ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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9章 嫉妬

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「苗!‥映画の券があるんだけど!」

‥‥‥なんか違うな。


「今度、映画観に行かないか!?」

‥‥ありきたりだな?


晴樹に宣戦布告したあの日から数日が経った夜‥

夏目は自分の部屋でしきりに苗をデートに誘う練習をしていた‥

スポーツ大会のあの日以来、一緒に弁当を食べる機会のなくなった夏目はなんとかして苗との接点を保ちたかったのだ。



最近、周りが騒がしい‥



晴樹にバレーで勝って以来ここ2、3日、夏目は告白ラッシュにあっていた。


前々から普通にモテてはいたが今度は休み時間の度に呼び出される…
以前は手当たり次第に交際したりもしたが、今は苗のコトで頭がいっぱいだ。


元々が結城の生徒の夏目と、二ノ宮から来た苗達は校舎も離れているため意図的に予定を組まなければまず顔を合わせることはない…


夏目は密かに焦っていた。


2週間後には夏休みが始まる‥
夏目はそれまでに苗との関係を一歩踏み込んだものにしたいと思っていた…

机の上に置いた映画の券を見つめ夏目は自分に言い聞かせる


‥明日が唯一、苗と話しが出来る合同体育の日だ!

よしっ絶対にデートに誘うぞ!!


……………………………………………


キーンコーンカーンコーン~



三時限目の授業のチャイムが鳴り響き、1年の二時間続きの合同体育が始まった。

みんなが校庭に集まり、男子はハードル‥女子は体操の種目をするために整列している。


その姿は晴樹達の2年の校舎から丸見えだった‥‥



ズンチャカ!ズンチャカ~


校庭から賑やかな音楽が鳴り響き整列していた女子生徒達が激しい動きで体操を始めた‥‥‥


‥この曲はもしかしてっ!?



窓際の席の晴樹が外に目を向けると、金網のフェンスに取り付けられた巨大なエキシビジョンの画面にビリーが映っている──


そう‥彼女達1年はブートキャンプに入隊していた…


この巨大なテレビ画面は学園がマンモス校になった時に朝礼のために取り付けたものだった…
ちょっとした野外コンサートぐらいは行えるくらいの規模である‥‥

彼女らはビリーに励まされながら楽しそうに体を動かしていた‥‥


実は体育の時間にビリーをすると言うのは苗のたっての希望だった。

『先生、体操ならぜったいビリーだょ!!
あれの方が普通の体操より絶対に体力作りになるって!!
みんなで入隊しょ!!」


苗はクリクリ目をキラキラさせて訴えたのだった‥‥

…………………………………………

苗の言う事も一理あると体育教師はビリーを授業に取り入れたが‥正解だった

顧問教師はそう思っていた

いつもなら面倒くさそうに授業に参加する生徒達がこの日ばかりはイキイキと激しい動きについて来ている

‥みんなとても楽しそうに授業に参加している…


教師は密かに目頭を熱くしていた…


そして苗はダイエットだ!!とばかりに必死で体を動かしていた。


‥くぅ、ビリー‥はぁッ
もぅダメだょっ‥‥
苗は除隊します!!


キャンプ始まって15分で苗は弱音を吐き始めた…
そして、タイミングよくビリーの熱い声援が聞こえてくる

“ムリはするなっ
落ち着いたらまた戻って来いよ!
絶対、待ってるから!”


はっ!‥うぅん!!ビリー!
苗、やっぱりもぅ少しだけ頑張ってみるょ!!!


苗は再びやる気を起こした



そして、除隊者が一人も出ないままキャンプは終盤を迎える…

隊員達の目がキラキラと輝き互いの気持ちが一体化しはじめた!!!


“よし!
お前らよくやった!
俺からのハグだ!!──”


「キャーやったぁ〰!!
やり遂げたぁ〰!!!」


ビリーからの映像ハグを受けみんなが達成感という恍惚に翻弄されている…

皆の気持ちがひとつになった瞬間だった…

……………………………………………

‥なんか…めちゃめちゃ楽しそうだな?


晴樹は外を眺めそう思った


そして、四時限終業の鐘がなり校庭の1年達も散りじりになっていく。


‥あ、苗だ‥


晴樹は校舎に引き返す苗を見つけた。


久しぶりに学食にでも誘ってやろうかと、二階の教室の窓から声をかけようとした瞬間、晴樹の表情が曇る


苗の方に夏目が走り寄った時だった。


夏目は頭を掻きながら赤くなり、何かしきりに苗に言っている。


――!‥なに言ってんだアイツ!?


妙に胸騒ぎがしはじめ晴樹の顔つきがだんだんと険しくなってきた‥









「苗っ!!」

「――?…あ、大ちゃん!! どしたの?」


キャンプを終えたばかりの苗は興奮状態にあり、異様に瞳がキラキラと潤んでいる…


その瞳を見て不意をつかれた夏目はドギマギしてしまった。


……っ苗…‥///…


「何?」

キョトンと自分を見つめる苗にドキドキしながら夏目は勇気を振り絞った!


「あ‥いゃ
あのさっ‥
今度の土曜暇か?‥///」

「今度?‥バイトだょ‥
なんで?」


…バイト!?

「あー…と…じゃあ、他に暇な日は?」


夏目は粘ってみた…

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