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美晴の手料理で最高の夕食が終わり、俺が入れたコーヒーで用意してきてくれたデザートを食べる。ほろ苦い甘さ控えめのチョコレートタルトだ。これもお手製だというから驚く。ローテーブルに置かれたタルトをつまみながら、ゆったりとした大きさのソファーに並んでくつろぐ。
「いやすげぇよお前。本当に美味かったよどれもこれも」
「本当ですか?よかったぁ、喜んでもらえて」
美晴は心底嬉しそうにニコニコ笑っている。抱きしめたくなる健気さだ。俺はさっきからだんだんと自分を抑えるのに苦心しはじめていた。
「鍋だけでよかったのに、まさか家からもこんなにいろいろ作って持ってきてるとはな……お前いい嫁さんになるよ」
(俺の)
「ふふ。今日は夕方集合で時間あったから。響さんに気に入ってもらえたなら、これからは時々僕に手料理で普段のお礼をさせてくださいね」
可愛い笑顔で可愛いことばかり言う美晴。…こいつ本当に自覚ねぇのかな。自分がどれだけ可愛いのか。俺がどれだけこいつにメロメロになっているのか。
さっきの食事中に少し酒が入ったもんだから、ますます俺のテンションがおかしな方向にいっている気がする。美晴の頬もわずかなアルコールだけで上気したように染まっていて色っぽい。妙なむず痒さを感じ、俺は酒を飲んだことを少し後悔していた。止めておくべきだったか。
「…これからも作りに来てくれんのか」
「はいっ。もちろん。だっていつも僕がご馳走になってばかりなんだもん。こうやって僕も響さんを喜ばせられるなら嬉しいです」
「…………そうか。嬉しいよ」
(……あ、なんかヤバいなマジで)
ダメだと分かっているはずなのに、少し長く見つめてしまう。意味ありげな態度は絶対ダメだろ。まだ早い。美晴が俺に少しでも気がある素振りをすれば話は別だが、このピュアすぎる鈍感野郎には今のところそんな気配は全くない。
はずだ。
「……。」
「……?…どうしたんですか?響さん。酔ってます?」
ちょこんと小首をかしげるその仕草さえ、俺に甘えているんじゃないか、なんて、都合の良い方に考えてしまう。違うだろ。たぶん。
落ち着け。冷静になれ。
「……は。酔うわけねぇだろ俺があんな量で」
「ふふ。強そうですもんね、お酒。僕はすごい弱いです」
「…顔見りゃ分かるよ」
頬が赤く色づいて、瞳が潤んでる。純真無垢なこいつだからこそ、凶悪な色気だ。ゴクリ、と喉が鳴った。たまらず俺は手の甲でその頬に触れてみた。
「っ!」
「…ほらな、やっぱり熱い」
美晴の肩がピクッと上がったので慌てて手を離す。……何やってるんだ俺は。もう止めろ。
だがほんのわずかに触れたその肌の滑らかさに、俺の欲はますます掻き立てられてしまった。
「びっ、びっくりした。やっぱり赤いですか?いつもすぐ赤くなっちゃうんですよねぇ」
「ああ。そうしてるとますます可愛いなお前」
「ま、またそんなこと言う……」
(……あ。言っちまった)
何をやってるんだ俺は。よせ。一旦離れないと、……これはマジでヤバい。
「もう22時ですね。僕これ食べたら今日はもう失礼しますね。電車で帰りますから、響さんはもうゆっくりしててください」
「…………別に明日日曜なんだから、そんな急ぐことねぇだろ」
「や、急いでませんけど、だってもう遅いし」
「泊まってけば?」
(……っ!しまった…。俺、何言って……)
「えぇ?でもさすがにそれはなんか申し訳ないですよ」
「…別にいいだろ。部屋なら余ってるし、布団もあるし。……一緒に寝てもいいぞ、俺のベッドで」
「あははっ!添い寝ですか、響さんと」
(もういい。もう止めろ。これ以上はマジでダメだ)
頭の中でサイレンが鳴る。百戦錬磨の俺の勘がダメだと言ってるんだ。暴走したらマジで一生後悔するハメになるぞ。
分かっているのに、だけど目の前の美晴はあまりにも可愛くて、色っぽくて…………
この俺に限って、絶対にやってはいけない過ちを犯した。
些細な相手の言動を自分にとって都合良く解釈するという、過ちを。
「……ダメなのかよ」
「ダメじゃないんでしょうけど。ふふ」
「…………。」
「……。」
笑い声の後に、ほんの一瞬できた沈黙。
その瞬間、美晴は俺の目を見ていた。俺ももちろん、美晴を見つめていて。
(…………美晴……っ)
その一瞬に深い意味なんて全くなかったはずなのに。
いつもの恋愛ごっこの時のような、相手がわざと見せてくるあの手の隙とは全然違ったはずなのに。
何の確証もないまま、俺は湧き上がる欲望のままに強引に腕を引き寄せ、美晴の唇を奪った。
「いやすげぇよお前。本当に美味かったよどれもこれも」
「本当ですか?よかったぁ、喜んでもらえて」
美晴は心底嬉しそうにニコニコ笑っている。抱きしめたくなる健気さだ。俺はさっきからだんだんと自分を抑えるのに苦心しはじめていた。
「鍋だけでよかったのに、まさか家からもこんなにいろいろ作って持ってきてるとはな……お前いい嫁さんになるよ」
(俺の)
「ふふ。今日は夕方集合で時間あったから。響さんに気に入ってもらえたなら、これからは時々僕に手料理で普段のお礼をさせてくださいね」
可愛い笑顔で可愛いことばかり言う美晴。…こいつ本当に自覚ねぇのかな。自分がどれだけ可愛いのか。俺がどれだけこいつにメロメロになっているのか。
さっきの食事中に少し酒が入ったもんだから、ますます俺のテンションがおかしな方向にいっている気がする。美晴の頬もわずかなアルコールだけで上気したように染まっていて色っぽい。妙なむず痒さを感じ、俺は酒を飲んだことを少し後悔していた。止めておくべきだったか。
「…これからも作りに来てくれんのか」
「はいっ。もちろん。だっていつも僕がご馳走になってばかりなんだもん。こうやって僕も響さんを喜ばせられるなら嬉しいです」
「…………そうか。嬉しいよ」
(……あ、なんかヤバいなマジで)
ダメだと分かっているはずなのに、少し長く見つめてしまう。意味ありげな態度は絶対ダメだろ。まだ早い。美晴が俺に少しでも気がある素振りをすれば話は別だが、このピュアすぎる鈍感野郎には今のところそんな気配は全くない。
はずだ。
「……。」
「……?…どうしたんですか?響さん。酔ってます?」
ちょこんと小首をかしげるその仕草さえ、俺に甘えているんじゃないか、なんて、都合の良い方に考えてしまう。違うだろ。たぶん。
落ち着け。冷静になれ。
「……は。酔うわけねぇだろ俺があんな量で」
「ふふ。強そうですもんね、お酒。僕はすごい弱いです」
「…顔見りゃ分かるよ」
頬が赤く色づいて、瞳が潤んでる。純真無垢なこいつだからこそ、凶悪な色気だ。ゴクリ、と喉が鳴った。たまらず俺は手の甲でその頬に触れてみた。
「っ!」
「…ほらな、やっぱり熱い」
美晴の肩がピクッと上がったので慌てて手を離す。……何やってるんだ俺は。もう止めろ。
だがほんのわずかに触れたその肌の滑らかさに、俺の欲はますます掻き立てられてしまった。
「びっ、びっくりした。やっぱり赤いですか?いつもすぐ赤くなっちゃうんですよねぇ」
「ああ。そうしてるとますます可愛いなお前」
「ま、またそんなこと言う……」
(……あ。言っちまった)
何をやってるんだ俺は。よせ。一旦離れないと、……これはマジでヤバい。
「もう22時ですね。僕これ食べたら今日はもう失礼しますね。電車で帰りますから、響さんはもうゆっくりしててください」
「…………別に明日日曜なんだから、そんな急ぐことねぇだろ」
「や、急いでませんけど、だってもう遅いし」
「泊まってけば?」
(……っ!しまった…。俺、何言って……)
「えぇ?でもさすがにそれはなんか申し訳ないですよ」
「…別にいいだろ。部屋なら余ってるし、布団もあるし。……一緒に寝てもいいぞ、俺のベッドで」
「あははっ!添い寝ですか、響さんと」
(もういい。もう止めろ。これ以上はマジでダメだ)
頭の中でサイレンが鳴る。百戦錬磨の俺の勘がダメだと言ってるんだ。暴走したらマジで一生後悔するハメになるぞ。
分かっているのに、だけど目の前の美晴はあまりにも可愛くて、色っぽくて…………
この俺に限って、絶対にやってはいけない過ちを犯した。
些細な相手の言動を自分にとって都合良く解釈するという、過ちを。
「……ダメなのかよ」
「ダメじゃないんでしょうけど。ふふ」
「…………。」
「……。」
笑い声の後に、ほんの一瞬できた沈黙。
その瞬間、美晴は俺の目を見ていた。俺ももちろん、美晴を見つめていて。
(…………美晴……っ)
その一瞬に深い意味なんて全くなかったはずなのに。
いつもの恋愛ごっこの時のような、相手がわざと見せてくるあの手の隙とは全然違ったはずなのに。
何の確証もないまま、俺は湧き上がる欲望のままに強引に腕を引き寄せ、美晴の唇を奪った。
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