無能と呼ばれた魔術師の成り上がり!!

春夏秋冬 暦

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魔法学園グリモアール編

ボス戦とはきついものである

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 白銀の龍を倒した俺たちはあれから二週間着々とダンジョンを攻略していった。
 気づいたときには俺たちは五十階層まで来ていた。

「もう五十階層に到達したんだな。これならもうすぐでダンジョンボスに会えるんじゃないか?」

「そうだな、そうだといいな」

 マサトの顔には少し疲労の色が見えていた。
 しかし、それも無理はない。いくらライトやマサトがチートのような存在であっても二週間もの間ずっと暗いダンジョンの中に潜っていれば、誰だって疲れが見えてくるはずだ。
 それでも彼らはダンジョンをどんどんと進んでいく。
 しばらく歩いているとミルラ王女が何かを見つけたようだった。

「あっ!あれって下に行くための階段じゃないですか?」
 
 どうやらミルラ王女は下へと続く階段を見つけたようだ。
 俺たちはさらに下へと降りていく。
 階段を降りきると目の前に大きな扉が現れた。

「やっとついたか……」

「ここにダンジョンボスがいるのか」

「どうします?もういきますか?」

「そうだな……ここで止まっていても仕方がない。いこう!」

 俺たちはダンジョンボスがいる部屋へと続く扉を開けた。
 中にいたのは、一人の黒い鎧を装備している騎士のようなモンスターだった。
 そのモンスターは不気味に佇んでいた。
 
「Aランクモンスターの黒騎士……」

「Aランクモンスターか……それなら勝てるな」

「あれ一体だけのはずがありません。黒騎士は常に何かのモンスターを従えて、大群で戦うはずです」

「だが、あいつの他にモンスターなんて見当たらないぞ」

「それがおかしいんですよ」

「とにかく戦ってみないとわからないよな」

 ライトは一人で黒騎士に突っ込んでいく。
 剣を持ち、黒騎士に斬りかかったが、黒騎士の持っていた剣に弾かれてしまう。
 すかさずライトは逆の手にも剣を持ち、隙のできた黒騎士に攻撃を与えおうとする。
 しかし、ライトの予想外の攻撃にするら反応し、避けてからカウンターをライトは喰らってしまった。

「うわっ!」

「お兄ちゃん!大丈夫!?」

 黒騎士の攻撃を喰らってしまったライトは遠くへと弾き飛ばされてしまった。
 だが、ライトはすぐに立ち上がることができた。

「なんとか無事だ!それよりもあの黒騎士は本当にAランクかよ!」

「ユニークモンスターなのかもな……」

「ユニークモンスターだと……!」

 ユニークモンスターとは、いわゆるモンスターが何らかの原因で変異した変異種であり、通常のモンスターと比べて強さは桁違いなほど強い。

「しかし、なんでユニークモンスターなんかに?」

「あれじゃね?見た感じ一人みたいだからやることなくてずっと鍛えていたとか」

「ありえる」

「何バカなこと言っているんですかお兄ちゃんたちは。とにかくあの黒騎士を倒すことだけを考えましょ!」

 ミルラ王女に言われてから、ライトとマサトは黒騎士と向き合う。

「じゃあ俺が前衛で、マサトは中堅を、ミルラ王女は後衛を頼む」

「「了解!」」

 ライトは新たに剣魔法で剣を二本造り出し、さらに空中に数百本の剣を待機させる。
 マサトは攻撃魔法を詠唱し始め、ミルラ王女はライトの援護に回る。 

「ボッチには数の暴力でってな」

 ライトは二本の剣を器用に使いながら黒騎士へと攻撃を繰り出していく。

《二刀流レベルMAX発動》

 黒騎士はライトの攻撃をとめるのに手一杯になっていた。
 その間にマサトは攻撃魔法を黒騎士へと叩き込んだ。

「《マジック・クリエイト マジックボム》」

 マサトが放った魔法は黒騎士へと飛んでいき、黒騎士に当たると衝撃音とともに爆発を起こした。

「よし!今のはもろに入った!これなら黒騎士でも倒したはず!」

「おい!それはフラグ……」

 爆煙が晴れると、そこには黒騎士が立っていた。
 ほら、やっぱり完全なフラグだったじゃねえか!
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