お互いの距離は特殊な事情によりこんな感じなんです。

羽月☆

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5 青空の下で伝えたい心、届けたい気持ち、守れると思えた約束。

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「お帰り。杏ちゃん、楽しかった?」

「はい。」

その声が分かりやすかったのだろう、笑顔も注目されただろう。

桜木さんが安心して、友達の視線が揶揄うような羨ましそうな感じで自分に向いて、電車に乗ることにした。

ただ、皆が酒臭い。

「ねえ、そんなに飲んだの?」

「そうだよ。いろいろと話をしながらグビグビと試飲したから、美味しかったなあ。」

「桜木さんが飲めるほうでよかった。」

「杏ちゃんが飲めない方でよかったのと同じくらい良かったです。黒羽さんは?」

「僕は普通に付き合いで困ることはないくらいかな。でもあんまり飲むことはないなあ。食事を楽しみたいほうだから。一人暮らしだから外だと食べるほうに集中する方だから。」

別に気を遣った訳じゃなくて、そうなんだ。
母さんが主婦でいたから料理はおいしくて栄養もあって、一人暮らしの今、そのありがたさがじんわり来てる。
一人だと面倒で適当な日々が多い。
お金の面もあるし外食も続かないし。


「杏ちゃん、料理は得意じゃない、披露してみれば?」

「そんな・・・・。」

「いいなあ、料理の上手な子。」

「今度桜木さんの友達と飲むことにしたんだよ、誘わないけどな。」

有栖が僕に言った。
じゃあ何で教えたんだ。

「そうなんだ。」

「ただの大酒飲み会かもしれないよね。飲める子を誘うから。」

「楽しみにして、期待もして待ってます。」

そんな約束はそっちもしてたらしい。

帰りはさすがにお菓子は出てこなかった。
写真とも関係ないどうでもいい変な大人の話をして、にぎやかに帰った。

車窓にはだんだんとビルが目立ち始めた。

さすがにこんなとこに大きな狸がいても寂しいだろう。
あそこだと夜には子分が来てくれるかもしれない、鳥が遊びに来たり、他の動物が来るかもしれない。青い空の下で新鮮な空気を吸って、涼しい風を浴びて。


楽しかった。

つい呟いていた。
声に出て隣には聞こえてたらしい。

ゴンと肘が背中に来た。

「良かったな。」

そう言われたけど当然目の前の藤咲さんには聞こえただろう。
朝から今まで全部が楽しかったと言いたいのに。
決してランチの前後だけじゃないから。


「杏ちゃん、残りの連休はどうするの?」

桜木さんに聞かれた藤咲さんがこっちを見た。

「一緒に写真を撮りに。」

「そうなんだ。良かったね。」

いつの間にか静かになっていた面々。
朝が早くて眠かったのだろうか?
お酒のせいだろうか?
うとうとする感じになっている。

桜木さんと藤咲さんの小声は聞こえてなかったらしい。
ただ隣は別だ。

康介はにやにやと笑ってた。




次の日。
二人で選んだ母親へのプレゼントを大切に持って実家に帰った。

明石のおじさんはいなかった。
ホッとするような、寂しいような。
でも母さんを見ればわかる、絶対呼んだよね。

少ししてやっぱりおじさんが来た。

僕が玄関を開けて迎える。
就職してからは初めて会う。

「こんにちは。」

「こんにちは。どうぞ。」

おじさんの手にもお土産がある。
賑やかに、でも懐かしいくらいの時間があった。

自分のタブレットに取り込んだ昨日の写真を見せた。
全部景色の写真と大きな狸の写真で見られて恥ずかしい写真はない。

車内や外でこっそり有栖たちに携帯を向けられてたらしい。
当然狙われたのは自分と藤咲さんの二人で、夜になってそれが送られてきた。

全く気が付かなかったし、写真の中の二人はそんな笑顔だった。

携帯の中に仕分けしていれてある。
何故か・・・・藤崎さん一人の横顔もあった。
いい写真だったけど本人が欲しいかは別だ。隠し撮りなんだから。


「混んでただろう?」

「はい、凄かったです。想像以上に陶器もいっぱいあって、友達と一緒に選んだんだ。」

最後は母さんに向けて言った。

「ありがとう。いいじゃない。落ち着いた感じで美味しいビールが飲めそう。」

「おじさんと飲むかと思ってイメージして買ってきたんだ。」

ついそう言ったらシンとした一瞬の後。

「そういえばお酒はどう?飲む機会も増えたんじゃない?」

「そうでもないです。まだそんなに会社の仲間とは飲んでなくて、鍛えられてはいないです。昨日もグループの半分は酒蔵にいってかなり試飲して楽しんだらしいです。酒臭い息になって帰りの電車では寝てました。」

「いつか一緒に飲みたいね。」

「はい。普通には飲めますから、いつでも。」

「仕事はどう?」

母さんが聞いてきた。

「まあ、普通に頑張ってる。そんなにきつい感じはないよ。同期とも仲良くなりつつあるし。」

「じゃあ、安心、一人暮らしも大丈夫?」

「うん。」

そう思って自分の部屋を思い浮かべた。
何故か藤咲さんがご飯を作ってくれてる映像で自分がびっくりした。

「そのうちに詠一さんにも会って写真を見せるって約束はしたんです。」


「ああ、聞いてたよ。楽しそうな予定だったみたいだね。」

おじさんに詠一さんの事を報告して言ったら、そう言われた。
どのくらい聞いてるのか分からない、それに楽しそうな予定の具体的なことも。
そのまま話が続かなくて、考えるのは止めた。

もし普通の知り合いだったら聞いてくる?
お父さんだったとしたら気になる?

どういう反応が返って来ても悩んでしまう。

もう20歳も過ぎて独り立ちしたのに、なかなかおじさんの正体は教えてもらえない。
本当に母さんのいとことか、父親の知り合いとか、そんな縁だったり・・・・・でも、そんな事はないだろう。
そうだったらもっと違う思い出話が出てもいいはずだ。

母さんのお父さんお母さん、自分の祖父母に当たる人とは会ったことがないと思う。
もういないと言われたことがある。
だから自分にとって家族は母さんだけだし、知り合いもおじさんが加わるだけだ。
いまは詠一さんたちも加えたいけど、よく考えたらすごく寂しいのかもしれない。
そんな事を感じずにきたのはきっとおじさんのお陰だと思ってる。


でも、やっぱり知りたくもある。
自分だってどんな話も受け入れられると思うのに。
何がどうなっても反対はしないのに。
母さんはそんな事を教えてくれる気はないんだろうか?


夕方になって実家を出た。
おじさんはそのまままだいるみたいで、見送られた。
変だよね・・・・・、でも母さんと並んでるおじさんとの二人の姿には何の違和感もなかった。

明日は藤咲さんと会う日だった。

今夜もう少し予定を話そうって、そんな話は決まった。
二人で出かける事だけは決まってた。


並んだ二人は自然だろうか?

この間すっかり二人でいる事にも慣れていたくらいだから自分では自然だと思う。
ドキドキの緊張はあっても、望まれるならそばにいたい。


昨日の夜に皆からは連絡がきた、というか勝手に盛り上がっていた三人。
今更だけど藤咲さんが自分に会うために仕組まれたのは間違いないと、やっと言われた。
二組に分かれた時にいろいろ話をしたらしい。
サークル合同で何かをするときには近くにいたらしいけど、なかなか話が出来なかったと。
桜木さんも今一つ役に立てなかったと後悔してたから、今回いい具合に自分と藤咲さんをつなげられて満足してたらしい。
そんな話をしながら祝杯を上げるようにお酒の試飲をしてたらしい。

『で、どんな感じだよ。』

『この連休中に二人きりのデートの約束してたんだよな。』

康介がバラした。

『羨ましい、いいなあ。可愛かったしな、一個年下かあ。』

『俺たちの事なんて全く視界に入ってないくらいだったよな。』

『だよな。しかもずっと片思いしてただなんて、そんなとこも可愛いじゃん。』

『なんか腹立つ。何で一人だけ出来上がるんだよ。』


皆のつぶやきに『知らないよ。』なんて言おうものなら反発が一斉にきそうだから静かに見守った。

ひとしきり昨日の事で盛り上がったら次は夏にどこかに行こうと言う話になっている。さりげなく中に入る。

『まだまだって思っててもすぐに来るかな?』

『ハッピーな週末を過ごしてるとすぐ来るよ。』 

そう言われた。

そうだといいな、そう思った。



大きな公園に行くことにした。
手にはシートとデパートで買い込んだお弁当とデザートがあった。

広い園内の真ん中、太陽の下でシートを広げて座った。

あちこちでいろんなグループがシートの上で思い思いにくつろいでいる。



「あのビアマグ、気に入ってもらえましたか?」

藤咲さんにそう聞かれた。当然気になったらしい。


「うん。喜んでたよ。ありがとう。」


改めてお礼を言った。


「それでもよく考えたら母さんがお酒を飲んでた記憶が全くないんだよね。」

「そうなんですか?お父さんは?」

そう聞かれて考えた。
やっぱり、ない。
おじさんだってすごく飲めそうなのにまったくだった。
僕に付き合って甘いものを一緒に食べてたりした方だった。

「やっぱり記憶にないなあ。」

「それでもお母さんのリクエストだったんですよね。黒羽さんがいなくなって飲み始めたのかもしれませんね。」

「そうかもしれないね。」

ビールじゃなくても使えるけど、自分がいない週末に二人でのんびり飲んでる姿も想像できる。きっと無駄にはせず使ってくれるだろう。


さっそくお弁当を広げる。

「天気が良くて気持ちいいです。」

まぶしそうに空を見上げる笑顔。やっぱりかわいいと思う。

相槌も打たないでその横顔を見ていた。
それに気が付いたらしくて、ちょっとだけ目が合ったらお弁当に視線を落とされた。

二つのお弁当を見合い、ちょっとだけおかずを交換して。

すごく近い距離になったけど、交換が終わったらまたもとの距離に戻った。


「毎年連休は何をしてましたか?」

「仲間と写真撮りに行ったり、昔の友達に会ったり、あとは何してたんだろう?藤咲さんは?」

「私も同じです。バイトか、友達と食事したり買い物してました。」

「そんなものだよね。海外に出かけたりって一度もないんだ。夏休みとかの連休も。」

「私も海外はないですよ。卒業旅行か修学旅行でもないとそんなものじゃないですか?国内でも十分ですけど・・・・決して英語が苦手な言い訳ではありません。」

「僕は得意だよ、って言いたいところだけど実用的とは程遠いよね。同じレベルだと思うなあ。」


「お仕事でも必要ないですか?」

「無い無い、全然無い。」



お弁当を食べながら、正面を向くとお互いの足元しか見えなくなる。
少し冷えたお弁当は味が濃く感じられて、お茶を飲みながら。

ペットボトルをとろうと振り向いたときに、離れた後ろに大吉さんみたいな人を見た気がした。似てるなあって思うくらい。
今は他の家族が間にいて見えないし、随分会ってないから自信はない。
就職が決まった秋に一度だけ一緒にお酒を飲んで奢ってもらった。
その時からはメールだけだ。

大吉さんだって連休を楽しんでるかもしれない。
誰と来てるんだろうって、ちょっとだけ興味もあったけど、同時にこっちもバレることになるから、どうあっても気が付かない振りをしたほうがいい。


「どうかしましたか?」

藤咲さんに聞かれた。

「ううん。みんな楽しそうだなあって思っただけ。」

「私も楽しいです。楽しみにしてました。」

「そうだね。」

簡単にそう答えて、でももっと僕もだよって言った方がいいのかなって思い直した。
でももう今さらだった。

お弁当を食べ終わりゴミをまとめた。


「大学生の頃の黒羽さんとは違って、社会人になった後に会えたら随分大人になってる気がしました。年の差は一歳で、そこは変わってないのに。」

「そんなものじゃないの?僕もそう思ったよ。大学生だなあって思っただけで、藤咲さんがすごく・・・・年下に思えたり。」

危うく可愛いと正直に言いそうになった。


「一緒に働いてる人と誘い合って飲んだりしますよね?」

「まだそんなにないかな。」

「でもきっともっと仲良くなっていったらありますよね。」

「うん、そうだね。それは楽しみだしね。」


「綺麗な大人の女の人もいますよね。」

「会社に?多分いるかもしれないね。まだまだよく知らないんだ。」


「一緒に飲んだり・・・。」

よっぽど仕事後に飲みに行ってるって思われるんだろうか?
意外に先輩たちもすんなりと仕事の後帰ってる気がするけど。


「そんなに誘われるタイプじゃないと思うよ。」


じっと見られたけど何も言われなかった。


膝の上に顎を載せてる姿は本当に幼く見える。
同じポーズで顎を載せてぼんやりとしてみた。



「自分にはたくさんの敵がいるように思えます。」

「それは就活の事?」


「違います。それもそうかもしれないけど、もっと違うことでも。」

なんだろう?敵って。
まさかいじめられるタイプでもないし。

「もしかして困ってる?」

昔そうおじさん聞かれたことがあった。
具体的に言いたくないとき、それでも助けが必要な時、何も言わずに助けてくれそうだと思った。


でも藤咲さんの答えはなかった。

まだまだそんな頼られる大人にはなれない。
一つ上だってさっきも確認したばかりだし、自分も本当に無力なんだ、まだ守ってもらってるくらいだと思う。
就職して経済的に自立して一人暮らししても、そこはまだまだだ。

藤咲さんの姿勢はそのまま、視線はすっかり地面に向いてる。

手を伸ばして背中に手を当てようと思ったけど、その手はもっと上に行って、頭を撫でた。
小さくてかわいらしさを見せる頭を。


「何かあったら相談して、頼りないけど、僕もそうして助けてもらってきたから。」


頼りになる大人はおじさんからつながってる。
おじさんが一番に頼りになった。
母さんよりもずっと。

これで本当に父さんでもなくて他人だったら・・・一体何なんだろう?


「黒羽さん・・・・。」


「何。」

地面に向けていた顔をあげてこっちを見る彼女。


「ずっと言いたかったんです、初めて会った時からずっと。」



「・・・ずっと勝手に好きだったんです。」


「あの・・・・待っててもらいたいんです、来年、もっと大人になります。だから他の女の人に誘われたりしないでほしいんです。」


「藤咲さんが大人になるのを待つの?それは、どういう意味だろう?」


それはどういう意味なんだろうか?
お家が厳しくて男女交際異性交遊禁止とか、いろいろ言われてるとか?
それとも本当に何か理由があるんだろうか?


「もし何か言いにくい理由があるならいいよ。でも、たくさん行きたいところを言い合ったよね?それも来年の事なの?」


「違います。それは・・・・・ぜひ一緒に過ごしてください、週末やお休み。」

「もちろん、そのつもりだったよ。だからうれしい。まだまだたくさんいろんなところに行こうね。」

なんだろう、友達みたいな関係はいいみたいだ。
一緒に過ごす時間は大切にしたいし、そんな関係でも笑顔でいられると思う。


「本当に分ってますか?私はちゃんと言ったんですよ。それに答えてくれてますか?」

小声でそう言って、近寄って腕に手をかけて睨まれた。
何で怒ってるんだろうって思ったけど、さすがに気が付いた。うっかりしてた。


「ああ・・・ごめんね。もちろん、僕もずっと可愛いって思ってた。この間車窓を見てる横顔がたまらなく可愛いなあって思ってた。二人きりになってた時間はデートしてるみたいで、お昼ご飯を食べた後も誰かを待たせてるなんて本当に忘れてたよ。ずっと二人だと思ってた。」


携帯を出した。
有栖が勝手に撮って送ってきた写真を見せた。

だって僕もすごい笑顔で話をしてる。
その顔はまっすぐ藤咲さんに向いてる。

二人の写真は隠し撮りで視線は合ってないけど、だってしょうがない。
僕は藤咲さんの方を見てたんだし、藤咲さんも僕を見てる。


「これ欲しい?」

「当たり前です。貴重です。」


「いいよ、後で送るね。」

さっきと同じように腕をかけられたまま、うっかりその顔に引き寄せられそうだった。
手も、自分の顔も。
だけどそこは待っていてほしいと言われたから。

視線をはがして携帯を操作した。

後でって言ったのに、すぐに送った。

彼女のバッグの中で携帯が鳴って。
確認したみたいだ。

だから体は離れた。


来年まで、来年の春まで、彼女が大学生じゃなくなるまで。
あと一年。
それは夏休みよりもずっとずっと先の事だ。

「杏ちゃん、後で写真を撮ろうか?視線が合ってるのが一枚もないよ。」

「はい。」

彼女の名前を呼んだ。

「杏ちゃん、僕も名前で呼んでもらえる?」

「風斗さん・・・・でいいですか?」

「うん。」


『黒羽』は母さんの名前だ。
今後『明石』になることはないのかもしれない。
ずっと変わりたいって思ってた。
そうすれば母さんももっと幸せになるんだろうって勝手に思ってたから。
今はどうでもいい気もするけど、おじさんも『風斗君』と呼んでくれる。
もしかしておじさんも生まれる子供の名前を相談されてたかもしれない、一緒に考えてくれたかもしれない。
それも想像できる。
だから下の名前の方が気に入ってる、大切な人にはそう呼んでもらいたい。


「風斗さん、デザート食べませんか?」

「そうだね。」

箱を開けて一つづつ取り出す。

スプーンをもらい、蓋をとって。

甘い休日の午後。詠一さん、楽しく過ごせてます。
報告はしないけど、今度も隠せないかもしれない。

「美味しいです。」

「そうだね。」

そう言って向けられた笑顔も、また可愛いと思った。



ちょっとだけ真面目な話もした。
そろそろ始まる就職戦線。
誰もが一列に並んでスタートを切るのに、先にゴールする人も、最後までゴールできない人もいる。

出来たら早く決められてうれしい笑顔が見れますように。


「本当は頑張って同じ会社に入りたい、せめて近くにある会社にって思ってました。だから美緒さんに誘われた時は本当にうれしかったんです。」


「同じ会社ならわかるけど、近くの会社で話ができたかな?」

「そこは偶然を狙ってなんとか・・・・・・って思ってましたが無理だったと思います。だって全然記憶に残してもらってなかったですよね。」

それはバレてたみたいだ。

「ごめんね。そんな事が自分に起きることも考えてなかったから、まったくだった。でもあのカメラとアクセサリーを見て可愛い子が持ってたなあ、似合うなあって、そう思ったのは覚えてるよ。」


「・・・本当ですか?」


「もちろん、信じてくれないの?」

「信じたいことを信じます。」

「うん、信じて。」

「はい。」


結局その日は携帯で二人の写真を自撮りして、景色の写真は少しだけ撮って終わりにした。
風が強くなると外にいるのは寒くなる。
周りがシートを片付けると土埃も来て、同じタイミングで駅ビルに帰ることにした。


その時には大吉さん似の人の事なんてすっかり忘れてた。

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