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最高の部隊
21話
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翌日午前四時…
私達のパーティーにカレンを加えた4人は街の門の近くにある宿に泊まって居た。
6時には門を出て他の12人とも合流する予定だ。
私は日課の鍛錬の為に起き上がると…
「う~ん?アリス…?」
リリアが眠そうに目を擦りながら起きる。
カレンはグッスリと眠っており、茉莉は私たちが寝る前と同じ様に眼鏡をかけて読書をしていた。
茉莉も気がついた様子で私の方を向く。
「おや…お二方様は随分とお早いのですね。今日くらいはゆっくりとお休みになられてもよろしいのでは?」
「私は弱い…だから、もっと強くなって、ちゃんとこのSS級冒険者に見合う人にならないといけないんだ。」
「やれやれ…アリスさんは真面目ですねぇ…」
茉莉はそう言うと眼鏡を取って言う。
「なら、この茉莉に少し付き合ってもらえますかい?」
リリアは私の顔を見ていた。
「わかりました。茉莉さんの提案に乗りましょう。」
リリアは少し眠そうにしていたが、私が出かける用意を始めるとリリアも準備を始める。
カレンが起きた時の為に書き置きを残して、私たちは朝焼けの街へ歩きだす。
「アリスさんは…」
茉莉がポツリと呟く。
「アリスさんはどこから来たか思えていますか?」
私は考える。
そう言えば、私って、アルフェノーツ家に来る前はどこに居たんだっけ…
少なくとも4歳の頃にはあの家に居た。
オブリージュお祖母様、マルレクレールお爺様、アイフェットお姉様、フィルアールお兄様、双子のメイドのオリュンとウェン、執事のアーウィル、皆良い人だった…
拾い子である私に対しても優しく接してくれる人だった。
あれはまだ私があの家に居た時の事だ…
…
とある日の事…
「オリュン!」
小綺麗なフリルのドレスに着飾られた少女がメイドを呼ぶ。
長く美しい銀髪を輝かせながら、メイドが少女の元へ駆け寄る。
「アリスお嬢様、どうされました?」
メイドが少女の高さまで屈んで、綺麗な蒼い目で少女の目を見る。
「今日はオリュンとお出かけだから、アリスもおしゃれしてみたの!どう?似合うでしょ!」
オリュンと呼ばれたメイドはニコリと微笑んで言う。
「えぇ!とってもお似合いですよ!アリスお嬢様はほんとに何をしてても可愛らしいですわ。」
「えへへ!そんなに褒められちゃうと頑張った甲斐があるな~♪」
アリスは嬉しそうにクルクルと小躍りする。
「やあ。アリス、おはよう!」
背が高く、輝く金髪で青い瞳の少年が少女に挨拶する。
少女が貴族らしく、スカートの裾を持ち上げて挨拶する。
「フィルアールお兄様!おさようございます!」
フィルアールが「クククッ」と楽しそうに笑って言う。
「アリス、おさようじゃなくて、おはようだよ。」
少女は「てへっ☆」と舌を出して言う。
「んにゃ。間違えちゃった…おはようございます?」
「はい。おはようございます。」
フィルアールが微笑みながら、アリスの頭を撫でながら言う。
「アリス、今日は一段と可愛いな。」
「フィルアールお兄様もわかりますか?今日はオリュンとお出かけなので、アリスもいつもよりおしゃれに気合いを入れてみたのです。えっへん!」
アリスは胸を張って嬉しそうにドヤ顔していた。
「お?良いな!今度、お兄様ともお出かけしないか?」
フィルアールがアリスの頭を撫でながら言う。
「良いんですか?!ぜひ、お願いします!」
アリスは天使のような笑みで笑っていた。
アメジストの様に美しい紫色の長髪の少女が飛ぶようにやってきて、フィルアールに言う。
「ちょっと!フィルアール?次は私がアリスと出かけるのよ!順番通りにお出かけするって決めたじゃない!」
「アイフェット姉様が遅いのが悪いのです。それに、私はそんな決まりは知らないですよ。」
フィルアールとアイフェットと呼ばれた少女がアリスを巡って喧嘩する。
遠くから眠そうに見ていた長く綺麗な蒼い髪の銀に輝く目のメイドが喧嘩する2人に言う。
「…三人で出かけたら?」
「「それだ!」」
二人が同時に言う。
二人は「さすがウェンだ!」とか言って持て囃しながら、アリスと出かけるのは何処がいいだろうかとか相談していた。
そんななんて事の無い毎日がいつまでも続くんだと思っていた。
あんなことが起きるまでは…
私達のパーティーにカレンを加えた4人は街の門の近くにある宿に泊まって居た。
6時には門を出て他の12人とも合流する予定だ。
私は日課の鍛錬の為に起き上がると…
「う~ん?アリス…?」
リリアが眠そうに目を擦りながら起きる。
カレンはグッスリと眠っており、茉莉は私たちが寝る前と同じ様に眼鏡をかけて読書をしていた。
茉莉も気がついた様子で私の方を向く。
「おや…お二方様は随分とお早いのですね。今日くらいはゆっくりとお休みになられてもよろしいのでは?」
「私は弱い…だから、もっと強くなって、ちゃんとこのSS級冒険者に見合う人にならないといけないんだ。」
「やれやれ…アリスさんは真面目ですねぇ…」
茉莉はそう言うと眼鏡を取って言う。
「なら、この茉莉に少し付き合ってもらえますかい?」
リリアは私の顔を見ていた。
「わかりました。茉莉さんの提案に乗りましょう。」
リリアは少し眠そうにしていたが、私が出かける用意を始めるとリリアも準備を始める。
カレンが起きた時の為に書き置きを残して、私たちは朝焼けの街へ歩きだす。
「アリスさんは…」
茉莉がポツリと呟く。
「アリスさんはどこから来たか思えていますか?」
私は考える。
そう言えば、私って、アルフェノーツ家に来る前はどこに居たんだっけ…
少なくとも4歳の頃にはあの家に居た。
オブリージュお祖母様、マルレクレールお爺様、アイフェットお姉様、フィルアールお兄様、双子のメイドのオリュンとウェン、執事のアーウィル、皆良い人だった…
拾い子である私に対しても優しく接してくれる人だった。
あれはまだ私があの家に居た時の事だ…
…
とある日の事…
「オリュン!」
小綺麗なフリルのドレスに着飾られた少女がメイドを呼ぶ。
長く美しい銀髪を輝かせながら、メイドが少女の元へ駆け寄る。
「アリスお嬢様、どうされました?」
メイドが少女の高さまで屈んで、綺麗な蒼い目で少女の目を見る。
「今日はオリュンとお出かけだから、アリスもおしゃれしてみたの!どう?似合うでしょ!」
オリュンと呼ばれたメイドはニコリと微笑んで言う。
「えぇ!とってもお似合いですよ!アリスお嬢様はほんとに何をしてても可愛らしいですわ。」
「えへへ!そんなに褒められちゃうと頑張った甲斐があるな~♪」
アリスは嬉しそうにクルクルと小躍りする。
「やあ。アリス、おはよう!」
背が高く、輝く金髪で青い瞳の少年が少女に挨拶する。
少女が貴族らしく、スカートの裾を持ち上げて挨拶する。
「フィルアールお兄様!おさようございます!」
フィルアールが「クククッ」と楽しそうに笑って言う。
「アリス、おさようじゃなくて、おはようだよ。」
少女は「てへっ☆」と舌を出して言う。
「んにゃ。間違えちゃった…おはようございます?」
「はい。おはようございます。」
フィルアールが微笑みながら、アリスの頭を撫でながら言う。
「アリス、今日は一段と可愛いな。」
「フィルアールお兄様もわかりますか?今日はオリュンとお出かけなので、アリスもいつもよりおしゃれに気合いを入れてみたのです。えっへん!」
アリスは胸を張って嬉しそうにドヤ顔していた。
「お?良いな!今度、お兄様ともお出かけしないか?」
フィルアールがアリスの頭を撫でながら言う。
「良いんですか?!ぜひ、お願いします!」
アリスは天使のような笑みで笑っていた。
アメジストの様に美しい紫色の長髪の少女が飛ぶようにやってきて、フィルアールに言う。
「ちょっと!フィルアール?次は私がアリスと出かけるのよ!順番通りにお出かけするって決めたじゃない!」
「アイフェット姉様が遅いのが悪いのです。それに、私はそんな決まりは知らないですよ。」
フィルアールとアイフェットと呼ばれた少女がアリスを巡って喧嘩する。
遠くから眠そうに見ていた長く綺麗な蒼い髪の銀に輝く目のメイドが喧嘩する2人に言う。
「…三人で出かけたら?」
「「それだ!」」
二人が同時に言う。
二人は「さすがウェンだ!」とか言って持て囃しながら、アリスと出かけるのは何処がいいだろうかとか相談していた。
そんななんて事の無い毎日がいつまでも続くんだと思っていた。
あんなことが起きるまでは…
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