すずめの雛と兄貴の旅立ち

小さな頃は兄の背中ばかりを追いかけていた。

けれど、背が伸びるにつれて、兄の背中は蜃気楼のように遥か彼方へと遠のいていき、やがては言葉を交わすことさえもなくなっていた。

そして、兄が大学受験を控えた高校最後の春。

いつもとは違う家路を辿っていた最中、並木道の傍らに咲く一本の桜の樹枝で、強かに囀る一匹のすずめの雛を目にした。

その出会いが俺の、俺たちの人生をほんの少し変えるきっかけとなったことを、俺は一生忘れないだろう。
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