天使な息子にこの命捧げます

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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側妃の眼の前に勅書を出して頭を下げさせました

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「な、なんですって。あなた、もう一度言ってみなさいよ!」
女が叫んでくるけれど、私はそれどころではなかった。

シャルルは号泣していたのだ。
「ああん、シャルルちゃん。このおばさんが怖かったのね。大丈夫よ。お母様がついていますからね」
私は必死にシャルルをあやしたのだ。

「そこのお前、側妃様に対して無礼であろうが」
そんな私に近衛の騎士が飛んできたんだけど。

「煩いぞ。お前こそ、オルレアン侯爵様に無礼だろうが」
私の前にバリーが立ち塞がってくれたのだ。

「侯爵様? どこに侯爵様がいらっしゃるのだ? いるのは夫人と乳飲み子だろうが」
馬鹿にしたようにその近衛騎士が言ってくれた。

私はその言葉にむっとした。

「アリス、アレをバリーに渡して」
私はアリスに指示したのだ。

「判りました」
そう言うとアリスはカバンの中から陛下からの勅書の入った筒を取り出してバリーに渡したのだ。

「えっ、これは勅書では?」
バリーは慌てた。
「えっ、勅書?」
それを聞いた近衛騎士等も慌てるが……

「そうよ。バリー、近衛の皆さんはシャルル様が侯爵だと信じられないみたいだからそれを近衛騎士に見せて上げなさい」
「判りました」
バリーはその筒から取り出す。

「えっ、お前、このようなところ勅書なんて」
近衛達は慌てたんだけど、もう遅いわ。

「ええい、控えおろう」
バリーが勅書を広げたのだ。

「「はっ」」
近衛騎士達は慌てて、跪いたのだ。

目の前に勅書を広げられて頭を下げなくてよいのはそれを持っている人間だけだ。

女性も頭を下げることになっているのだ。

忌々しそうに見ていた側妃も慌てて頭を下げたのだ。
この空間だけ、皆の動きが止まる。

「シャルル・オルレアン、貴公をオルレアン侯爵に叙す。また、シャルルは幼少の砌、成人するまではその母ジャンヌをその代行とする」
バリーが読み上げたのだ。

「皆様。おわかりになりまして。こちらにおはすのが、オルレアン侯爵です。無礼の無いように」
私が一同を見渡していうと、近衛達は頭を下げるしか無かった。

なんとか、泣き止んだ。シャルルが周りをキョロキョロ見ている。

ふん、ざまあ、見たか!

私は睥睨してやったのだ。
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