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プロローグ
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悲鳴と反逆者達と剣で戦う音が城に響き渡る。
「ハァハァ……」
「お急ぎください!父上、母上!!出口はすぐそこです!」
皇族だけが知る緊急時の通路を皇帝と皇后、皇子はわずかな護衛を連れて走っていた。
やっとのことで辿り着いた出口の先には、剣を持って待ち構えている者達がいた。
その者達の先頭にいる見覚えのある人物に、皇子は目を見開いた
「テオドア……?」
城で反逆者達と戦っているはずの騎士団長であるテオドアが、こんな所にいるはずがない。
皇子の目はそう物語っていた。
「よくぞ参った!そなた達よ反逆者達から我々を守ってくれ!!」
皇帝は仰々しく手を大きく開き、テオドアの登場を歓迎する。
驚く皇子と皇帝を無視して、テオドアは皇子の後ろに立つ護衛を見た。
「ご苦労だった」
「ハッ」
テオドアの言葉に、皇族をここまで守っていた護衛達はテオドアの後ろへと整列した。
守るべき皇族から離れる護衛達に、皇子は全てを理解した。
「反逆はお前の仕業なのか?」
「皇子殿下。私の大切な方がそう望まれたのです」
「大切な方??」
「あの方が幸せになるには、あなたは必要ない」
テオドアは刃の切っ先を躊躇うことなく、皇子へと向けた。
「テオドア、やめてくれ!!僕と君の仲じゃないか!!」
皇子はテオドアの幼馴染であり、かつての護衛対象だった。
皇子の命乞いにテオドアは表情を変えることなく、冷たい目で見ている。
皇子が少しでも変な動きをすれば、切り捨てるような一触即発の空気に、清らかな声が割って入る。
「無様な姿ですね……。皇子殿下」
騎士達の後ろから現れたのは、国を繁栄に導くために召喚された聖女だった。
「どうして、ハルがここに……」
「テオドア様ありがとうございます」
皇子の言葉を無視して、ハルと呼ばれた聖女は皇子へと刃を向けるテオドアの腕に触れ、腕を下ろさせた。
聖女は前に出ると、沈黙する皇帝へと視線を向けた。
「陛下に聞きたいことがあるのです」
「わしに何が聞きたい。聖女よ」
騎士達に囲まれているにも関わらず、落ち着いた口調で話す皇帝の目を真っ直ぐと見て、聖女は口を開いた。
「私は……何番目ですか?」
聖女の言葉に皇帝は口角を吊り上げて、不気味な笑顔を浮かべた。
「ハァハァ……」
「お急ぎください!父上、母上!!出口はすぐそこです!」
皇族だけが知る緊急時の通路を皇帝と皇后、皇子はわずかな護衛を連れて走っていた。
やっとのことで辿り着いた出口の先には、剣を持って待ち構えている者達がいた。
その者達の先頭にいる見覚えのある人物に、皇子は目を見開いた
「テオドア……?」
城で反逆者達と戦っているはずの騎士団長であるテオドアが、こんな所にいるはずがない。
皇子の目はそう物語っていた。
「よくぞ参った!そなた達よ反逆者達から我々を守ってくれ!!」
皇帝は仰々しく手を大きく開き、テオドアの登場を歓迎する。
驚く皇子と皇帝を無視して、テオドアは皇子の後ろに立つ護衛を見た。
「ご苦労だった」
「ハッ」
テオドアの言葉に、皇族をここまで守っていた護衛達はテオドアの後ろへと整列した。
守るべき皇族から離れる護衛達に、皇子は全てを理解した。
「反逆はお前の仕業なのか?」
「皇子殿下。私の大切な方がそう望まれたのです」
「大切な方??」
「あの方が幸せになるには、あなたは必要ない」
テオドアは刃の切っ先を躊躇うことなく、皇子へと向けた。
「テオドア、やめてくれ!!僕と君の仲じゃないか!!」
皇子はテオドアの幼馴染であり、かつての護衛対象だった。
皇子の命乞いにテオドアは表情を変えることなく、冷たい目で見ている。
皇子が少しでも変な動きをすれば、切り捨てるような一触即発の空気に、清らかな声が割って入る。
「無様な姿ですね……。皇子殿下」
騎士達の後ろから現れたのは、国を繁栄に導くために召喚された聖女だった。
「どうして、ハルがここに……」
「テオドア様ありがとうございます」
皇子の言葉を無視して、ハルと呼ばれた聖女は皇子へと刃を向けるテオドアの腕に触れ、腕を下ろさせた。
聖女は前に出ると、沈黙する皇帝へと視線を向けた。
「陛下に聞きたいことがあるのです」
「わしに何が聞きたい。聖女よ」
騎士達に囲まれているにも関わらず、落ち着いた口調で話す皇帝の目を真っ直ぐと見て、聖女は口を開いた。
「私は……何番目ですか?」
聖女の言葉に皇帝は口角を吊り上げて、不気味な笑顔を浮かべた。
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