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1章 幼少期編
第2王子はツンデレ属性
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王様の許しを得て王様の従者の方に案内され私はお兄様と共にとある場所へ向かう。
王宮の王族専用に作られた薔薇園の中にある四阿。
近くまでお兄様に付きそってもらい、私は1人で四阿へ入って行った。
するとその四阿は、女の子が好きそうな装飾が施され明らかに何か意味を持たせた造りをしていた。
四阿に置いてあるソファーの上に膝を抱えて座りながら眠っているフレデリク殿下。その顔には涙の痕が見える。
あれからココで一人で泣いていたのかしら?
ジュリアン殿下からあんな話を聞くとなんだか申し訳なくなってくる。
「殿下、殿下起きてください。こんな所で寝てたらお風邪を召されてしまいますわ」
ぷくっとした殿下の頬をツンツンとしながら殿下に声を掛ける。
薄っすらと意識を取り戻した殿下が私の姿を目にした瞬間、殿下が飛び退いた。
「な、な、な。なんでお前がココにいるんだ?ここは王族専用の四阿だぞ!!」
「はい、存じ上げております。王様の許可を得てこちらへ参りました」
そう立ち入りの許可を得たと言うと、不服そうだけど話は聞いてくれるみたいだ。
「なんの用だ、俺はお前に用はないぞ」
とそっぽを向くけれど、フレデリク殿下はチラチラと私を見ている。
「そうですね、私も特に用はないのですが……」
「な、用もないのにわざわざ来たのか?暇なのかお前は」
「いえ、そう言うわけではありませんけど、殿下先ほどは失礼いたしました」
私が謝るのも変な話だけど、ご機嫌を取らないと話が進まない。
「私、知らなかったのです。殿下方の婚約者として紹介されるなどと……」
そう言うと、ぱぁぁぁと顔をほころばせた殿下に。
「じゃ、じゃぁ俺の婚約者に「いえ、それはお断りさせていただきましたわ」
被せ気味に言うと殿下の顔が絶望に染まる。
そんなに私は殿下に気に入られていたのかしら?よくわからなくてコテンと首をかしげると、今度は殿下の顔が真っ赤に染まる。
え?なんだこの可愛い生き物は。
「私、殿下の婚約者にはなれませんけど、私とお友達になっていただけませんか?」
「友達?」
「はい、お友達です」
「なぜ友達なんだ?婚約者ではダメなのか?」
お友達という関係に納得がいかないのか殿下が食い下がってくる。
「あの、殿下にだけお話しますけど秘密にしていただけますか?」
秘密という言葉に反応した殿下。やっぱり子供は秘密が大好きだ。
「私、ずっと憧れの方がいますの。別にその方と婚約したいとかではなくてただその方を見て居たいのです」
「そいつの事が好きなのか?」
少し不貞腐れたような表情をする殿下。
「そうですね。お慕いしております。ですが私ではあの方の唯一にはなれませんから、あの方の唯一が見つかるまで見て居られる間は見ていたいのです」
そう、私の大好きな人は絶対に私を選ばない。それがわかっているから私は誰とも婚約なんか出来ない。
「なぜだ?お前が望むなら断るやつなんかいないだろう?」
「いえ、どうしても無理なのです。私ではあの方の唯一にはなれないのです」
諦めた顔をする私に殿下は苦しそうな顔をして。
「……番。お前の好きな相手は人ではないのだな」
そう、私の憧れのあの人は番を欲する種族。だから人の私ではその願いを叶えるのは難しい。
「そうか、わかった。じゃあ俺が友達になってやる。だから俺に隠し事はするなよ」
フレデリク殿下はツンデレだけど懐に入れた相手には優しい。でもツンデレだから言葉は辛辣なのはしょうがない。
「ありがとうございます。殿下これからよろしくお願い致しますわ」
「フレディ」
「え?」
「フレディと呼べ。俺もお前の事はスーと呼ぶ」
「はい、わかりましたわフレディ様」
こうして私は第2王子とお友達になった。
王宮の王族専用に作られた薔薇園の中にある四阿。
近くまでお兄様に付きそってもらい、私は1人で四阿へ入って行った。
するとその四阿は、女の子が好きそうな装飾が施され明らかに何か意味を持たせた造りをしていた。
四阿に置いてあるソファーの上に膝を抱えて座りながら眠っているフレデリク殿下。その顔には涙の痕が見える。
あれからココで一人で泣いていたのかしら?
ジュリアン殿下からあんな話を聞くとなんだか申し訳なくなってくる。
「殿下、殿下起きてください。こんな所で寝てたらお風邪を召されてしまいますわ」
ぷくっとした殿下の頬をツンツンとしながら殿下に声を掛ける。
薄っすらと意識を取り戻した殿下が私の姿を目にした瞬間、殿下が飛び退いた。
「な、な、な。なんでお前がココにいるんだ?ここは王族専用の四阿だぞ!!」
「はい、存じ上げております。王様の許可を得てこちらへ参りました」
そう立ち入りの許可を得たと言うと、不服そうだけど話は聞いてくれるみたいだ。
「なんの用だ、俺はお前に用はないぞ」
とそっぽを向くけれど、フレデリク殿下はチラチラと私を見ている。
「そうですね、私も特に用はないのですが……」
「な、用もないのにわざわざ来たのか?暇なのかお前は」
「いえ、そう言うわけではありませんけど、殿下先ほどは失礼いたしました」
私が謝るのも変な話だけど、ご機嫌を取らないと話が進まない。
「私、知らなかったのです。殿下方の婚約者として紹介されるなどと……」
そう言うと、ぱぁぁぁと顔をほころばせた殿下に。
「じゃ、じゃぁ俺の婚約者に「いえ、それはお断りさせていただきましたわ」
被せ気味に言うと殿下の顔が絶望に染まる。
そんなに私は殿下に気に入られていたのかしら?よくわからなくてコテンと首をかしげると、今度は殿下の顔が真っ赤に染まる。
え?なんだこの可愛い生き物は。
「私、殿下の婚約者にはなれませんけど、私とお友達になっていただけませんか?」
「友達?」
「はい、お友達です」
「なぜ友達なんだ?婚約者ではダメなのか?」
お友達という関係に納得がいかないのか殿下が食い下がってくる。
「あの、殿下にだけお話しますけど秘密にしていただけますか?」
秘密という言葉に反応した殿下。やっぱり子供は秘密が大好きだ。
「私、ずっと憧れの方がいますの。別にその方と婚約したいとかではなくてただその方を見て居たいのです」
「そいつの事が好きなのか?」
少し不貞腐れたような表情をする殿下。
「そうですね。お慕いしております。ですが私ではあの方の唯一にはなれませんから、あの方の唯一が見つかるまで見て居られる間は見ていたいのです」
そう、私の大好きな人は絶対に私を選ばない。それがわかっているから私は誰とも婚約なんか出来ない。
「なぜだ?お前が望むなら断るやつなんかいないだろう?」
「いえ、どうしても無理なのです。私ではあの方の唯一にはなれないのです」
諦めた顔をする私に殿下は苦しそうな顔をして。
「……番。お前の好きな相手は人ではないのだな」
そう、私の憧れのあの人は番を欲する種族。だから人の私ではその願いを叶えるのは難しい。
「そうか、わかった。じゃあ俺が友達になってやる。だから俺に隠し事はするなよ」
フレデリク殿下はツンデレだけど懐に入れた相手には優しい。でもツンデレだから言葉は辛辣なのはしょうがない。
「ありがとうございます。殿下これからよろしくお願い致しますわ」
「フレディ」
「え?」
「フレディと呼べ。俺もお前の事はスーと呼ぶ」
「はい、わかりましたわフレディ様」
こうして私は第2王子とお友達になった。
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