陽だまりに廻る赤

 十歳の僕が見ていたものは
 幻か、陽だまりか
 どちらだったのだろうかと
 未だに思い返してしまうのは

 壁いっぱいの窓から降り注ぐ
 春の始まりの光

 僕が全身で好きだったものが
 その空間に溶けて
 光の粒になっていたからだ

 高い本棚に守られた図書館と
 もうすぐ制服を卒業するお姉さん
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,445 位 / 184,445件 恋愛 56,089 位 / 56,089件

処理中です...