乙女ゲームの世界に転生したら、モブだったので神様に貰ったチートな力を駆使して前世の最推しをストーキングしますっ!

支倉りおと

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2章 王立学園編

モブストーカー、王立学園へ入学する 4

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 入学式の為にジュリアン様とフレディ様にエスコートをされ講堂の中に入ると、ザワザワとざわついていた騒めきがピタっと止んだ。

 どうしたのかと思っていたら凄い数の視線、中でも殺気を放ち今にも視線だけで私を射殺しそうなものを感じた。

 その視線に気が付いたのか、その視線から私を遮るようにジュリアン様が私を隠した。

 私に挑発的な視線を送ってくる方角に向かい一瞥すると。

「私は生徒会の代表挨拶があるからここにはいられないけれど、何かあったらフレディを頼るんだよいいねスー。私の愛しい人」

 そう言うと私の頬にキスをした。そして周りに威嚇と牽制を忘れないジュリアン様……美形は何してもクッソ絵になる。腐っても王族ね。

「兄上、お任せください。俺にとってもスーは大事な人だから何がなんでも彼女を守ります」

 私を見ながらニッコリと微笑むフレディ様……こちらも周囲への威嚇と牽制をさらに上掛けする。

 シンとしていた講堂内、私とフレディ様が着席した途端に小さく騒めきはじめた。

「あの令嬢は誰だ?」

「ジュリアン殿下とフレデリク殿下を従える令嬢なんか見た事ないぞ」

「嘘でしょ?どうして王太子殿下と王子殿下を独り占めする人がいるなんて?」

「まさか、王太子殿下の婚約者じゃないでしょうね?本当にどこの令嬢よ!!」

 コソコソと話しているようだけど、丸聞こえですよーみなさーん。

 まぁ、騒ぎたい気持ちはわかる。立太子してもいまだ婚約者を発表せず、身近に女性の影もなかった王太子殿下にいきなりどこの馬の骨とばかりの私が一緒にいたらそりゃ驚くってもんよね。

 うんうんと納得する私の何を勘違いしたのか、フレディ様が私の手をぎゅっと握りしめた。

「スー心配はいらないよ。スーの事は俺が守るから」

 ふぇぇ?ど、どうしたの?なんでフレディ様が私の事そんな熱い眼差しで見てくるんだ?

 もうちょっと本当によくわからないんですけど。

 と、とにかく今はこの入学式を乗り切る事が先決だ。落ち着け私。



 今だ騒めく会場内だったけれど、ようやく入学式が始まり静寂が戻ってきた。

 
 学園長の挨拶にはじまり、来賓の祝辞(何故か私のお父様)、生徒会長の挨拶……予想通りジュリアン様でしたわね。

 それにしてもさすが麗しの王太子殿下だ。彼が壇上に上がると令嬢の黄色い声が凄かった。

 わかるよー。性格は腹黒だけど見た目だけは極上男子だもんなージュリアン様ってば。私の好みはフリードリヒ様だからジュリアン様は私の好みではないんだよね残念ながら。

 ジュリアン様の歓迎の挨拶のあと、私の隣に座っていたフレディ様が呼ばれた。

 新入生代表挨拶は王族がいる場合は王族がってテンプレよね。でもフレディ様は前世チートの私と一緒に勉強していたからか、本来の負けず嫌いが発揮されたのか勉強は出来るし運動も出来るし容姿は美しいと完璧超人なんだけど、性格がちょっと残念なイケメンなんだよね。

 まあ、ジュリアン様より素直に育ったぶんフレディ様に私が甘いのは許して欲しい。小型犬だったのが最近は大型犬に進化してきてたまに怖い事もあるけれど、普通に良い子だからなーフレディ様。

 壇上に立ち挨拶をするフレディ様は本当に立派な王子になったな。

 幼少から一緒にいる時間の長い私は彼の保護者な気分だわ。

 私やフレディ様と一緒に入学するゲームのキャラクターは、フリードリヒ様の弟のエドガー様。フレディ様の婚約者候補のクラウディア様。私の生涯の天敵のユリウス。まだ出会っていない魔術師団の団長の侯爵子息それと、ゲーム通りなら私達が15歳から通う事になる高等科で入学してくるはずのヒロインルーナ・アッカーマン。


 ゲーム開始は今から4年後。

 正確なゲーム開始まで時間があるからまだまだどうなるか予想も出来ないけれど、所詮モブの私には他人事だもんんなぁ。

 まぁ呑気にヒロインちゃんと攻略対象者の美麗スチル回収と、是非ともヒロインちゃんとジュリアン様をくっつける為に暗躍して、時間があいたらフリードリヒ様の観察と言う名のストーカー業務に精を出さねば。

 あー楽しみだなぁ。


 そして私は大事な事を一つすっかり忘れていた。

 ま、その事に気が付くのはゲーム開始の時。

 本当に私って詰めが甘いって言われるはずだわ。


 トホホ。

 

 
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