【完結】二十五歳のドレスを脱ぐとき ~「私という色」を探しに出かけます~

 二十五歳――それは、誰かのために生きることをやめて、
 自分のために色を選び直す年齢だったのかもしれません。

 リリア・ベルアメール。王都の宰相夫人として、誰もが羨む立場にありながら、 彼女の暮らす屋敷には、静かすぎるほどの沈黙が流れていました。
 深緑のドレスを纏い、夫と並んで歩くことが誇りだと信じていた年月は、
 いまではすべて、くすんだ記憶の陰に沈んでいます。

 “夫の色”――それは、誇りでもあり、呪いでもあった。
 リリアはその色の中で、感情を隠し、言葉を飲み込み、微笑むことを覚えた。
 けれど二十五歳の冬、長く続いた沈黙に小さなひびが入ります。

 愛されることよりも、自分を取り戻すこと。
 選ばれる幸せよりも、自分で選ぶ勇気。
 その夜、彼女が纏ったのは、夫の深緑ではなく――春の蕾のような淡いピンク。
 それは、彼女が“自分の色”で生きると決めた最初の夜でした――。
24h.ポイント 0pt
322
小説 218,908 位 / 218,908件 恋愛 64,236 位 / 64,236件

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたくしが代わりに妻となることにしましたの、と、妹に告げられました

四季
恋愛
私には婚約者がいたのだが、婚約者はいつの間にか妹と仲良くなっていたらしい。

本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。

四季
恋愛
本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。

お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。

四季
恋愛
お前は要らない、ですか。 そうですか、分かりました。 では私は去りますね。

妹と婚約者が口づけしているところを目撃してしまう、って……。~これはスルーできませんので終わりにします~

四季
恋愛
妹と婚約者が口づけしているところを目撃してしまう、って……。

継母は実娘のため私の婚約を強制的に破棄させましたが……思わぬ方向へ進んでしまうこととなってしまったようです。

四季
恋愛
継母は実娘のため私の婚約を強制的に破棄させましたが……。

婚約者を妹に奪われました。気分が悪いので二人を見なくて良い場所へ行って生きようと思います。

四季
恋愛
婚約者を妹に奪われました。気分が悪いので二人を見なくて良い場所へ行って生きようと思います。

婚約者の母親に虐げられていましたが敢えて捨てられることで縁を切ることができました。~彼女らは勝手に破滅していったようです~

四季
恋愛
婚約者の母親に虐げられていましたが敢えて捨てられることで縁を切ることができました。