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断罪の終わり《ソル視点》
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モーリス王国国王陛下の崩御が、各国に知らされた。
フィリップ王子の事故死に関しては数ヶ月先になる予定だ。
父親である国王陛下の崩御にショックを受けた王子は、しばらく静養していたが、憔悴していたために階段を踏み外して亡くなったと公表される。
王妃殿下の甥である伯爵家の子息は、次男が伯爵家の嫡男となり、長男が王家に入ることとなった。
しばらくはイザヴェリ公爵家にて、王太子としての教育を受けることとなる。
もちろん、教育を終えてもすぐには為政者になれるわけではない。
イザヴェリ公爵が後見となり、様子を見ることになる。
それまでは、王妃殿下に女王として政務を行ってもらうこととなった。
それに関しては、本人が最後まで拒んでいたのだが、代わりがいないのだから仕方ない。
王妃として、責務を最後まで果たしてもらうしかない。
フィリップ王子は、最後の時まではずっと王宮地下の貴族牢で過ごしてもらう。
国王である父親の傀儡と化した彼がしようとしたことは、決して許せるものではない。
今回のモーリス王国に関した出来事について、ルーナにも話した。
彼らが自分を害しようとしていたことを知れば、ルーナは傷つくかもしれない。
だが、ルーナはいずれガラティア王国の王太子妃になる。
いずれは真実を知ることになるのだ。
ならば、僕の口から嘘偽りなく全てを話すべきだ。そう思った。
何度も王太子に殺される運命を辿る中で、ルーナにとって国王陛下と王妃殿下は救いだったらしい。
だからー
国王がルーナを傷つける行為をしようとしたこと。
王妃殿下が国王を刺殺したこと。
そして、国王の過去の罪を聞いて、ルーナは涙した。
「まさか、陛下がそのようなことをなさっていたなんて・・・王妃様は大丈夫でしょうか?」
「公爵が付いてる。それに、しなければならないことがあるうちは大丈夫だよ」
「そう・・・ですわね、お父様が付いていて下さいますものね。それで.フィリップさ・・・殿下は?」
「彼にはいずれ時期を見て、毒杯を賜ってもらうことになる」
ルーナは心を痛めるだろうか?
かつて何度も自分を殺した相手とはいえ、彼はずっとルーナの婚約者だったのだから。
「そう・・・ですか。苦しまないようで、よかったです。苦しんで亡くなったら、王妃様がお心を痛める気がしましたの」
「ルーナだって、心を痛めるだろう?」
「私は、そんな優しい人間ではありません。苦しんで亡くなればいいとは思いませんけど、悲しいとも思いません。彼は王族ですから、自分の行いには責務を負わなくてはなりません」
ルーナが強い視線で、僕と目を合わせた。
そうか。ルーナはやはり、王太子妃に相応しい人間なのだな。
王族は、時には厳しいと思われる判断も、しなければならない。
情に流されていてはいけないのだ。
フィリップ王子の事故死に関しては数ヶ月先になる予定だ。
父親である国王陛下の崩御にショックを受けた王子は、しばらく静養していたが、憔悴していたために階段を踏み外して亡くなったと公表される。
王妃殿下の甥である伯爵家の子息は、次男が伯爵家の嫡男となり、長男が王家に入ることとなった。
しばらくはイザヴェリ公爵家にて、王太子としての教育を受けることとなる。
もちろん、教育を終えてもすぐには為政者になれるわけではない。
イザヴェリ公爵が後見となり、様子を見ることになる。
それまでは、王妃殿下に女王として政務を行ってもらうこととなった。
それに関しては、本人が最後まで拒んでいたのだが、代わりがいないのだから仕方ない。
王妃として、責務を最後まで果たしてもらうしかない。
フィリップ王子は、最後の時まではずっと王宮地下の貴族牢で過ごしてもらう。
国王である父親の傀儡と化した彼がしようとしたことは、決して許せるものではない。
今回のモーリス王国に関した出来事について、ルーナにも話した。
彼らが自分を害しようとしていたことを知れば、ルーナは傷つくかもしれない。
だが、ルーナはいずれガラティア王国の王太子妃になる。
いずれは真実を知ることになるのだ。
ならば、僕の口から嘘偽りなく全てを話すべきだ。そう思った。
何度も王太子に殺される運命を辿る中で、ルーナにとって国王陛下と王妃殿下は救いだったらしい。
だからー
国王がルーナを傷つける行為をしようとしたこと。
王妃殿下が国王を刺殺したこと。
そして、国王の過去の罪を聞いて、ルーナは涙した。
「まさか、陛下がそのようなことをなさっていたなんて・・・王妃様は大丈夫でしょうか?」
「公爵が付いてる。それに、しなければならないことがあるうちは大丈夫だよ」
「そう・・・ですわね、お父様が付いていて下さいますものね。それで.フィリップさ・・・殿下は?」
「彼にはいずれ時期を見て、毒杯を賜ってもらうことになる」
ルーナは心を痛めるだろうか?
かつて何度も自分を殺した相手とはいえ、彼はずっとルーナの婚約者だったのだから。
「そう・・・ですか。苦しまないようで、よかったです。苦しんで亡くなったら、王妃様がお心を痛める気がしましたの」
「ルーナだって、心を痛めるだろう?」
「私は、そんな優しい人間ではありません。苦しんで亡くなればいいとは思いませんけど、悲しいとも思いません。彼は王族ですから、自分の行いには責務を負わなくてはなりません」
ルーナが強い視線で、僕と目を合わせた。
そうか。ルーナはやはり、王太子妃に相応しい人間なのだな。
王族は、時には厳しいと思われる判断も、しなければならない。
情に流されていてはいけないのだ。
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