子爵令嬢マーゴットの学園無双。相棒ミノカサゴの助言、知恵、剣と魔法、権力、資金力を使って、側近兼友人のキャスリーヌと、快適な学生生活を。

第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

289.引き継ぎ？本当にほしい情報ほど、ないのは、どうしてかな？表に出せない情報だから？それとも、誰かにとって、都合が悪い情報だから？

使用人を帯同する貴族の女子寮の職員は、レベッカ・ショアの後を追いかけていた。

レベッカ・ショアは、ご令嬢とは思えぬスピードで進むので、まだ、追いつけていないが、部屋の前では、さすがに追いつくはず。

使用人を帯同する貴族の女子寮の職員は、前任から何も引き継ぎをしていない。

一身上の都合で突然辞めた前任の後に、すぐ仕事に就ける人物として、推薦してもらい、職員になった。

仕事の説明は、推薦者にしてもらっているから、困ることはない。


彼女自身は、以前、使用人を帯同しない貴族の女子寮に住んでいた。

急遽引き受けた仕事だったが、仕事はきっちりやり遂げるつもりでいる。

彼女は、職員になってから、使用人を帯同しない貴族の女子寮の規則や契約書を丹念に読み進めていった。

そこで、彼女は見つけてしまったのだ。

レベッカ・ショアという寮生が、彼女が職員を務める寮の寮生として、不適格である証拠を。

彼女は、書類を見て、すぐに行動に移した。

使用人がいないレベッカ・ショア。

規則通りに、
使用人を帯同しない貴族の女子寮への移寮手続きを行い、
レベッカ・ショアの入寮契約書の特記事項に該当するので、
部屋の居住者変更の手続きを行い、新しい居住者を迎えいれた。

彼女が、お仕事を遂行した次の日。

帰ってきたレベッカ・ショアは、特記事項など記憶にないと騒ぎ、居住者ではなくなったにも関わらず、彼女が職員を務める寮内を我が物顔で、突き進んでいく。

とんでもない、跳ねっ返りである。

契約書にあるのだから、職員は何も悪くない。

自分のした契約が、気に入らなくなったから、と、レベッカ・ショアが、わがままを言っても、契約書に書いてあるので、覆るわけがない。

貴族と平民ならともかく、貴族同士のわがままは、褒められたものではない。

なんて、はた迷惑なご令嬢かしら。

レベッカ・ショアが、寮内で騒ぐ前に、追い出さないと。