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【〜No4〜】
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次の日の朝、リリアーナが目が覚めると、そこは自分の部屋ではなかった。
「ここは…? 私は…何故、知らない場所にいるの…?」
暫らく呆然として、部屋の中を見渡して見ると、ここは広くて豪奢な部屋の中だと解った。リリアーナは、キョロキョロ周りを見渡しながら、大きくてふかふかなベッドから下りようと、床に足を着いて立ち上がろうとしたその時、ズキリと激痛が走った。
「…っ、痛い!!」
リリアーナは痛みの走った左足を見ると、足首から下に包帯が巻いてあった。
「あれ?いつの間に怪我をしたのかしら?これって捻挫?それに…パジャマじゃないわ…白い…ワンピース…?」
リリアーナは立ち上がると、片足を引きずりながら部屋の中を見て回った。
「わぁ…ヨーロピアン調の家具で、凄い部屋だわ!ここは、一体何処なの?
私はいつの間に、この部屋に来たのかしら?
ここは高級ホテルの、スイートルー厶?」
そう呟きながら歩いていると、見覚えのある顔が目に入り、思わず二度見したら、それは鏡だったようだ。
「えっ…?リリアーナ…。かっ…鏡よね…?」
リリアーナは恐る恐る、鏡に手を伸ばした後に、自分の頬や頭を触って叫んだ。
「リリアーナ・パヴェル?!えっ?えっ?
ヒロイン~の実写?!」
その叫び声が響いたのか、キャロルと護衛、が部屋の中にやって来た。
「「どうしました!!」」
「えっ?外国人…。もう…なんなのこれ…。んん~My name isモエカサエキ、あぁ~ここは何処ですかって、何て言えばいいんだっけ?あれ?もしかしてフランス語かな?もぉ…やだ…誰か説明してよ…。これってドッキリ?」
この時リリアーナは、記憶が前世のままだったので、自分が萌花だと思ってパニックになっていた。
侍女のキャロルは、意味不明な事を話し出し、様子がおかしいリリアーナを見て、護衛にブラットリーを呼びに行くように命じた。
「パヴェルお嬢様、何があったのですか?
足を怪我してますから、まずはベッドでお休み下さい…。それからお話しを伺いますから。さぁ…私の手にお掴まり下さいませ」
「えっ?日本語…?パヴェル…お嬢様ぁ?!」
リリアーナは一人でぶつぶつと、呟きながら大人しくキャロルに手を借りて、ベッドへと戻り腰掛けた。それから俯いて、またぶつぶつと呟いているので、キャロルは怖くなり声をかけられずにいた。
(このお嬢様は、頭を強く打ったと、ブラッドリー様が言ってたわ…もしかして、気がふれてしまったのかしら…)
そうキャロルが心配していると、ブラットリーとマリアールが慌てて部屋にやって来た。
「キャロル!どうしたんだい?パヴェル嬢が目を覚ましてから、様子がおかし…」
と、その時リリアーナは、はっとして顔を上げたら、真っ先に目に入ったマリアールを見て、指を指して叫んでいた。
「ああぁぁ~~!! マリアール!!」
マリアールは勿論、周りにいた者達は、リリアーナの余りの大きな声に、ビクっとなった。
「わっ…私は…私は…マリアールになりたかった…」
と意味不明な事を言いながら、またリリアーナは、ぱたりと身体を横たえて、気を失っていた。
「ブラットリーお兄様!! パヴェ…パヴェル嬢は、凄く怒っていますわ!!私…どうしたら…。それに、また気を失ってしまったわ」
ブラッドリーは、泣きながら縋りついている、マリアールを抱きしめながら言った。
「マリアール…きっとパヴェル嬢は、頭を強く打ったから、まだ混乱しているんだよ。落ち着いたら、きっとマリアールの事を許してくれるさ…。私はこれから、彼女の治療をするから、マリアールは部屋で休んでいなさい。それと今日は、学園は休んだ方がいいだろう…」
「ブラットリーお兄様…。パヴェル嬢が目を覚ましたら伝えて…私が謝罪したいと…」
「解ったよ、マリアール…。部屋でゆっくり休むんだよ?いいね?」
「はい…」
ブラッドリーは、マリアールの頭を撫でてから、扉まで付き添い見送った。
「…それで…?キャロル、パヴェル嬢は一体どうしたのかな?」
「それが…私にも解らないのです…」
キャロルはそう言って、リリアーナの叫び声を聞いて、部屋に入ってからの事を、ブラッドリーに説明しだした。
それを聞き終わったブラッドリーは、眉間にシワを寄せていた。
「んん…?聞いた事ない言葉を話していたとは…異国の言葉か…?それは、頭を強く打ったせいだろうか…?だが、マリアールの事は解っていたな…。
どちらにせよ、安静が必要だな…」
そう言ってブラッドリーは、リリアーナの頭と足の包帯を取り替えてから、ベッド脇に椅子を持って来て腰掛けた。
「キャロル、私はパヴェル嬢が目を覚ますまで、ここに居るから紅茶を頼むよ…。後、私の部屋の、机の上にある読みかけの本を、持って来てくれ」
「畏まりました」
そう言ってキャロルは、部屋から出て行った。
ブラッドリーはその後、長い足を組み本を読みながら、リリアーナが目覚めるのを待っていた。
時折(ふふっ…)と寝ながら笑ったり、眉間にシワをよせているリリアーナを見て、ブラッドリーは笑いを堪えていた。
「くっくっ…パヴェル嬢は面白いお嬢さんだね…。寝ながら一人百面相だ…。一体どんな夢を見てるのかな?」
そう言って、頬をつんつんと突くと、へにゃりと笑った。
「ここは…? 私は…何故、知らない場所にいるの…?」
暫らく呆然として、部屋の中を見渡して見ると、ここは広くて豪奢な部屋の中だと解った。リリアーナは、キョロキョロ周りを見渡しながら、大きくてふかふかなベッドから下りようと、床に足を着いて立ち上がろうとしたその時、ズキリと激痛が走った。
「…っ、痛い!!」
リリアーナは痛みの走った左足を見ると、足首から下に包帯が巻いてあった。
「あれ?いつの間に怪我をしたのかしら?これって捻挫?それに…パジャマじゃないわ…白い…ワンピース…?」
リリアーナは立ち上がると、片足を引きずりながら部屋の中を見て回った。
「わぁ…ヨーロピアン調の家具で、凄い部屋だわ!ここは、一体何処なの?
私はいつの間に、この部屋に来たのかしら?
ここは高級ホテルの、スイートルー厶?」
そう呟きながら歩いていると、見覚えのある顔が目に入り、思わず二度見したら、それは鏡だったようだ。
「えっ…?リリアーナ…。かっ…鏡よね…?」
リリアーナは恐る恐る、鏡に手を伸ばした後に、自分の頬や頭を触って叫んだ。
「リリアーナ・パヴェル?!えっ?えっ?
ヒロイン~の実写?!」
その叫び声が響いたのか、キャロルと護衛、が部屋の中にやって来た。
「「どうしました!!」」
「えっ?外国人…。もう…なんなのこれ…。んん~My name isモエカサエキ、あぁ~ここは何処ですかって、何て言えばいいんだっけ?あれ?もしかしてフランス語かな?もぉ…やだ…誰か説明してよ…。これってドッキリ?」
この時リリアーナは、記憶が前世のままだったので、自分が萌花だと思ってパニックになっていた。
侍女のキャロルは、意味不明な事を話し出し、様子がおかしいリリアーナを見て、護衛にブラットリーを呼びに行くように命じた。
「パヴェルお嬢様、何があったのですか?
足を怪我してますから、まずはベッドでお休み下さい…。それからお話しを伺いますから。さぁ…私の手にお掴まり下さいませ」
「えっ?日本語…?パヴェル…お嬢様ぁ?!」
リリアーナは一人でぶつぶつと、呟きながら大人しくキャロルに手を借りて、ベッドへと戻り腰掛けた。それから俯いて、またぶつぶつと呟いているので、キャロルは怖くなり声をかけられずにいた。
(このお嬢様は、頭を強く打ったと、ブラッドリー様が言ってたわ…もしかして、気がふれてしまったのかしら…)
そうキャロルが心配していると、ブラットリーとマリアールが慌てて部屋にやって来た。
「キャロル!どうしたんだい?パヴェル嬢が目を覚ましてから、様子がおかし…」
と、その時リリアーナは、はっとして顔を上げたら、真っ先に目に入ったマリアールを見て、指を指して叫んでいた。
「ああぁぁ~~!! マリアール!!」
マリアールは勿論、周りにいた者達は、リリアーナの余りの大きな声に、ビクっとなった。
「わっ…私は…私は…マリアールになりたかった…」
と意味不明な事を言いながら、またリリアーナは、ぱたりと身体を横たえて、気を失っていた。
「ブラットリーお兄様!! パヴェ…パヴェル嬢は、凄く怒っていますわ!!私…どうしたら…。それに、また気を失ってしまったわ」
ブラッドリーは、泣きながら縋りついている、マリアールを抱きしめながら言った。
「マリアール…きっとパヴェル嬢は、頭を強く打ったから、まだ混乱しているんだよ。落ち着いたら、きっとマリアールの事を許してくれるさ…。私はこれから、彼女の治療をするから、マリアールは部屋で休んでいなさい。それと今日は、学園は休んだ方がいいだろう…」
「ブラットリーお兄様…。パヴェル嬢が目を覚ましたら伝えて…私が謝罪したいと…」
「解ったよ、マリアール…。部屋でゆっくり休むんだよ?いいね?」
「はい…」
ブラッドリーは、マリアールの頭を撫でてから、扉まで付き添い見送った。
「…それで…?キャロル、パヴェル嬢は一体どうしたのかな?」
「それが…私にも解らないのです…」
キャロルはそう言って、リリアーナの叫び声を聞いて、部屋に入ってからの事を、ブラッドリーに説明しだした。
それを聞き終わったブラッドリーは、眉間にシワを寄せていた。
「んん…?聞いた事ない言葉を話していたとは…異国の言葉か…?それは、頭を強く打ったせいだろうか…?だが、マリアールの事は解っていたな…。
どちらにせよ、安静が必要だな…」
そう言ってブラッドリーは、リリアーナの頭と足の包帯を取り替えてから、ベッド脇に椅子を持って来て腰掛けた。
「キャロル、私はパヴェル嬢が目を覚ますまで、ここに居るから紅茶を頼むよ…。後、私の部屋の、机の上にある読みかけの本を、持って来てくれ」
「畏まりました」
そう言ってキャロルは、部屋から出て行った。
ブラッドリーはその後、長い足を組み本を読みながら、リリアーナが目覚めるのを待っていた。
時折(ふふっ…)と寝ながら笑ったり、眉間にシワをよせているリリアーナを見て、ブラッドリーは笑いを堪えていた。
「くっくっ…パヴェル嬢は面白いお嬢さんだね…。寝ながら一人百面相だ…。一体どんな夢を見てるのかな?」
そう言って、頬をつんつんと突くと、へにゃりと笑った。
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