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第5話 現実の恋愛は、恋愛小説より奇なり? ( 前 )
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ロクサーヌはいつも通り食堂へ向かった。
クライスト公爵家には当主のトラガス・クライスト公爵の他にロクサーヌの母のマドレーヌ、長男のカイゼルがいるが、カイゼルは騎士団へ配属された際、寮住まいを選択したため、この邸にはいなかった。
食堂には母マドレーヌがいたのみだった。
「ごきげんよう。お母様。お父様は?」
「ごきげんよう。ロクサーヌ。それがもう少し長引きそうなんですって」
父トラガスは王宮で文官として勤めており、多忙なのか夕食に間に合わないことがあった。
「仕方がないわね。先に済ませましょう」
マドレーヌはロクサーヌとは違い、白金の髪をしており、瞳も淡い緑色をしていた。
「はい。お母様」
暫くは静かな時が流れた。
食事の時間は多忙なトラガスが居る時以外は殆ど会話はしないことになっている。
仲が悪いという訳ではなくクライスト公爵家では暗黙の了解になっているだけで、どうしても伝えなければならないことがある時以外は特に口を開くことはない。
この習慣を利用してロクサーヌは先ほどの恋愛小説の場面を思い返し、つとそれを現在の婚約者へ当ててみた。
――甘やかな目でこちらを見つめるダルロ。
――他の男性と話しているとすぐに寄って来て、あれは何だったのだ、と問い詰めるダルロ。
――卒業するまで待ちきれない、と話すダルロ……。
(ないわね)
すっぱりと頭の中で結論が出た時、マドレーヌがこちらを向いた。
「どうしたの?」
「いえ、何でもありません」
即座に答えたが何かが引っ掛かったのだろう。
「そう? 何だか不思議な顔をしていたわよ?」
「不思議な顔、ですか?」
「ええ、まるで珍獣でも見付けたような顔をしてたわ」
(……珍獣)
確かにそうかもしれない。
それほどまでにダルロがロクサーヌ相手に柔らかな表情を見せることはなかったのだ。
(もう諦めた方がいいのかもしれないわね)
夕食後、ロクサーヌは自室でもう一度先ほどの恋愛小説を開いていた。
最初は冷たかったのにだんだんと態度が軟化して行くジーク。
主人公の頑張りもあっただろうが、つい思ってしまう。
(理不尽だわ)
現実はここまで緩やかではない。
勿論ロクサーヌとて手をこまねいていた訳ではない。
何とか婚約者と話せたら、と何度も話し掛けた。
王宮で何度か講義が一緒になった際、教師達は優秀なロクサーヌを褒め、ダルロに発破を掛けていたがそれは彼には逆効果だった。
だからそれとなく機会を見付けて言ったのだ。
『もしよろしければ一緒に今日の授業の復習をなさいませんか?』
ロクサーヌの時間も限られているが、それは後で考えればいい。
その時のダルロはそれほどに追い詰められているように見えたのだ。
だが、
『無用だ』
視線も合わせずに断られてしまった。
『そうですか。分かりました』
それでもダルロの心情に寄り添いたかったロクサーヌはその後も声を掛けた。
『今はそうでもこれから追い付けばきっと大丈夫ですよ』
『先生方があんなふうに仰るのはダルロ様がやればできる方だと思っているからですよ』
何度も考えて掛けた言葉はダルロに一蹴された。
『は? やればできるだと? お前は俺が怠けているとでも言うつもりか?』
『決してそんなつもりでは――』
『もういい。俺に話し掛けるな』
何故か最後にはそうなってしまう。
(物語みたいには行かないわね)
最初はつれなくてもだんだんと絆されて仲が進む。
やはりそれは作り事の世界のことなのだろうか。
(現実にないからきっと売れるんだわ)
翌日、放課後になるのを待ってロクサーヌは進路相談準備室へ来ていた。
昨日ケイトから借りた恋愛小説を返すためである。
この時期、ロクサーヌは珍しく暇を持て余していた。
本来ならば王子妃教育が終わっても更に復習を、と王宮からは勧められていたのだがクライスト公爵がやんわりと断りを入れてくれたのである。
ロクサーヌは卒業後、挙式を挙げることになっていた。
そのため、残された期間を家族との時間に充てたい、と言ってくれたらしい。
らしい、というのはなかなか父親であるクライスト公爵と話す時間が取れないからである。
もともとが忙しい文官なのだから仕方がないことかもしれない。
(本末転倒ね)
準備室、ということでここには進路関係の資料――騎士団の入団要項や上流階級の貴族の侍女になるための必須事項等――が本棚に所蔵されていた。
本棚がずらりと並ぶ様は一種壮観でもある。
位置的に本棚は進路相談室の側に並んでおり、よく見ると上の壁がなかった。
(……もしかして向こうと繋がっている?)
不思議な作りだ、と思いながらも何とはなしに背表紙を追っているうちに扉が叩かれ、ケイトが顔を見せた。
「失礼します。あ、クライスト公爵令嬢、昨日ぶりです」
「ええ。でもケイト――」
淑女教育で身に付けた笑みでにっこりと微笑んで見せるとケイトの顔が目に見えて引きつったようだった。
「え、と。……ロクサーヌ様」
「ケイト?」
「勘弁して下さい~~っ!! ロクサーヌ様~~っ!!」
どうやらここまでのようだった。
仕方がない、というふうにロクサーヌは頷き、話を進めた。
「まあ、今はそれでいいことにしましわ。これ、有り難う。とても興味深かったわ」
本を取り出すとケイトは、
「もうお読みになられたんですかっ!!」
わくわくと感想を待っている様は子リスを連想させた。
本を渡すとケイトは大事そうに一旦抱えてから鞄に入れた。
「やっぱりロクサーヌ様には簡単でしたよね」
「いいえ。とても面白かったわ。これまで読んだことのないお話しでしたもの」
するとケイトが目に見えてしゅん、とした。
「すみません。こんなものをお貸ししてしまって。やっぱりロクサーヌ様にはこんな子供だましの話なんて」
「あら、そんなことないわ。とても興味深かったと言ったでしょう? 『たとえ君がどんな人だったろうとも君への気持ちに変わりはない』だったかしら? 素敵な言葉よね」
これは主人公が自分に前世の記憶があることを打ち明けた際の台詞である。
主人公が男爵令嬢にしては有り得ないほどの礼儀作法を見に付けていることに対して恋人が違和感を感じているのを知って、逡巡した後主人公が打ち明けたのだ。
物語はそこから更に佳境に入り、溺愛度が増していく。
読者にとってはとても嬉しい展開である。
(夢だわね)
そんなにどこまでも都合のいい恋人がいるのだろうか。
現実で散々裏切られて来たロクサーヌには正に絵物語に思えたが、読んでいて気分は良い。
もし本当にこんな恋人が居たなら争奪戦でとんでもないことになりそうだった。
そんなロクサーヌの思惑も知らずケイトがたちまちのうちに目を輝かせた。
「そうですよねっ!! あの場面もとってもどきどきしたんですけど、私はやっぱりあの校門の場面がいいですっ!!」
その言葉にロクサーヌは思考を巡らせる。
(校門というと――ああ)
「「お姫様だっこ(っ!!)」」
嫉妬に駆られた女子生徒に押されて転びそうになった主人公を抱き上げた恋人の場面を思い返してロクサーヌは苦笑を堪えた。
(やっぱりそういうのが人気なのね)
とても心惹かれる展開だったが現実には有り得ない。
以前の記憶がロクサーヌの胸を突いた。
『は? それくらい自分で起き上がれ』
まだ子供の頃、王宮の廊下で転んだロクサーヌに怒鳴りつけた婚約者。
侍従が取り成して何とか手を伸べてくれたが、こちらを睨みつけながらされても全然有り難くなかった。
結局、ロクサーヌは自力で起きあがり、手を伸べてくれた礼を述べるだけに留めた。
「あの氷の貴公子が人前であんなに独占欲を見せるだなんで、もうわくわくというかどきどきして更にあの台詞も――」
ケイトはロクサーヌも同調しくれたと思ったらしく止めどなく話し出そうとしていたが、そこに第三者の声が掛かった。
「随分と楽しそうだね」
クライスト公爵家には当主のトラガス・クライスト公爵の他にロクサーヌの母のマドレーヌ、長男のカイゼルがいるが、カイゼルは騎士団へ配属された際、寮住まいを選択したため、この邸にはいなかった。
食堂には母マドレーヌがいたのみだった。
「ごきげんよう。お母様。お父様は?」
「ごきげんよう。ロクサーヌ。それがもう少し長引きそうなんですって」
父トラガスは王宮で文官として勤めており、多忙なのか夕食に間に合わないことがあった。
「仕方がないわね。先に済ませましょう」
マドレーヌはロクサーヌとは違い、白金の髪をしており、瞳も淡い緑色をしていた。
「はい。お母様」
暫くは静かな時が流れた。
食事の時間は多忙なトラガスが居る時以外は殆ど会話はしないことになっている。
仲が悪いという訳ではなくクライスト公爵家では暗黙の了解になっているだけで、どうしても伝えなければならないことがある時以外は特に口を開くことはない。
この習慣を利用してロクサーヌは先ほどの恋愛小説の場面を思い返し、つとそれを現在の婚約者へ当ててみた。
――甘やかな目でこちらを見つめるダルロ。
――他の男性と話しているとすぐに寄って来て、あれは何だったのだ、と問い詰めるダルロ。
――卒業するまで待ちきれない、と話すダルロ……。
(ないわね)
すっぱりと頭の中で結論が出た時、マドレーヌがこちらを向いた。
「どうしたの?」
「いえ、何でもありません」
即座に答えたが何かが引っ掛かったのだろう。
「そう? 何だか不思議な顔をしていたわよ?」
「不思議な顔、ですか?」
「ええ、まるで珍獣でも見付けたような顔をしてたわ」
(……珍獣)
確かにそうかもしれない。
それほどまでにダルロがロクサーヌ相手に柔らかな表情を見せることはなかったのだ。
(もう諦めた方がいいのかもしれないわね)
夕食後、ロクサーヌは自室でもう一度先ほどの恋愛小説を開いていた。
最初は冷たかったのにだんだんと態度が軟化して行くジーク。
主人公の頑張りもあっただろうが、つい思ってしまう。
(理不尽だわ)
現実はここまで緩やかではない。
勿論ロクサーヌとて手をこまねいていた訳ではない。
何とか婚約者と話せたら、と何度も話し掛けた。
王宮で何度か講義が一緒になった際、教師達は優秀なロクサーヌを褒め、ダルロに発破を掛けていたがそれは彼には逆効果だった。
だからそれとなく機会を見付けて言ったのだ。
『もしよろしければ一緒に今日の授業の復習をなさいませんか?』
ロクサーヌの時間も限られているが、それは後で考えればいい。
その時のダルロはそれほどに追い詰められているように見えたのだ。
だが、
『無用だ』
視線も合わせずに断られてしまった。
『そうですか。分かりました』
それでもダルロの心情に寄り添いたかったロクサーヌはその後も声を掛けた。
『今はそうでもこれから追い付けばきっと大丈夫ですよ』
『先生方があんなふうに仰るのはダルロ様がやればできる方だと思っているからですよ』
何度も考えて掛けた言葉はダルロに一蹴された。
『は? やればできるだと? お前は俺が怠けているとでも言うつもりか?』
『決してそんなつもりでは――』
『もういい。俺に話し掛けるな』
何故か最後にはそうなってしまう。
(物語みたいには行かないわね)
最初はつれなくてもだんだんと絆されて仲が進む。
やはりそれは作り事の世界のことなのだろうか。
(現実にないからきっと売れるんだわ)
翌日、放課後になるのを待ってロクサーヌは進路相談準備室へ来ていた。
昨日ケイトから借りた恋愛小説を返すためである。
この時期、ロクサーヌは珍しく暇を持て余していた。
本来ならば王子妃教育が終わっても更に復習を、と王宮からは勧められていたのだがクライスト公爵がやんわりと断りを入れてくれたのである。
ロクサーヌは卒業後、挙式を挙げることになっていた。
そのため、残された期間を家族との時間に充てたい、と言ってくれたらしい。
らしい、というのはなかなか父親であるクライスト公爵と話す時間が取れないからである。
もともとが忙しい文官なのだから仕方がないことかもしれない。
(本末転倒ね)
準備室、ということでここには進路関係の資料――騎士団の入団要項や上流階級の貴族の侍女になるための必須事項等――が本棚に所蔵されていた。
本棚がずらりと並ぶ様は一種壮観でもある。
位置的に本棚は進路相談室の側に並んでおり、よく見ると上の壁がなかった。
(……もしかして向こうと繋がっている?)
不思議な作りだ、と思いながらも何とはなしに背表紙を追っているうちに扉が叩かれ、ケイトが顔を見せた。
「失礼します。あ、クライスト公爵令嬢、昨日ぶりです」
「ええ。でもケイト――」
淑女教育で身に付けた笑みでにっこりと微笑んで見せるとケイトの顔が目に見えて引きつったようだった。
「え、と。……ロクサーヌ様」
「ケイト?」
「勘弁して下さい~~っ!! ロクサーヌ様~~っ!!」
どうやらここまでのようだった。
仕方がない、というふうにロクサーヌは頷き、話を進めた。
「まあ、今はそれでいいことにしましわ。これ、有り難う。とても興味深かったわ」
本を取り出すとケイトは、
「もうお読みになられたんですかっ!!」
わくわくと感想を待っている様は子リスを連想させた。
本を渡すとケイトは大事そうに一旦抱えてから鞄に入れた。
「やっぱりロクサーヌ様には簡単でしたよね」
「いいえ。とても面白かったわ。これまで読んだことのないお話しでしたもの」
するとケイトが目に見えてしゅん、とした。
「すみません。こんなものをお貸ししてしまって。やっぱりロクサーヌ様にはこんな子供だましの話なんて」
「あら、そんなことないわ。とても興味深かったと言ったでしょう? 『たとえ君がどんな人だったろうとも君への気持ちに変わりはない』だったかしら? 素敵な言葉よね」
これは主人公が自分に前世の記憶があることを打ち明けた際の台詞である。
主人公が男爵令嬢にしては有り得ないほどの礼儀作法を見に付けていることに対して恋人が違和感を感じているのを知って、逡巡した後主人公が打ち明けたのだ。
物語はそこから更に佳境に入り、溺愛度が増していく。
読者にとってはとても嬉しい展開である。
(夢だわね)
そんなにどこまでも都合のいい恋人がいるのだろうか。
現実で散々裏切られて来たロクサーヌには正に絵物語に思えたが、読んでいて気分は良い。
もし本当にこんな恋人が居たなら争奪戦でとんでもないことになりそうだった。
そんなロクサーヌの思惑も知らずケイトがたちまちのうちに目を輝かせた。
「そうですよねっ!! あの場面もとってもどきどきしたんですけど、私はやっぱりあの校門の場面がいいですっ!!」
その言葉にロクサーヌは思考を巡らせる。
(校門というと――ああ)
「「お姫様だっこ(っ!!)」」
嫉妬に駆られた女子生徒に押されて転びそうになった主人公を抱き上げた恋人の場面を思い返してロクサーヌは苦笑を堪えた。
(やっぱりそういうのが人気なのね)
とても心惹かれる展開だったが現実には有り得ない。
以前の記憶がロクサーヌの胸を突いた。
『は? それくらい自分で起き上がれ』
まだ子供の頃、王宮の廊下で転んだロクサーヌに怒鳴りつけた婚約者。
侍従が取り成して何とか手を伸べてくれたが、こちらを睨みつけながらされても全然有り難くなかった。
結局、ロクサーヌは自力で起きあがり、手を伸べてくれた礼を述べるだけに留めた。
「あの氷の貴公子が人前であんなに独占欲を見せるだなんで、もうわくわくというかどきどきして更にあの台詞も――」
ケイトはロクサーヌも同調しくれたと思ったらしく止めどなく話し出そうとしていたが、そこに第三者の声が掛かった。
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