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レズビアン・・・

一話 花の戯れ (エステ、剃毛、ピアス、双頭ディルド

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明治の頃からそこにある


異文化交流の始まりに建てられた古びた洋館…


四角いコンクリート仕立ての建物と並んでいる様が、幼い頃から不思議に思え、そして、絵本の中から飛び出してきたようなその館に私はずっと興味を惹かれていた…


古い英国映画に出てきそうな花の庭園。

隅々まで綺麗に手入れがされている。

小さな頃からこっそりと忍び込み、私は何度となく薔薇の花を勝手に手折り家に持ち帰っては髪に飾ったものだ。


私はその庭園を、今、お茶を頂きながら目の前に眺めている…


高価なティーセット。美味しそうなシフォンのケーキ…

斜め向かいには、フランス人形のような綺麗な女の人…


私の視線に気づき、その人は口に運んだティーカップから顔を上げると柔かな笑みを返してきた。


細めた瞳

そして緩く上がる上品な口角…


私はなんだかそこから

目が…離せなかった……



「ケーキはお口に合うかしら?」

「…は、はい! とても美味しいですっ」

ふふっと笑った唇から柔らかなソプラノが流れる。

見とれていた私は急に話し掛けられ思わずどもった返事をしてしまった。

季節ごとにいつも綺麗に色付く庭先。そして、舘を囲む植え込みの垣根もカラフルに花を咲かせる。

いつも買い物帰りに通る道。この花を愛でることが私の日課。

毎日のようにやってくる、近所に住む姑の嫌がらせに耐えかねる私に唯一心の潤いを与えてくれるほんの一時の時間。


細やかな楽しみにもなっていた。


この舘の周りはホントに何時もいい香りがする…

昔のように、無邪気に忍び込むことはもう出来ない変わりに私は植え込みに咲いた花の香りを思う存分堪能していた。

鼻をくっつけて胸いっぱいに吸い込むと、思いっきり、はあ~…と幸せな声が漏れる。

そんな私の耳にクスクスと控え目な笑い声が聞こえてきた。

…やばっ!


思わず身構えて辺りを見回す。

その姿を見られたのか、笑いは余計に大きく聞こえてきていた。
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