャ様が焦ったようにリナに言う。
「だって好きな女の子はいないって言ったじゃない。いつか必ずリナの魅力に釘付けにするんだもん」
「お前なあ・・・」
「それか、既成事実を作ってもいいし」
リナはペロリと赤い唇を舐め、サシャ様をみた。
えっ?女豹?女豹ですの?怖いですわ。
しかも攻め様、ご自分の弱点=婚約者の話を出されてタジタジですわね。ここは私が一肌脱がねば!
デートにぴったりなスポットです。
そして、密会や覗きにぴったりな観葉植物でテーブルとテーブルの間が仕切られています。
そうそう、これじゃないと。
完璧に個室だと、何も見られませんからね?それか、胃カメラ並みの高機能カメラを用意しないと鑑賞できません。
と言うわけで。
今、私の目の前には。
ヒュー様とサシャ様が向かい合って座り、なぜかリナなる女がサシャ様にベタベタと張り付いて横に座っています。
私?当然サシャ様の後ろで携帯を眺めるふりをしながら、自撮りカメラモードで様子を確認しております。だって、後ろ向きじゃないとオーラで気づかれてしまうかもしれませんからね?
で、です。
さっきからリナがうざくてなりません。
「注文おねがいしまーーーーす」語尾を伸ばすな。
「えっとぉ、リナはぁ、コーヒー?サシャはぁ?カフェオレ?かわいいサシャーー。あ、そっちの人はそっちで聞いてください」
おい、ちょっとあんた。ずーずーしーんだよ!
しかも攻め様であるヒュー様を完全なる邪魔者扱いとはこれいかに。
私は震えるほどの怒りでブルブルと震えていました。
「お客様、お客様?ご注文は・・・」
「あ、すいません。コーヒーで。ミルクたっぷりでお願いします」
夢中になるあまり自分の注文を忘れておりました。
お、隣のテーブルに注文した品が到着した模様!鑑賞を続けます。
「あれぇ?これ、にが~い」
「何言ってんだよ。コーヒーだから苦くて当たり前だろ?」
サシャ様が苦笑しています。
向こうにいるのは般若みたいなヒュー様。そりゃそうですよね、せっかくデートにこぎつけられたのに、こんなうざい女に邪魔されちゃあ。
「ねえ、サシャぁ、交換してぇ?私カフェでコーヒーって飲んでみたかったの。ちょっと背伸びしすぎたかなぁ?」そう言うと、リナはサシャ様のカフェオレを奪い取ろうとしています。
ぴしっ。音を立ててヒュー様の矢印の黄色が強化されました。
ま・さ・か!!!間接キッスを狙ってますの?この女、許しがたし。
あざと系女子?あざと系女子ですの?
こうしてはいられません。サシャ様の唇の純潔を守らねば!
私はリナがサシャ様に押し付けようとしたコーヒーを奪い取り、ぐいっと飲み干しました。
その間1秒。ふっ。流石のチート、誰にも気づかれませんでしたわ。
「あれぇ?なんでぇ?どうしてぇ?空っぽになっちゃったぁ」
「?」
「?」
テーブルについている方々の頭の上に大きな?マークが見えますがまあ、いいでしょう。
「もう一杯頼めよ」笑いをこらえながら、サシャ様があざと女子に言うと、あざと女子は不満そうではありますが、おとなしく今度は甘そうなメニューを注文していました。
ふうー、危うく間接キッスが成立するところでしたわ。あざと女子、油断も隙もなりませんわね。チートがあってよかったですわ。さすがBL神様。だいたいここはBL神様のお治めになっている世界。ざんねんながら女子の出番はありませんわ。すっこんでろですわよ?
気をとりなおしたヒュー様が尋ねます。
「リナさんは、サシャの幼馴染なのか?」
「はい、そうです。お互いに裸を見せ合った中、っていうか・・・」と言いながら、リナはテーブルにのの字を書いている。
「ま、紛らわしいこと言うな!2歳の頃の話だろうが!」
「3歳だったもん!」
「もんじゃない!」
んまっ。あざと女子が牽制しておりますわね?ここは攻め様の出番ですわよ?
ヒュー様がははっと快活に笑った。
「幼馴染はいいよな。昔からの知り合いだから安心感があるって言うか」
「そういえば、ヒューさんの婚約者も幼馴染だとか?羨ましいです~~。わたしも早くサシャと婚約したーい」
ビキビキビキーーーー!!!
バリバリバリーーーー!!!
空気が凍りつき、サシャ様とヒュー様の矢印がものすごい勢いで黄色で覆われてしまった。
ええええーーー、せっかくここまでこぎつけたのにぃーーーー
「婚約はしないって言ったろ?」サシャ様が焦ったようにリナに言う。
「だって好きな女の子はいないって言ったじゃない。いつか必ずリナの魅力に釘付けにするんだもん」
「お前なあ・・・」
「それか、既成事実を作ってもいいし」
リナはペロリと赤い唇を舐め、サシャ様をみた。
えっ?女豹?女豹ですの?怖いですわ。
しかも攻め様、ご自分の弱点=婚約者の話を出されてタジタジですわね。ここは私が一肌脱がねば!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
29
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる