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同じ立場

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「それ、は・・・僕は有り難いけど、姫君の方は大丈夫なのかな」

 サリフィルの問いに、ロイドは少し考え頷いた。

「妹には今好きな相手もいないと聞いているが、確認はしなきゃだな。よし。妹がオーケーと言ったら、関係者全員で集まって打ち合わせをしよう。セニヨン嬢もそれで良いだろうか?」

 どうやらロイドは、行動的?直情型?のようだ。

 決断が早いところは、好感が持てる。
ローズマリアはうだうだと迷っている間に、レオナルドに裏切られたから。

 さっさと婚約を解消していたら、あんなふうに殺されなかったかもしれない。

 いや、ローズマリアはレオナルドのことを好きだったから、婚約を解消しても魔王になっただろうか。

 でも、考えを言うならあれは単に依存だと思うんだけど。

 両親に愛されなかったから、誰か自分だけを愛して守ってくれる人を求めたというか。

 リリーシアはローズマリアを家族として愛していたと思うけど、リリーシアって本当に純粋というか、何というか、相手に悪意があっても「話し合えばきっと分かり合えるわ」って本気で言えるタイプだからなぁ。

 まぁ、いいわ。
レオナルドのこともリリーシアのことも嫌いだし、オズワルド公爵家とは縁を切った。

 あとは、何故か婚約を申し込んでくるレオナルドを回避すればいいだけ。

「はい。ですが、王女殿下に無理強いはなさらないで下さいね?他にも何か案がないか考えておきますから」

「ああ、約束する。家族との関係は良好なんだ。王族として相応しくない判断をしようとする僕を、両親も弟も妹も許した上に応援してくれている。自分の我儘のために妹を犠牲にはしないよ。あ、いや、サリフィル殿と婚約するのが犠牲というわけではない!」

「ははっ。お気になさらず。実際、僕には家を捨ててまで一緒になりたい女性がいますから、偽の婚約とはいえ王女殿下にご迷惑をかけるのです。二年後に僕がヒルデと一緒になる時には、王女殿下側から婚約破棄をしてくださって構いませんから」

 サリフィルがそう言って笑うと、ロイドも安心したように笑った。

「ありがとう。今回の件が片付いたら、今度は共犯者ではなく友人として付き合ってくれ」

「有り難いお言葉ですが、僕は男爵家に婿入りか、もしくは平民になるのです。王太子殿下になられるロイド殿下とは雲泥の差があります」

「身分なんて関係ないさ。それを言うなら、ちゃんと身分のある令嬢を婚約者にするべきだ。好きなものは好き。僕はそう生きたいと思っている。僕の考えは王族に相応しくない。弟が立太子すれば、僕も子爵家に婿入りだ。立場は同じさ」

 そう。
二人とも私と同じ立場だ。
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