精一杯背伸びしたら視界に入りますか?

羽月☆

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31 すっかり目が覚めた朝に

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さすがにお腹空いた。ダメ押しの様に玄関で触れてしまい。
毎日顔を合わせてるのに。
まるで遠距離恋愛の別れ際のような衝動に任せた行為だった。


中途半端に触れ合って彼女の目が色っぽく濡れていた。
これだけでバレそうだ。


キスをしてもう一度無理するなといい、ドアを開けて外に出た。
つないだ手にきつく力が入る。
レストランのカウンターの席で話をする間彼女の手が太腿に乗る。
無意識かもしれないが過剰に反応しそうになる。

本人は全く気がついてないようで、食欲は何よりも勝り、満たされた満足感が顔に出ている。さっきまであったあの色っぽい目もない。

簡単に食欲に負けた。残念。

テーブルに移動してコーヒーを飲む間にも足が触れ合う。
一度触れあうと後はぴったりとくっつき合って。

なんだかそんな自分が信じられない。
重症だ。これじゃあ思春期レベルの密度だが。


今夜帰ってくるだろうか?多分無理だろう。
親として許すはずはない。
期待せずにいよう。
改札まで送り手を振る。

カジュアル服のお店で小さいサイズのTシャツとパジャマ代わりのパンツを二組買う。
なんだかんだ泊める気満々。
次回必要だからと言いなが今夜帰ってくるのを待っている自分。
さすがに下着はと思ったのでやめたが。
そして上着はあえて自分のサイズのパーカーでいい。
小さな体を包んでるあの姿は自分が抱きしめてるみたいで心地いい。


ん?こんなことをあの夏の夜も思っていたのだろうか?


それを谷垣に見透かされたとか?
まさか、考えたくない。
あの時はそんなこと考えてなかった。
ただ寒そうだと思って貸しただけだ。

いつもと違って肌が出た格好が寒そうだと思ったから。

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