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「はぁーーーーーーっ……」
ドサッ。
アパートに帰り着いた瞬間、僕は小さなシングルベッドの上に体を放り投げた。
「つっ……疲れたぁ……」
今夜ばかりは本当に本当に疲れた。もうグッタリだ。いつものように空気になって皆にドリンクや料理だけ配っていようと思っていたのに……、よりにもよって、あの人の席で捕まってしまうなんて。
相良響さん。うちのような中小企業の取引先の中では最大手の超ビップなお客様な上に、その中でもトップのすごいエリート営業マンの方だ。いつも女子社員さんたちが素敵すぎるカッコよすぎるって騒いでいて、お名前を聞かない日はないくらい。今夜の食事会が決まった時もそれはもう、皆すごい勢いではしゃいでいた。どうしよう、何着ていく?服買わなきゃ!あー喋れるかなー、隣座りたーい、などなど。
まさか、その人の席に行った途端にあんなに話しかけられるなんて思ってもみなくて。
あんなすごいイケメンを間近で見たのは初めてで、もう緊張して緊張して……。背が高くて、ものすごく整った顔立ちで、少し上がった目尻は思わずドキドキしてしまうくらいに色っぽかった。ついに連絡先まで交換してしまって、ようやくお席を離れた時にはもう背中が汗でびっしょりだった。
「はぁ……疲れた……。カッコよかったけど……」
もうこんな緊張は一晩だけで充分なんだけど、なぜだか流れで連絡先を交換してしまった…。どうか社交辞令でありますように…。本当に連絡が来たら緊張で吐いてしまうかもしれない。
僕は気力を振り絞ってヨロヨロと起き上がった。あんなに汗かいたのに、お風呂も入らずに眠るなんてできない。せめてシャワーだけでも浴びよう…。本当はお湯を溜めるのが好きなんだけど、今夜はそんなことよりも早くベッドに入って眠りたかった。
「ふぅ…」
シャワーを浴びてようやく気持ちが落ち着いた僕は、バスタオルでぽふぽふと髪を拭きながら部屋に戻ってきた。
「ん?」
スマホが点滅しているのに気が付き、手に取る。誰かから何か連絡が来ているのかもしれない。それかダイレクトメールかな。
「……。……ひ?!」
思わず変な声が出る。あ、あ、あの人だ。相良さんだ。社交辞令だと思ったのに、もうラインが来てしまった…。緊張で心臓がバクバクし始めた。どっ、どうしよう…。見てしまったらすぐに返信しないといけない。あんな人から来たラインに既読をつけてそのまましばらく放置するなんて、なんか、ものすごく、お、恐れ多いっていうか……。な、なんて書いてあるんだろう……。
「あ……あぁっ!!」
思わず悲痛な叫びを上げてしまった。指が震えてラインを開いちゃった。あぁっ……何をやってるんだ僕は……!
『今日はお疲れ。明日か明後日、暇だったら出てこれる?』
「…………え……う、うそ……」
どうしよう。本当に誘われてしまった。咄嗟に、嫌だ、と思ってしまう。失礼ながら…。だってなんか、あの人といるとものすごく緊張してしまって……。超大手の取引先の、その中でもすごいエリートのイケメンさんだよ?無理だよ、プライベートで二人で会うなんて。思わず断り文句を考える。明日は……、い、忙しい、とか?いや、週末はのんびり過ごしてる話をさっきしてしまったばっかりだ。どっ、どうしよう。なんか、体調が悪くなったことに、する……?いや、ダメだよね。わざとらしすぎる。さっきまで元気だったのに。
うーん。うーーーん……!
ダメだ。焦りすぎて何も思いつかない。もういっそ、はい行きますって返事する?でも、でもなぁ……!
……あぁぁぁダメだ!時間がかかりすぎてる!もう向こうは既読になってることに気付いているかもしれない。返事を待ってるかも。やけに遅いな……とか思ってふ、不愉快に思われていたら……!僕の分際で、あんなハイクラスな方を待たせるなんて……!
『はい!大丈夫です。ありがとうございます』
(あぁぁぁ……!送ってしまったぁぁぁ……!)
シャワーを浴びたばかりだというのにまた変な汗がドッと出た。
どうしよう。どうしよう。わざわざあんなハイクラスイケメンと、ふ、二人で、休日に出かけることになってしまった……!年上の……取引先の……。本当に緊張で吐き気がしてきた。な、何するんだろう。本当に映画に行くのかな。あ!そうだ!近所に何があるのかとか案内してほしいって言われてたんだっけ!僕もそんなに詳しくないんだ、あまり出歩かないから……。し、調べておかなきゃ。どうか、お願いします神様。ランチぐらいで終わってすぐに解散になりますように……!何かやらかして相良さんを怒らせたりしませんように……!
何せ気が弱くて内気な僕だ。あまりにもハードルが高い。あんな人と、二人で…。なんでわざわざ僕なんだろう。あの人なら僕なんかじゃなくて、もっと、ほら、素敵な女性とかがいくらでも一緒に出かけてくれるはずなのに……。
僕は心底緊張しきっていて、正直この週末が憂鬱で仕方がなかった。
ドサッ。
アパートに帰り着いた瞬間、僕は小さなシングルベッドの上に体を放り投げた。
「つっ……疲れたぁ……」
今夜ばかりは本当に本当に疲れた。もうグッタリだ。いつものように空気になって皆にドリンクや料理だけ配っていようと思っていたのに……、よりにもよって、あの人の席で捕まってしまうなんて。
相良響さん。うちのような中小企業の取引先の中では最大手の超ビップなお客様な上に、その中でもトップのすごいエリート営業マンの方だ。いつも女子社員さんたちが素敵すぎるカッコよすぎるって騒いでいて、お名前を聞かない日はないくらい。今夜の食事会が決まった時もそれはもう、皆すごい勢いではしゃいでいた。どうしよう、何着ていく?服買わなきゃ!あー喋れるかなー、隣座りたーい、などなど。
まさか、その人の席に行った途端にあんなに話しかけられるなんて思ってもみなくて。
あんなすごいイケメンを間近で見たのは初めてで、もう緊張して緊張して……。背が高くて、ものすごく整った顔立ちで、少し上がった目尻は思わずドキドキしてしまうくらいに色っぽかった。ついに連絡先まで交換してしまって、ようやくお席を離れた時にはもう背中が汗でびっしょりだった。
「はぁ……疲れた……。カッコよかったけど……」
もうこんな緊張は一晩だけで充分なんだけど、なぜだか流れで連絡先を交換してしまった…。どうか社交辞令でありますように…。本当に連絡が来たら緊張で吐いてしまうかもしれない。
僕は気力を振り絞ってヨロヨロと起き上がった。あんなに汗かいたのに、お風呂も入らずに眠るなんてできない。せめてシャワーだけでも浴びよう…。本当はお湯を溜めるのが好きなんだけど、今夜はそんなことよりも早くベッドに入って眠りたかった。
「ふぅ…」
シャワーを浴びてようやく気持ちが落ち着いた僕は、バスタオルでぽふぽふと髪を拭きながら部屋に戻ってきた。
「ん?」
スマホが点滅しているのに気が付き、手に取る。誰かから何か連絡が来ているのかもしれない。それかダイレクトメールかな。
「……。……ひ?!」
思わず変な声が出る。あ、あ、あの人だ。相良さんだ。社交辞令だと思ったのに、もうラインが来てしまった…。緊張で心臓がバクバクし始めた。どっ、どうしよう…。見てしまったらすぐに返信しないといけない。あんな人から来たラインに既読をつけてそのまましばらく放置するなんて、なんか、ものすごく、お、恐れ多いっていうか……。な、なんて書いてあるんだろう……。
「あ……あぁっ!!」
思わず悲痛な叫びを上げてしまった。指が震えてラインを開いちゃった。あぁっ……何をやってるんだ僕は……!
『今日はお疲れ。明日か明後日、暇だったら出てこれる?』
「…………え……う、うそ……」
どうしよう。本当に誘われてしまった。咄嗟に、嫌だ、と思ってしまう。失礼ながら…。だってなんか、あの人といるとものすごく緊張してしまって……。超大手の取引先の、その中でもすごいエリートのイケメンさんだよ?無理だよ、プライベートで二人で会うなんて。思わず断り文句を考える。明日は……、い、忙しい、とか?いや、週末はのんびり過ごしてる話をさっきしてしまったばっかりだ。どっ、どうしよう。なんか、体調が悪くなったことに、する……?いや、ダメだよね。わざとらしすぎる。さっきまで元気だったのに。
うーん。うーーーん……!
ダメだ。焦りすぎて何も思いつかない。もういっそ、はい行きますって返事する?でも、でもなぁ……!
……あぁぁぁダメだ!時間がかかりすぎてる!もう向こうは既読になってることに気付いているかもしれない。返事を待ってるかも。やけに遅いな……とか思ってふ、不愉快に思われていたら……!僕の分際で、あんなハイクラスな方を待たせるなんて……!
『はい!大丈夫です。ありがとうございます』
(あぁぁぁ……!送ってしまったぁぁぁ……!)
シャワーを浴びたばかりだというのにまた変な汗がドッと出た。
どうしよう。どうしよう。わざわざあんなハイクラスイケメンと、ふ、二人で、休日に出かけることになってしまった……!年上の……取引先の……。本当に緊張で吐き気がしてきた。な、何するんだろう。本当に映画に行くのかな。あ!そうだ!近所に何があるのかとか案内してほしいって言われてたんだっけ!僕もそんなに詳しくないんだ、あまり出歩かないから……。し、調べておかなきゃ。どうか、お願いします神様。ランチぐらいで終わってすぐに解散になりますように……!何かやらかして相良さんを怒らせたりしませんように……!
何せ気が弱くて内気な僕だ。あまりにもハードルが高い。あんな人と、二人で…。なんでわざわざ僕なんだろう。あの人なら僕なんかじゃなくて、もっと、ほら、素敵な女性とかがいくらでも一緒に出かけてくれるはずなのに……。
僕は心底緊張しきっていて、正直この週末が憂鬱で仕方がなかった。
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