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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。
516.レベッカ・ショアの戦術は、生命ではなく、精神を削るよ。くらえ!臭い靴!
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マーゴットは、レベッカ・ショアの戦いぶりを見ている。
レベッカ・ショアが、頭の中で会話するのを止めて、本人の視界でものを見て、考えて、結論を出して、動けるようになっている。
レベッカ・ショア本人は気づいていなかったが、頭の中で誰かと会話している様子は、マーゴットもキャスリーヌも、確認していないが、おそらくバネッサも、把握していた。
頭の中で会話している時間、レベッカ・ショアの警戒範囲は確実に狭まっていた。
頭の中との会話の時間分、レベッカ・ショアの反応も遅れていた。
マーゴットとキャスリーヌが、レベッカ・ショアに指摘しなかったのは、いつか巣立ちのときがくるまで見守るつもりでいたからだ。
レベッカ・ショアは、前世の意識の存在を肉親のように頼りにしていた。
頭の中にある前世の意識は、今世の家族よりも、親身にレベッカ・ショアに寄り添ってくれていたのだろう。
レベッカ・ショアは、親よりも乳母よりも、前世の意識を頼りにしていた。
見知らぬ世界で、前世の意識は、共にある子どもを守ろうとしていた。
レベッカ・ショアは、前世の意識から向けられる無二の愛に包まれてしまった。
この世界の家族の愛より先に出会ってしまった。
雛が卵から孵ったときに、最初に見たものを親と誤認する状況。
レベッカ・ショアの状況はまさしく、それだった。
前世の意識は、レベッカ・ショアの親代りになっていた。
雛は、いつか若鳥となり、親元から離れる。
レベッカ・ショアの巣立ちは、無事に済んだ。
レベッカ・ショアは、これから、今までとは違う成長を遂げるだろう。
レベッカ・ショアは、道に超強力粘着魔法をかけて、連中の靴を道に貼り付けた。
その後。
どうするのか、思案していたが、どうやら方針が定まったようだ。
連中が履いている靴の、足の甲を覆う部分だけに魔法を飛ばして、バリバリと細かく切り刻んでいる。
ピンポイントで、小技を何箇所も同時に使っているレベッカ・ショア。
レベッカ・ショアは、驕らない。
成長と共に、今より優秀な魔法使いになるだろう。
靴が脱げた連中は、全員靴の上から足を滑らせた。
靴下で、超強力粘着魔法のかかった道の上に立つことになるのか。
連中は、魔法に集中できなくなるだろう。
マーゴットは、レベッカ・ショアの戦いを見守る。
急に連中がすっ転び始めた。局所的に強風が吹いて、超強力粘着魔法のかかった道に貼り付いた靴下では、立っていられなくなったようだ。
連中が、頭から倒れていく。
己の履いていたものではない、甲の部分がなくなった誰かの靴の上に顔面を埋め込むように倒れ込んでいく。
「臭い。」
「鼻が曲がる。」
と連中は顔面を誰かの靴に埋め込みながら、叫んでいる。
他人の履いていた靴に顔を押し付けさせたのか。
レベッカ・ショアは、してやったり顔。
マーゴットは、ふむふむと考える。
レベッカ・ショアは、芸が細かくて、生命のダメージはなくても、精神にダメージを与える戦術を立てるのが適しているようだ。
ジュゴン先生に送りつけるのは、活きが良い選りすぐりにして、残りは息の根を止めてしまうか。
レベッカ・ショアが、頭の中で会話するのを止めて、本人の視界でものを見て、考えて、結論を出して、動けるようになっている。
レベッカ・ショア本人は気づいていなかったが、頭の中で誰かと会話している様子は、マーゴットもキャスリーヌも、確認していないが、おそらくバネッサも、把握していた。
頭の中で会話している時間、レベッカ・ショアの警戒範囲は確実に狭まっていた。
頭の中との会話の時間分、レベッカ・ショアの反応も遅れていた。
マーゴットとキャスリーヌが、レベッカ・ショアに指摘しなかったのは、いつか巣立ちのときがくるまで見守るつもりでいたからだ。
レベッカ・ショアは、前世の意識の存在を肉親のように頼りにしていた。
頭の中にある前世の意識は、今世の家族よりも、親身にレベッカ・ショアに寄り添ってくれていたのだろう。
レベッカ・ショアは、親よりも乳母よりも、前世の意識を頼りにしていた。
見知らぬ世界で、前世の意識は、共にある子どもを守ろうとしていた。
レベッカ・ショアは、前世の意識から向けられる無二の愛に包まれてしまった。
この世界の家族の愛より先に出会ってしまった。
雛が卵から孵ったときに、最初に見たものを親と誤認する状況。
レベッカ・ショアの状況はまさしく、それだった。
前世の意識は、レベッカ・ショアの親代りになっていた。
雛は、いつか若鳥となり、親元から離れる。
レベッカ・ショアの巣立ちは、無事に済んだ。
レベッカ・ショアは、これから、今までとは違う成長を遂げるだろう。
レベッカ・ショアは、道に超強力粘着魔法をかけて、連中の靴を道に貼り付けた。
その後。
どうするのか、思案していたが、どうやら方針が定まったようだ。
連中が履いている靴の、足の甲を覆う部分だけに魔法を飛ばして、バリバリと細かく切り刻んでいる。
ピンポイントで、小技を何箇所も同時に使っているレベッカ・ショア。
レベッカ・ショアは、驕らない。
成長と共に、今より優秀な魔法使いになるだろう。
靴が脱げた連中は、全員靴の上から足を滑らせた。
靴下で、超強力粘着魔法のかかった道の上に立つことになるのか。
連中は、魔法に集中できなくなるだろう。
マーゴットは、レベッカ・ショアの戦いを見守る。
急に連中がすっ転び始めた。局所的に強風が吹いて、超強力粘着魔法のかかった道に貼り付いた靴下では、立っていられなくなったようだ。
連中が、頭から倒れていく。
己の履いていたものではない、甲の部分がなくなった誰かの靴の上に顔面を埋め込むように倒れ込んでいく。
「臭い。」
「鼻が曲がる。」
と連中は顔面を誰かの靴に埋め込みながら、叫んでいる。
他人の履いていた靴に顔を押し付けさせたのか。
レベッカ・ショアは、してやったり顔。
マーゴットは、ふむふむと考える。
レベッカ・ショアは、芸が細かくて、生命のダメージはなくても、精神にダメージを与える戦術を立てるのが適しているようだ。
ジュゴン先生に送りつけるのは、活きが良い選りすぐりにして、残りは息の根を止めてしまうか。
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