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入学式です
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あっという間に、入学式の日を迎えました。
式は講堂で行われるそうです。
どこのクラスになるのかは、すでに寮の方に張り出されていて、私はSクラスでした。
クラスはSからDまであって、王族や高位貴族はSクラス。あとは入学の際のテストの成績順だそうです。
魔力差があると授業に差し障りがあるので、同じような魔力の生徒でクラスを構成するようです。
モーリス王国との違いに戸惑ってしまいます。
モーリス王国では、貴族しか通わない学園でしたので身分は関係なく単に成績順でした。
そのせいで、フィリップ様とは同じクラスではなかったのですが・・・
「以上で入学式を終わります」
あっ!
ついぼーっとしていて、来賓の方々や理事長校長の訓辞祝辞を全く聞いていませんでしたわ。
駄目ですわ!王太子殿下の婚約者とあろう者が、こんな無作法では。
自分のしたことの情けなさに、しょんぼりとしたまま教室に向かっていると、後ろから声をかけられました。
「ルーナ」
「殿下」
声に気づいて振り返った先にいたのは、やはりソル殿下でした。
あら?今、殿下はルーナと呼び捨てにされましたわよね。
「相変わらず、ルーナは真面目だな。でも、婚約者なんだから、いつも通りソルと呼んで欲しいな」
そう言いながら、私の手を引いて耳元に口を寄せます。
「周りへの牽制だ。仲睦まじい婚約者同士だという、ね」
小声で、周囲に聞こえないように囁かれたのは、そんな言葉でした。
確かに、突然やってきた他国の公爵令嬢が、自国の王太子殿下の婚約者になったのです。
ソル殿下の寵愛を受けたかったご令嬢方や、王家に娘を嫁がせたかった高位貴族の方々からすれば、私は降って沸いた敵でしょう。
しかも、学園内は身分制度が適用されません。
いえ。さすがに度を越した行動をすれば、学園外で問題視され処罰されますが、基本的には皆平等となっています。
特別寮の存在や、クラス分けの時点で、平等とはいかにという感じですけれど。
「ところで、僕の新入生挨拶はどうだった?」
え?え?ソル殿下が新入生挨拶をされましたの?
どうしましょう。聞いてなかったとは言えません。
困っていると、ソル殿下の顔の前にシン様が現れました。
『ソルってば顔が近い!ルーナが困ってる!』
「シン。僕とルーナは婚約者だよ?」
『婚約者でも駄目!ルーナを困らせるならアルビナと一緒にソルにお仕置きするよ!ね?アルビナ』
『そうよ、ソル。女の子を困らせるもんじゃないわ。ルーナは私たちの大切な愛し子なんだから!』
アルビナ様まで現れて、ソル殿下にお話して下さいます。
ご、ごめんなさい。困っていたのは、距離が近いからでなく、挨拶を聞いていなかったからなんです。
ですが、アルビナ様やシン様のおかげで、落ち込んでいた気持ちが少し浮上しましたわ。ありがとうございます。
式は講堂で行われるそうです。
どこのクラスになるのかは、すでに寮の方に張り出されていて、私はSクラスでした。
クラスはSからDまであって、王族や高位貴族はSクラス。あとは入学の際のテストの成績順だそうです。
魔力差があると授業に差し障りがあるので、同じような魔力の生徒でクラスを構成するようです。
モーリス王国との違いに戸惑ってしまいます。
モーリス王国では、貴族しか通わない学園でしたので身分は関係なく単に成績順でした。
そのせいで、フィリップ様とは同じクラスではなかったのですが・・・
「以上で入学式を終わります」
あっ!
ついぼーっとしていて、来賓の方々や理事長校長の訓辞祝辞を全く聞いていませんでしたわ。
駄目ですわ!王太子殿下の婚約者とあろう者が、こんな無作法では。
自分のしたことの情けなさに、しょんぼりとしたまま教室に向かっていると、後ろから声をかけられました。
「ルーナ」
「殿下」
声に気づいて振り返った先にいたのは、やはりソル殿下でした。
あら?今、殿下はルーナと呼び捨てにされましたわよね。
「相変わらず、ルーナは真面目だな。でも、婚約者なんだから、いつも通りソルと呼んで欲しいな」
そう言いながら、私の手を引いて耳元に口を寄せます。
「周りへの牽制だ。仲睦まじい婚約者同士だという、ね」
小声で、周囲に聞こえないように囁かれたのは、そんな言葉でした。
確かに、突然やってきた他国の公爵令嬢が、自国の王太子殿下の婚約者になったのです。
ソル殿下の寵愛を受けたかったご令嬢方や、王家に娘を嫁がせたかった高位貴族の方々からすれば、私は降って沸いた敵でしょう。
しかも、学園内は身分制度が適用されません。
いえ。さすがに度を越した行動をすれば、学園外で問題視され処罰されますが、基本的には皆平等となっています。
特別寮の存在や、クラス分けの時点で、平等とはいかにという感じですけれど。
「ところで、僕の新入生挨拶はどうだった?」
え?え?ソル殿下が新入生挨拶をされましたの?
どうしましょう。聞いてなかったとは言えません。
困っていると、ソル殿下の顔の前にシン様が現れました。
『ソルってば顔が近い!ルーナが困ってる!』
「シン。僕とルーナは婚約者だよ?」
『婚約者でも駄目!ルーナを困らせるならアルビナと一緒にソルにお仕置きするよ!ね?アルビナ』
『そうよ、ソル。女の子を困らせるもんじゃないわ。ルーナは私たちの大切な愛し子なんだから!』
アルビナ様まで現れて、ソル殿下にお話して下さいます。
ご、ごめんなさい。困っていたのは、距離が近いからでなく、挨拶を聞いていなかったからなんです。
ですが、アルビナ様やシン様のおかげで、落ち込んでいた気持ちが少し浮上しましたわ。ありがとうございます。
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