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15歳
最終ページ:この世界で生きてく
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闇の精霊王であるノワールと結婚して、数ヶ月経った。
来月には私は16歳になる。
アル兄様への譲位は無事に終了し、もうお任せしても大丈夫らしい。
お父様たちは、私の誕生日をお祝いしてくれてから、旅に出るそうだ。
精霊たちとの生活は、普通に快適だ。
元々、私は自分のことは自分でやるタイプだから、私専属の侍女は付けていない。
というか、何故か旦那様であるノワールが甲斐甲斐しく私の世話を焼くので、必要性を感じない。
時々、セイクレッドたちが城を訪れては、私を独占しているのが気に入らないとノワールと喧嘩している。
『夫が妻を独占して何が悪い』と、言い返しているノワールが微笑ましい。
ある意味、仲良しなのかなと思ってたら、どちらからも声を揃えて『絶対に違います』と否定された。
いや。息ぴったりじゃん。
『シエル?どうかしましたか?』
ノワールは1ヶ月ほどたった頃からようやく、吃らずにシエルと呼べるようになった。
そして、私の考えを読むのではなく、口に出して聞いてくれるようになった。
うん。コミュニケーションって大事よね。長い夫婦生活の中には、言いたくないことだってあると思う。
今のところ、夫婦喧嘩というのはしていないけど、することだってあるかもしれない。
ノワールが『大人』なので、喧嘩になるとしたら私が勝手に怒るとかかな~って思ってたけど、最近はそうでもないのかなと思い始めた。
セイクレッドたちとの言い合いもそうだけど、基本ノワールは私のことに関しては余裕がない。
それこそ死が2人を別つまで、ずっと一緒なのに、まったくもって余裕がない。
「もうすぐ、私の誕生日だなと考えていたんです」
『シエルは何か欲しいものありますか?』
「そうですね・・・旦那様との赤ちゃんでしょうか」
『!!』
あ。真っ赤になって俯いちゃった。
そう。私は結婚はしたけれど、まだ未成年?にあたるので、ノワールとのそういうことは致してないのだ。
本当なら成人してからでないと、結婚も認められない。
まぁ、私の結婚に関しては極秘事項として公表されてないし(相手が相手だから)構わないといえば構わないんだけど。
ノワールが、私の体を気遣って、そういうことはしようとしなかった。
精霊の一生は長い。
急いで子供を作る必要もない。大体、1人しか生まれないんだし。
精霊王を継ぐのは、ノワールが亡くなる時だから、むしろゆっくりの方がいいのかもしれない。
いや。別に手を繋いで眠るだけでもいいんだけど。
キスはするし、抱きしめられてるだけでいいんだけど。
ほんのちょっと思ってしまう。
ノワールは、我慢してるんじゃないのかなぁとか。
私は、ノワールのことが好きだから、ノワールに我慢とかして欲しくない。
いや。しなきゃダメなとこはしてもらうけど。
でも、私たちはもう夫婦なんだし。赤ちゃんうんぬんはともかく、夫婦の営みをしてもいいかなとか思うんだけど。
真っ赤になってしまった旦那様の頬に、チュッと口付ける。
「まぁ、もう少し先でもかまいませんけどね。新婚生活も楽しいですから」
夫婦の営みはもう少し先のことになりそうだが、概ね私は幸せだ。
きっと、この命が尽きる時まで、そう思える。
家族と、仲間と、友人と、そして愛する旦那様とこれから先も私らしく生きていく。
***end***
来月には私は16歳になる。
アル兄様への譲位は無事に終了し、もうお任せしても大丈夫らしい。
お父様たちは、私の誕生日をお祝いしてくれてから、旅に出るそうだ。
精霊たちとの生活は、普通に快適だ。
元々、私は自分のことは自分でやるタイプだから、私専属の侍女は付けていない。
というか、何故か旦那様であるノワールが甲斐甲斐しく私の世話を焼くので、必要性を感じない。
時々、セイクレッドたちが城を訪れては、私を独占しているのが気に入らないとノワールと喧嘩している。
『夫が妻を独占して何が悪い』と、言い返しているノワールが微笑ましい。
ある意味、仲良しなのかなと思ってたら、どちらからも声を揃えて『絶対に違います』と否定された。
いや。息ぴったりじゃん。
『シエル?どうかしましたか?』
ノワールは1ヶ月ほどたった頃からようやく、吃らずにシエルと呼べるようになった。
そして、私の考えを読むのではなく、口に出して聞いてくれるようになった。
うん。コミュニケーションって大事よね。長い夫婦生活の中には、言いたくないことだってあると思う。
今のところ、夫婦喧嘩というのはしていないけど、することだってあるかもしれない。
ノワールが『大人』なので、喧嘩になるとしたら私が勝手に怒るとかかな~って思ってたけど、最近はそうでもないのかなと思い始めた。
セイクレッドたちとの言い合いもそうだけど、基本ノワールは私のことに関しては余裕がない。
それこそ死が2人を別つまで、ずっと一緒なのに、まったくもって余裕がない。
「もうすぐ、私の誕生日だなと考えていたんです」
『シエルは何か欲しいものありますか?』
「そうですね・・・旦那様との赤ちゃんでしょうか」
『!!』
あ。真っ赤になって俯いちゃった。
そう。私は結婚はしたけれど、まだ未成年?にあたるので、ノワールとのそういうことは致してないのだ。
本当なら成人してからでないと、結婚も認められない。
まぁ、私の結婚に関しては極秘事項として公表されてないし(相手が相手だから)構わないといえば構わないんだけど。
ノワールが、私の体を気遣って、そういうことはしようとしなかった。
精霊の一生は長い。
急いで子供を作る必要もない。大体、1人しか生まれないんだし。
精霊王を継ぐのは、ノワールが亡くなる時だから、むしろゆっくりの方がいいのかもしれない。
いや。別に手を繋いで眠るだけでもいいんだけど。
キスはするし、抱きしめられてるだけでいいんだけど。
ほんのちょっと思ってしまう。
ノワールは、我慢してるんじゃないのかなぁとか。
私は、ノワールのことが好きだから、ノワールに我慢とかして欲しくない。
いや。しなきゃダメなとこはしてもらうけど。
でも、私たちはもう夫婦なんだし。赤ちゃんうんぬんはともかく、夫婦の営みをしてもいいかなとか思うんだけど。
真っ赤になってしまった旦那様の頬に、チュッと口付ける。
「まぁ、もう少し先でもかまいませんけどね。新婚生活も楽しいですから」
夫婦の営みはもう少し先のことになりそうだが、概ね私は幸せだ。
きっと、この命が尽きる時まで、そう思える。
家族と、仲間と、友人と、そして愛する旦那様とこれから先も私らしく生きていく。
***end***
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みんなの感想(17件)
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ノワールかノアールか気になりました!
多分、ノワールですね。もう作者にも訳わかりません😭
完結まで読ませて頂きました。
とてもとても楽しい御伽噺でしたし、読み易かったです。
最後まで読ませて頂いて有難うございました。
是非他の物語も読ませて頂きます~♪
感想ありがとうございます😊
そして、お読みいただき、ありがとうございます。
近々、新作公開予定です。
またお会いできればと思います。
楽しいです、続きをお待ちしています~!
読ませて頂いて有難うございます。
読んでいただきありがとうございます😊
更新、頑張ります!