嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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足掻き〜モブナノ侯爵令嬢視点〜

 王太子殿下の言葉を、必死に否定した。

 別に婚姻した王太子殿下に興味はないけど、王家から叱責されたなんて知れたら、お父様に叱られる!

 だから王家のこと口出ししたわけじゃないと訴える。

「そうよね。王家に対してでなく、ジュエル貶めたかっただけよね?」

「そ、そう・・・え?」

 その涼やかな声に同意しかけて・・・

 私は体を硬直させた。

 フレグランス・リビエラ伯爵令嬢。

 侯爵令嬢の私の方が身分は上だけど、フレグランス様は女伯爵となられる。

 当主と、ただの令嬢では天と地ほどの差がある。

「い、いえ、私は・・・」

いらないわ。自分の方が婚約者に相応しかったと思っているのでしょう?その通りだから良いわよ?あんな男、ジュエル相応しくなかったもの」

「ふ、不敬ですわ!シリウス殿下を、そんなっ・・・」

いるのよ。その上で、ジュエルに謝罪された。ジュエルはね、殿下の恋路を応援したの。五年も無駄にさせたと、陛下は謝罪して下さったわ」

 国王陛下が謝罪した相手を蔑むことは、国王陛下を蔑むことと同じ。

 私は否定するしかない。
と思ってもらわなければ、私は・・・

「ジュエルはね、いく先々でに惚れられるのよね。マクラーレン王国では王太子殿下とその婚約者、それに王弟子息に気に入られて王弟子息の婚約者にって望まれたの。エレメンタル帝国では、皇帝陛下に気に入られたらしいわ。ウェルズ様のに相応しいって」

「っ!」

 シリウス殿下の婚約者に私がなっていたとして、同じように皆んなに求められるか?

 そう言われている気がした。

 婚約者相手にされていないのに?と。

「気持ちは分からないでもないけど、誰彼構わず噛み付くのはやめなさい。貴女からすれば、伯爵令嬢より侯爵家の自分の方が身分は上なのにと思うのでしょうけど、リビエラうちが伯爵家なのはお父様が陞爵をしているからよ。表向きの身分だけ見て噛みついていたら、痛い目を見るのは自分よ」

 冷めた目で私を諭すフレグランス・リビエラ様に、隣で彼女を支える男性が小さくため息を吐く。

「大人な対応だね、フレグランス。から心配したよ」

「ジュエル大人な対応をしたのに、姉の私が怒りのままに怒鳴りつけるわけにはいかないでしょ。それに、もの」

 私はこの時のフレグランス様の言葉の意味を、後で知ることになる。

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